なかまくらです。
2週間くらい前になりますが、LOOPERを終映ギリギリで観ていました。

あらすじ。
未来の犯罪組織は、殺しを隠すために、人間を過去に送って処分させていた。
処刑された人間には銀の延べ棒が括り付けられていて、それを報酬として受け取り、
死体を処分する。彼らはLOOPERと呼ばれていた。
LOOPER自身も生きていては、証拠の隠滅にならず、組織によってやがては過去に送られてくる。
ジョーの前にもある日、30年後の自分が現れる。
普段であれば、顔は布で覆われているが、その時は違っていた。
一瞬の逡巡が、未来の自分を逃がすことにつながってしまう。
仕事に失敗したジョーは、組織から追われる。
未来から来たジョーは、喫茶店にジョーを呼び出し、未来の話をする。
未来のジョーは、自分を変えてくれる女房に出会い、幸せになった。
しかし30年後、犯罪組織の魔の手は延び、LOOPERであったジョーを消すために現れる。
その時、女房は巻き込まれ、命を落とすのだ。
犯罪組織を牛耳る男を30年前の時代で殺さなければならない。
ジョーは未来からそのためにやってきたのだった。
未来のジョーの未来は、俺の未来ではない、とジョーは言う。俺はフランスに行くんだ、と。
二人は決別し、
ジョーは、組織から逃れ、ある町から離れた農場にたどり着く。
そこには、すさまじいPK能力(サイコキネシス)をもつ親子が住んでいた。
ジョーは知る。彼こそが、未来で犯罪組織を牛耳る男だと。
ジョーは、母親に向かって叫ぶ。あれは危険だと。
母親は、うまく力をコントロールできるようになれば、きっとそれは素敵なことになる、と答える。
未来からジョーがやってくる。
母親は子どもと未来のジョーの間に立ちふさがる。
ジョーの中にビジョンが走る。
未来のジョーが母親を殺し、母親を殺したLOOPERという存在を皆殺しにする未来の子どもの姿。
そして、ジョーは、・・・。
というお話でした。
これはね、面白かったです。
ちょっと、B級SFを予想して観にいって、いい意味で裏切られました。
インセプションを見に行った時みたいな衝撃。
世界観にどっぷり浸かれば、あとはもう、ああ、そうくるか!
という機知に驚かされ、ブルースウィルスが演じる未来のジョーがどんな汚いことをしてでも幸せを取り戻そうとする姿に心揺さぶられ、ジョセフ・ゴードン=レヴィット演じる若きジョーの豊かな表情からくみ取られる感情に共感し、・・・・・・ドキドキ、わくわくしながら観ていました。これはいいね。たぶんまた観たくなるね。
それにしても、このふたりの俳優さん、めっちゃいいよ。
物語もよかったけどさ。
あと、ネタバレになりますが、ラスト、
母親は子どものために、未来のジョーは妻のために行動し、
若きジョーは世界のための行動を選択するのですが、
若きジョーは、ほんとうに世界のためを思って行動を選択したのかな。。。と疑問に思います。
ジョーは、何十年後かの未来で確実に終わってしまう自分の人生に希望を持てなかったのではないかと。
OPから独白しているように、前向きに生きようとする人間にはつらい仕事だと、ジョーは言います。
自分を殺し、世界を救うことが、彼にとって唯一、何か前向きに誰かのためになれることだったんじゃないかと、
そう思ってしまうのです。
未来のジョーにとってそれがひとりの女性にささげられたように、
若きジョーにとってのそれが、漠然としたままであったがゆえに、
PK能力者の子どもであり、その母親とその後ろにある運命とか世界というやつに抗うことが、
誰かのためであり、前向きに生きるという決断だったんじゃないかと。
なんかうまく言えませんが、そんなことを思いました。
おわり。