なかまくらです。
終わる気がしない・・・とか言って、まだ8000字くらい。時間にしてほんの20分くらいでござる。
ほんまかいな。*
http://1cm3.mamagoto.com/Entry/437/のつづき。
*
リポート ただいまー。おなか減ったー。
リポートは、早着替えで、目立たない格好になっている。
アイ おかえりー。
リポート なにやってんの?
アイ 腹筋。やる?
リポート えー。
アイ ノリノリジャン。
リポート 最近おなか出てきちゃって。
アイ えー、ぜんぜんそんなことないって。
リポート そう?
アイ ねえ、
リポート ん?
アイ こっちにはもうすっかり慣れたね。
リポート そうだね。
アイ ねえっ! 何か思い出さない?
リポート ・・・何を?
アイ 私ね、実は初めて会った時から思ってたんだ。あのさ、リポートはさ、
リポート ねえ、私、普通の女の子だよね。どこにでもいる。
アイ うん。すっかりそうだね。
リポート じゃあ、いいじゃん。もうさ、普通に私は私じゃダメなの?
アイ リポートにアイちゃんから問題。
リポート ・・・なに?
アイ 私は何故腹筋をしているでしょう。
リポート 知らないよ。
アイ でしょ? 私はね、アイドルなの。しかも、たくさんのライトを浴びて歌ってみんなに笑いかけてた。私はだから自分を磨くの。私ってそういう、それでも普通の女の子なの。知ってた?
リポート ・・・知らなかった。アイちゃんって、アイドルのアイちゃんなんだ。
アイ そう。ねえ、あなたは?
リポート え?
アイ あなたは、なんなの?
リポート ・・・・・・。
アイ 私は最初から思ってたの。あなたの服は私達のとはちょっと違った。素材も、雰囲気も。だから思ったの。あなたは、
リポート 私は・・・。
アイ あなたは、ユートピアから来たんでしょ?
リポート え?
アイ この世界にはまだ人類の生きている場所があるんでしょ?
リポート そうなのかな?
アイ え? だって、リポートはそこから来たんだから。ねえ、それってどこにあるの? どうやったら行けるの?
リポート 分からないよ。
アイ まあ、そうだよね。ゆっくり思い出してくれたらいいから。ねっ。
リポート ・・・うん。
アイ まあ、さ、ゆっくり思い出してくれたらいいから。私ね、嬉しいの。ずっと私ひとりで、みんなの希望を背負ってきたみたいで苦しかった。でもさ、今は、リポートもいるから。
リポート いないよ。
アイ え?
リポート リポートなんて、そんな人、いないから。
アイ 名前、思い出したの?
リポート ううん・・・。でも、私の名前はやっぱりそんな名前じゃない。私、ここにいていいのかな。・・・ごめんね。
リポート、はける。
アイ ・・・・・・待って。
アイちゃん、はけようとして、
隊長、現れる。
隊長 あっはっはっはっは。
アイ ・・・・・・あんたは・・・。
隊長 あっはっはっはっは。私か? 私は、誰でしょう~~。
アイ シンドバット?
隊長 ぶー。私は~~、アイちゃんファンクラブ会員番号00000102の、taichoだ~~。そして、君のことを捕まえに来たのだ~。隊長だからな~。
アイ どうしてここが・・・
隊長 この国に置いてある監視カメラの個数を知っているか?
アイ 確か、1500台・・・
隊長 ほほう、さすがアイちゃん。勤勉だな。が、しかし! 真実は違う。
アイ まさか・・・。
隊長 そう。実際はその10倍・・・いや100倍とも言われている。この国にいる限り、逃れられはしないのだよ。わかるね。
アイ ・・・・・・っ
隊長 叫ぶ? 助けを求める? 誰に?
アイ ・・・・・・
隊長 私にだ。
アイ え?
隊長 私にだ。
アイ ・・・・・・。
隊長 私だけが君を助けられる。分かるね。
アイ つまり、私を私自身を売れと。
隊長 ねえ、私ね、もうひとつ資金があるんですよ。ある女の子の話なんですけどね? その子はこの国の人間の服を着ていなかった。この国の厳格なる人口統制のデータベースに乗っていない人間でね・・・。
アイ それは・・・
隊長 その子は例のアインハップの化物のスパイなんじゃないか、というのが私の見解なんだが?
アイ ・・・。
隊長 そこで、相談だ。私が、君が私のものになったら、彼女の存在をこっそりデータベースに書き加えておこう。
アイ そんなことが?
隊長 私なら、可能だ。私を誰だと思っている? この国の隊長であるぞ。
アイ ・・・・・・そうしたら、彼女はどうなるの?
隊長 この国で今までどおりに幸せに暮らせるさ。
アイ そう。
隊長 どうだ? 悪い相談ではないと思うのだが?
アイ ・・・・・・。
暗転。