気晴らしに短編。
30分くらいで書いたので、ちょっと荒いカモ。。。
狂科学者の密室
なかまくら
ふはははは、これで世界はワシのものじゃ!
と、どこかで聞き古した台詞を吐きながら跳び去っていくBMW(バッタもんウイング)を、イイダイイダ君は追いかけることにした。
手がかりは瓦礫の中、音速で跳び去るBMWの車体に取り付けられたナンバープレート。
イイダイイダ君は社会科の時間に使っていた地図帳を開くと、持ち前のダウジングマシンのテクでBMWの現在地を突き止めた!
一旦突き止めると、地図上をバッタがゆっくりとなんか南下しているのが見えてきた。
そして、南極に秘密基地を構えている博士が降り立つのが見えた。
イイダイイダ君は、持ち前の瞬間移動のテクで、博士の居城を訪れることにした。しゅぴん。
* 数日後 *
抗ウイルス学の権威と呼ばれる科学者が次々と謎の死を遂げる事件が起こった。
外傷は一切無いが、一様に頚動脈からの内出血が見られた。
ウイルステロに対する特別措置が採られ、ウイルス学の博士達は、厳重なシェルターの中に保護された。
翌日には全滅していた。その監視カメラの映像には、一人の少年が映っていた。
少年はあるフレームに突然現れると、軽く手を降り下ろした。その瞬間、近くでトランプゲームに興じていた博士たちが一斉に倒れる。倒れる音を聞きつけた別室の博士たちが、酸素マスクをつけて現れる。床からは神経毒が噴出される。少年は飛び上がると、フッと消えた。その瞬間、何かを口にしていた。
後日、口唇術の専門家に画像を解析してもらうと、「ジャマヲスルナ」と言っていたことが分かった。
それからほどなく、世界は支配される。
* 数日前 *
博士は大いににやにやしていた。内閣総理大臣の、ソーリーと謝って済む問題じゃない秘密を握ってやったのだった。
国家予算を極秘に研究費に吸い上げ、世界最強のウイルスを作ってやるのだ。そのウイルスにかかると、人のココロは変化し、人と人とは愛し合い、その愛の聖地としてひとつの街を作る。その街には当然笑顔が溢れ、ウイルスによって笑顔が絶えない。
イイダイイダ君と博士はその中で防毒マスクをして過ごす日々を送ることになるのだが、それはまた、別の話。