40分くらい、キーボードを叩いてたら、書けました。
なんか心がざわめいて落ち着かない。不安定は今は要らないのよ。
明日からまた頑張ります。なんか字が小さいので、ブラウザの拡大機能を使って大きくして読んでください。
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明日が僕らを呼んだ話
作・なかまくら
明日が僕らを呼んだ話
120716
明日が僕らを呼んだって?
それは嘘だ。明日が僕を呼ぶわけがない。
・・・明日というのは、トゥモローのことだろ? ああ、君はよく似ているけど、トゥモローという名前じゃないのか。
じゃあ、とっておきの話をしてあげよう。明日が僕らを呼んだ話だ。
++
ある日の昼休み。
僕らのクラスはいつもにも増してざわついていた。僕らの真ん中には僕らとあまり変わらない背格好の男の子がいた。いや、この場合、男の子というのは少しおかしい。彼はロボットだった。
僕らは口々に僕らのことを話した。中学生なんて、他人への興味よりも、まだ自分のことばかり考えているようなやつらばかりで、彼はうんうん、と聞いてはときどき相槌を打っていた。彼の自己紹介は既に一通り終わっていて、彼によれば、彼は、中央電子演算塔で造られた新品のロボットなんだとか。
彼は、僕らよりも計算がずっと得意で、漢字の間違いとかもずっと少なかったけれど、中間テストの国語なんて、ひどい点数をもって、僕らは一緒に教室で居残りの宿題をやった。
ロボットなのに好き嫌いもあって、給食の時間になると燃料ドリンクをまずそうな顔でぐいっと、やって、
「ぐはー、やっぱ、まずいわ、これ」なんて、まずそうな顔で言うから、僕たちは牛乳を噴き出して大笑いした。
彼の顔は、青汁を飲んでいる父さんの顔にそっくりだったから、僕は人一倍笑い転げていた。
ある日、道徳の時間になると、ロボットの彼に名前をつけよう、ということになった。僕らは、勝手にトゥモロー、トゥモローって、読んでいたから、なんで? って、顔で先生を見ていた。すると、先生は言ったんだ。
君たちは、自分たちの名前、好き? その名前はね、お父さん、お母さんが君たちが将来幸せになれるようにって、一生懸命考えてつけてくれた名前だから、好きになれるんだよ。君たちは、彼の名前、一生懸命考えたかな? 幸せになれそうかな?
僕たちはしーんと静まり返ってしまった。トゥモローの名前は、彼の服に僕らがいたずらでつけたトウモロコシのシールからつけたんだ。とうもろー、とうもろー、とぅもろー、トゥモロー。とうもろこしで幸せになれるのは、お祭りで焼いたトウモロコシの時だけだ。僕たちが黙っていると、トゥモローは、こう言ったんだ。
「先生、でも、僕、このクラスに来れてよかったです。幸せです」
先生は、僕らの顔を見渡して、それから、彼を見ると、
「そう、じゃあ、これからもよろしくね、トゥモロー君」
そう言ったんだ。
僕たちはそれからも一緒に遊んだ。
それからしばらくは、僕たちは本当に幸せだった。
でも、僕たちの幸せな世界の外では大変なことが起こっていたんだ。
ある日、僕が家に帰ると、いつも仕事で遅い父さんが玄関で僕らの靴の裏の部分をはがしていた。
「ただいま」僕が言うと、
「おう、おかえり。早かったな」父さんは、作業する手を止めずにそう答えた。
僕は、
「・・・なに、してるの?」そう尋ねると、
「チップを外してるんだよ。チップがあると、どこに逃げてもすぐに見つかっちゃうだろ?」そういって、お父さんのお気に入りの少し底の厚いブーツにナイフが、入った。
戦争が始まるかもしれない。
僕たちは、トゥモローから、そんな話を熱心に聞いた。ロボットだけあって、物知りだ。前から、ロボットは独立した国を作りたいと、人間側と交渉していたんだって。人間政府は、ロボットには心がないと思っていたけれど、もし、心があるというのなら、ロボットとヒトは分かり合えるはずだって、そう考えて、トゥモローのようなロボットが、いろんな場所に送られてきたんだって。トゥモローは、それから、申し訳なさそうに僕らに謝った。「僕、スパイだったんだ」
僕らは、その時、守ろうって決めていたんだ。
テレビの中からだんだんと笑顔が点滅しだして、急によく笑って、消えた。
空にはヘリコプターがバラバラと雨のような音を学校の校舎に落としていくし、
学校自体も、毎日じゃなくなった。
電気が時々ちゃんと来なくなるころには、ロボットが町から追い出されるようになっていた。テレビが恐ろしい口調で、戦いを口にしたとき、僕は、トゥモローに聞いていた住所に向かって真っすぐに走った。僕が一番近くに住んでいた。郵便局の隣。そう聞いていた。
郵便局の隣・・・郵便局の隣には、家なんてなかった。古ぼけたロッカーが並んでいて、・・・そのひとつにトゥモローって、書いてあった。
僕はなんだか不意に力が抜けてしまった。
そのとき、ロッカーの上についていた回転灯がぐるぐると赤く回転しだす。それはぐるぐるとまわるたびに、ロッカーのドアを少しずつ押し広げて、ついには、中のロボットたちが露わになった。ロボットたちの顔は、僕たちと見分けもつかないくらいよく似ているけれど、その目は少し乾いていた。僕は、ずりずりと後ずさりをして、田んぼに背中から落ちた。そこから、ロボットたちが中央電子演算塔の方へ向かって歩いていくのを見ていた。
一体のロボットが近づいてくると、トウモロコシのマーク。トゥモローだった。
「大丈夫?」そう言って、僕が田んぼから抜け出すのに力を貸してくれる。
そんなロボットを、僕は、一瞬怖いと思ってしまっていた。
トゥモローは、分かっているのかいないのか、僕の方を見ずに言う。
「僕は行かなくちゃいけない。僕は、ロボットだから。でも、忘れないでほしい。ロボットだけど、君たちの友達だった。これは本当だった。だから、こう言うよ。さようなら」
トゥモローはそう言って、僕の前から居なくなった。
++
それから、戦争は起こって、トゥモローと同じ型のロボットが、たくさんやってきて、友達も家族もいっぱい死んだ。
「だから、自分は、軍に入ることを志願しました!」僕は、そう言って、直立の姿勢をとった。
「だが、君は、あるロボットと、友達だといって、教官に難あり、と退学させられたと聞いているが?」僕は、内心のくちびるになっているところを心の歯で噛んだ。
「はっ。決心は既に固まっております」僕の心は、丸く収まらない。
子猫が毛糸の玉をころころと転がすと、転がった毛糸玉が、転がる先から糸をこぼしていくように、僕の心は、丸く収まってはいなかった。
あとがき
実は、関連の話があるんですが、時間も気力もないので、まあ、気が向いたら。
いつか、どこかで。
[1回]
つづきです。一か月ぶりになってしまいましたが、ちょっと短め・・・。時間なし。
*http://1cm3.mamagoto.com/Entry/456/のつづき
そろそろタイトル考えようかな。
リポート ・・・行っちゃった。
イジー ・・・・・・。
リポート まさかいつの間にかアイちゃんにフィアンセがいたなんてねぇ~。やー、隅に置けないんだから・・・ねえ、イジーもそう思うでしょ?
イジー ・・・・・・
リポート ・・・ねえ。
イジー ・・・ホントにそう思う?
リポート え?
イジー あのさ。君はアイちゃんのことを何にも知らないんだね。
リポート ほっといて。それで、なんなの?
イジー アイちゃんはね、国家反逆罪で捕まったの。
リポート 国家反逆罪?!
イジー アイちゃんはね、国民的アイドルだったの。それでこの国の首相に目を付けられた。
リポート ・・・うん。
イジー 首相は首相の息子の好感度を上げようとアイちゃんに求婚を申し込んだ。
リポート えっ、何それ。どこの悪代官様よ。
イジー この国は人類の最後の楽園だから、結婚することはすごく名誉なことなんだ。ところが、アイちゃんはそれを断った・・・。
リポート ちょ、ちょっと待って。
イジー ・・・?
リポート イジーはアイちゃんが好き?
イジー 言うまでもない。好きだが?
リポート それはLOVE(エル・オー・ブイ・イー)的な意味で?
イジー でなければ、匿ったりしないって。
リポート だよね。しかもさ、国民的アイドルだったんでしょ?
イジー それはもう・・・CDとかバカ売れよ?
リポート だったらさ、イジーみたいに思ってる人がホントはすっごくたくさんいるってことだよね?
イジー うん。
リポート ということはさ、どう考えても悪モンは悪代官の方じゃん。
イジー だから、結婚するのはすごく名誉なことで・・・
リポート でも、アイちゃんの大ファンであるイジーは良く思ってない。
イジー そうだよ。
リポート で、イジーみたいなファンはたくさんいる。
イジー そうだよ。
リポート ということはたくさんの人がアイちゃんの結婚、よく思ってないんじゃないの?
イジー ・・・あれ? そうかな?
リポート だって、私の知ってるアイドルでいえば、アイドルが結婚したからって、自殺しちゃったりとか、その人のファンじゃなくなっちゃうとか・・・あ、これはむしろ憎んでるのか。でも、熱狂的な人って、ホントにアイちゃんのこと、考えてくれてると思うんだよね。
イジー 詳しいね・・・。
リポート ちょっと知り合いの博士がね、熱狂的ファンで。
イジー ふーん。
リポート アイちゃん、の国家反逆罪って、誰が言い出したの?
イジー そりゃあ、言い出したのは、この国の一番偉い人で、この国の法律で・・・。
リポート でもさ、一番偉い人を決めるのは国民・・・え、あれ? この国、民主制だよね?
イジー 民主制?
リポート あー、違うのか。国民が政治家を選ぶの。政治家は国民の希望を反映した政治をするんだよ。
イジー へぇ~。でもさ、それだと、誰でも服屋も、料理人も、音楽家も政治家になれるように勉強しないといけないじゃないか。そんなの、国家にとって無駄な労力じゃない?
リポート それ、完全に国家統制されてるよ。たぶん、なんかTVとかの放送で催眠でもかけられてるのかも。
イジー え? 催眠?
リポート だって、そうしたら説明つかない? 国民みんながアイちゃんが国家反逆罪だと思ってた。当たり前にそう思ってた。それは、首相が国民に向けてなんか暗示をかけたんじゃないかな。
イジー でも、俺とかはむしろ、あ、あと隊長もアイちゃんを我が物にしようとしてるよ、きっと。
リポート 隊長“も”?
イジー だ、誰だって、部屋に飾ったポスターに口づけぐらいしちゃうさ。ああっ、どんびかないで・・・。
リポート ・・・やっぱりアイちゃんに対する感情で、暗示のかかり方が違うんじゃないかな。私はその後に来たから別にアイちゃんになんも感情はなかったからまったくかからなかった。
イジー うん。それでね、こんなことしてる場合じゃなくてね、
リポート うん。
イジー 隊長が、アイちゃんを連れてったのが、まずいんだって!
リポート え、だって、あの人はアイちゃんのフィアンセ・・・
イジー なわけないじゃん! もうめっちゃいかついおっさんジャン!
リポート 否定はできないけど・・・。
イジー あの人は、この国の軍隊の隊長・・・軍部の一番偉い人だから、アイちゃんを自分のものにする気だ・・・。助けに行かないと・・・。
リポート 足、めっちゃ震えてるんだけど。
イジー 武者震いだっ!
リポート 武者小路実篤震いかっ!
イジー 武者小路実篤震いだっ!
リポート 行く先とか・・・分かるの?
イジー 分からない・・・。
リポート 聞き込み、しよ。
[0回]
なかまくらです。
気晴らしに何故か鬱な小説を書くという(笑)。どうなってるの?
ですますこっと
作・なかまくら
『やあ ぼくの名前は ですますこっと みんな笑ってね!
ぼくはくたびれたネクタイを緩めたおじさんと楽しくもない見つめ合いの後、道端の郵便ポストの上に置かれたよ!
何人かの人間が、ぼくのことをちらりと見て、お腹のくすんでしまった三日月マークにクスクスと笑ったよ!
しばらくして、にこやかな顔が魅力的なB君がぼくを手に取ると、少し前を歩いていたAさんは突然ものすごい勢いで走りながら狂ったよ!
狂ったAさんに驚いたB君は思わずぼくを離すと、Aさんの後を追いかけて片側3車線の道路を越えて、仲良く目には止まらぬスキップしていったよ!
道の真ん中に取り残されたぼくは、しばらくすると、Cさんに拾われたよ!
Cさんは、ぼくに声をかけてくれたよ!
「きみのなまえはなんですか?」「やあ ぼくの名前は ですますこっと みんな笑って。」
「そう、きみはですますこっとというんですね」
Cさんの最後の言葉になったよ!
ベランダから落ちるときには男の勲章がひゅっとなったよ!
血みどろのぼくの説明書は今、…君が読んでいるんだよ!
・
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・
こうして ぼくは とても幸せになったんだよ!
めでたしめでたし。』
「ねぇ、」
応えない血だまりの真ん中に、明日への道は見えなかった。
[1回]
なかまくらです。まだまだ続くよ。でも、ようやっと登場人物が揃って4人も出てきたよ。
ちびちび書いてるせいで、後で手直しがめっちゃ大変そうだ~~
*http://1cm3.mamagoto.com/Entry/449/のつづき
リポート まったく・・・本当にまったく・・・。
リポートは街に出ている。謎の男にぶつかる。
リポート あ、すみません。
謎の男 ・・・・・・。
男、去る。
リポート ・・・はぁ。何やってんだろ。
イジー 風船、いかがですかー? 風船、どうですか? 風船・・・あ。
リポート あ。やべ。
イジー あああああああっ!
リポート 脱兎のごとく!
イジー 待って!
リポート 待てん!
イジー 待てば!
リポート 海路の日和あり?
イジー おお。
リポート ・・・ふふん? いや、意味わからんし。ちょっと離して! チカンです!
イジー 落ち着けって。俺はもうお前を捕まえようと思ってないから。
リポート え?
イジー はぁ~。ここでクイズ。ぱんぱかぱ~ん。
リポート 立ち直り早っ!
イジー なぜおれは、こんなところで風船なぞ売っているでしょう?
リポート ほう。何故でしょう? う~ん、覆面警察的な? ていうか、あんた誰か知らないし。
イジー そうでしょうとも、そうでしょうとも。俺もお前のことなんか知らんし。あのね。あの子は元気?
リポート あの子?
イジー アイちゃんだよ。
リポート ああ。
イジー 俺な、アイちゃんをかばおうとしたわけ。
リポート うんうん。
イジー それで、ばれて首になったってわけ。
リポート なるほどー。だからって、風船売りに転身?
イジー そうだけど・・・。
リポート え、なに、ギャグなの!?
イジー ぎゃぐなわけないだろおおおがあああ!
リポート わー、ごめんなさい。冗談冗談。メリケンジョーク。ですよ、メリケン。
イジー メリケン? まあ、いいや。とにかく、もうあんたを追いかける理由もないってわけ。そして、帰る家もないってわけ。
リポート そうなんだ・・・なんか、悪いことしたかな・・・あんた悪モンだったのにね。
イジー 失礼な! 俺は自分で言うのもなんだが、どちらかというと優しい男だぜ?
リポート ふーん。まあ、じゃあね。
イジー ちょ、まって!
リポート まだなんかよう?
イジー 一目でいいから、アイちゃんに会わせてくれないかな?
リポート ・・・なんというか、あんたを信用できないんだよね、全然。
イジー あんたじゃない。イジーだ。
リポート イジー、ねぇ。
イジー 俺のこの目を見ろ! これが嘘をついてる男の目か?
リポート じー。
イジー きらきら。
リポート うん。嘘ついてるわ、これ。
イジー 嘘ついた男の目、見たことあんのかよ!
リポート ないね~。
イジー がくっ
リポート では。
イジー 待ってって。・・・どうしたらいい?
リポート んー・・・・・・じゃあ、風船一個頂戴。
イジー え? ・・・はい。
リポート 私、困ってる人を放っとけない性質なんだよね。
*
イジー この辺にいたのかぁ・・・すぐ近くじゃん。
リポート ま、まあね。
イジー じゃ、行こうか。
リポート まった!
イジー 何?
リポート ここで、問題です。
イジー 問題?
リポート そう。
イジー 何? クリアーしないと先に進めない的な?
リポート ある意味そう。
イジー ある意味?
リポート 問題。友達とケンカしました。
イジー なぞなぞ?
リポート しかも、ケンカしたのはついさっきで、どちらかというと全面的に私が悪いわけ。
イジー なんで?
リポート ・・・なんか、イジーって遠慮なく聞くタイプの男の子なんだね。
イジー よく言われる。
リポート でも、なんか憎めない男ね。私ね、記憶喪失なんだ。だから、自分が何者なのかもわかってない。でもさ、ここじゃないどこかから来たような、そんな気だけがするんだ。
イジー そうなの? ここじゃないどこかなんて、この世界にはないのに。
リポート そうらしいね。
イジー らしいねって・・・。シェルターを一歩出たら、そこは次元も空間もめちゃくちゃで、時空嵐に巻き込まれて普通の生命体なんてひと溜まりもない・・・って、覚えてないの?
リポート なんとなくね、ここは空気が違う気がするんだ。私が住んでいたところよりも、ずうっと、息苦しい。
イジー そうなんだ。そこはきっと夢みたいなところなんだろうね。
リポート 夢・・・だったのかなぁ。
イジー で、問題は?
リポート アイちゃんの期待する私と私の知ってる私の違いに耐えられなくって。
イジー ほう。
リポート 怒鳴りつけて家出しちゃった・・・。
イジー ありゃりゃ。
リポート と、いうわけで、私はこれ以上近づけないわけです。
イジー ん~、でもさ~。なんか出てきたよ?
リポート え?
と、隊長とアイちゃんが出てくる。もう、どうなっちゃうの!?
と、思ったけど、実はリポートと隊長は、まだ面識がないんだね。
隊長とイジーはもちろん面識があるよ。こそこそと隠れるよ。
イジー う。
リポート アイちゃん?
アイ リポート。良かった、最後に会えて。
リポート 最後?
アイ うん、あのね、
隊長 ああ、こんにちは、君がアイちゃんのご友人のリポートさんですね。私、アイちゃんのフィアンセのロゼットです。
リポート どうも・・・。え、フィアンセ!?
隊長 実は・・・
アイ ごめんね、びっくりさせようと思って黙ってたんだ! 私、先に幸せになっちゃうけど、許してね~。
リポート え、いや、え!? それ・・・は、ずるいよ~。
アイ ごめんって~。
リポート も~、こっちこそごめん。なんか、さっき変なこと言っちゃったよね。
アイ そうだよ~、あなたは私の希望なんだからね、しっかりしてよね。
リポート え?
隊長 さあ、アイちゃん。行かないと。
アイ はい。
隊長 イジー。
イジー (ぎくり)
隊長 二度と俺の前に現れるな、と言ったはずだが?
イジー ・・・・・・・・・。
隊長 まあ、いい。今日の俺は見てのとおり、すこぶる機嫌がいい。ま、達者で暮らせよ。アイちゃん。
リポート アイちゃん?
アイ 行かなきゃ。・・・バイバイ。
隊長、アイちゃん、はける。
ちょっと展開が都合良すぎるかな~1~
[0回]
なかまくらです。
終わる気がしない・・・とか言って、まだ8000字くらい。時間にしてほんの20分くらいでござる。
ほんまかいな。*http://1cm3.mamagoto.com/Entry/437/のつづき。
*
リポート ただいまー。おなか減ったー。
リポートは、早着替えで、目立たない格好になっている。
アイ おかえりー。
リポート なにやってんの?
アイ 腹筋。やる?
リポート えー。
アイ ノリノリジャン。
リポート 最近おなか出てきちゃって。
アイ えー、ぜんぜんそんなことないって。
リポート そう?
アイ ねえ、
リポート ん?
アイ こっちにはもうすっかり慣れたね。
リポート そうだね。
アイ ねえっ! 何か思い出さない?
リポート ・・・何を?
アイ 私ね、実は初めて会った時から思ってたんだ。あのさ、リポートはさ、
リポート ねえ、私、普通の女の子だよね。どこにでもいる。
アイ うん。すっかりそうだね。
リポート じゃあ、いいじゃん。もうさ、普通に私は私じゃダメなの?
アイ リポートにアイちゃんから問題。
リポート ・・・なに?
アイ 私は何故腹筋をしているでしょう。
リポート 知らないよ。
アイ でしょ? 私はね、アイドルなの。しかも、たくさんのライトを浴びて歌ってみんなに笑いかけてた。私はだから自分を磨くの。私ってそういう、それでも普通の女の子なの。知ってた?
リポート ・・・知らなかった。アイちゃんって、アイドルのアイちゃんなんだ。
アイ そう。ねえ、あなたは?
リポート え?
アイ あなたは、なんなの?
リポート ・・・・・・。
アイ 私は最初から思ってたの。あなたの服は私達のとはちょっと違った。素材も、雰囲気も。だから思ったの。あなたは、
リポート 私は・・・。
アイ あなたは、ユートピアから来たんでしょ?
リポート え?
アイ この世界にはまだ人類の生きている場所があるんでしょ?
リポート そうなのかな?
アイ え? だって、リポートはそこから来たんだから。ねえ、それってどこにあるの? どうやったら行けるの?
リポート 分からないよ。
アイ まあ、そうだよね。ゆっくり思い出してくれたらいいから。ねっ。
リポート ・・・うん。
アイ まあ、さ、ゆっくり思い出してくれたらいいから。私ね、嬉しいの。ずっと私ひとりで、みんなの希望を背負ってきたみたいで苦しかった。でもさ、今は、リポートもいるから。
リポート いないよ。
アイ え?
リポート リポートなんて、そんな人、いないから。
アイ 名前、思い出したの?
リポート ううん・・・。でも、私の名前はやっぱりそんな名前じゃない。私、ここにいていいのかな。・・・ごめんね。
リポート、はける。
アイ ・・・・・・待って。
アイちゃん、はけようとして、
隊長、現れる。
隊長 あっはっはっはっは。
アイ ・・・・・・あんたは・・・。
隊長 あっはっはっはっは。私か? 私は、誰でしょう~~。
アイ シンドバット?
隊長 ぶー。私は~~、アイちゃんファンクラブ会員番号00000102の、taichoだ~~。そして、君のことを捕まえに来たのだ~。隊長だからな~。
アイ どうしてここが・・・
隊長 この国に置いてある監視カメラの個数を知っているか?
アイ 確か、1500台・・・
隊長 ほほう、さすがアイちゃん。勤勉だな。が、しかし! 真実は違う。
アイ まさか・・・。
隊長 そう。実際はその10倍・・・いや100倍とも言われている。この国にいる限り、逃れられはしないのだよ。わかるね。
アイ ・・・・・・っ
隊長 叫ぶ? 助けを求める? 誰に?
アイ ・・・・・・
隊長 私にだ。
アイ え?
隊長 私にだ。
アイ ・・・・・・。
隊長 私だけが君を助けられる。分かるね。
アイ つまり、私を私自身を売れと。
隊長 ねえ、私ね、もうひとつ資金があるんですよ。ある女の子の話なんですけどね? その子はこの国の人間の服を着ていなかった。この国の厳格なる人口統制のデータベースに乗っていない人間でね・・・。
アイ それは・・・
隊長 その子は例のアインハップの化物のスパイなんじゃないか、というのが私の見解なんだが?
アイ ・・・。
隊長 そこで、相談だ。私が、君が私のものになったら、彼女の存在をこっそりデータベースに書き加えておこう。
アイ そんなことが?
隊長 私なら、可能だ。私を誰だと思っている? この国の隊長であるぞ。
アイ ・・・・・・そうしたら、彼女はどうなるの?
隊長 この国で今までどおりに幸せに暮らせるさ。
アイ そう。
隊長 どうだ? 悪い相談ではないと思うのだが?
アイ ・・・・・・。
暗転。
[0回]