1cm3惑星

なかまくらのものがたり開拓日誌(since 2011)

【戯曲】じゃんけん軍隊

まあ、いわゆるショートショートです。

・・・というか、トップページの奪い合いが激しいな^^笑


じゃんけん軍隊
作・なかまくら

AB「じゃんけんぽん!」
A「グーリーコ」
AB「じゃんけんぽん!」
A「パイナツプル」
B「・・・」
A「どうした?」
B「刺激が足りないな」
A「たしかに」
B「我々軍人がたしなむものではないような内容だ」
A「もっともだ。次の遊びに変えるか?」
B「よし、軍隊式にしよう」
A「軍隊式?」
B「いくぞ」
AB「じゃんけん・・・ぽん!」

A、勝つ(チョキ)

A「え、で、俺は?」

B「チョキはな、チョップだ」
A「なるほどな」

A、チョップ。

B「ぐはぁっ!?」

B、吐血。Aの殺人チョップに驚愕する。

A「面白いな。よし、じゃんけん・・・」
B「ぽん!」
A「パーかぁ・・・。よし。パイルドライバー!」
B「のはぁっ!?」
A「いいねぇ 、ちょうし出てきたよ!」
B「ちょ、まっ・・・」


☆1 合体技

A「じゃんけんぽん!」

B、後出し気味に手をチョキからパーに変える。

A「え、おまえ、それはずるいんじゃ・・・」
B「チョークスリーパァァァアアアッ!!」
A「・・・それで、終わりか?」


DEAD END


☆2 すでに武器

A「じゃんけんぽん! あー、負けちった・・・。グーかぁ。何が・・・。おい、ちょ、まっ」

B、一旦裏にはけて、

B「グレネードランチャァァアアアア!!」
A「ぐはぁあああっ!(といいながら、ちゃっかり避ける)」


☆3 true end


A「またな!」
B「・・・」






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【小説】魔道士

なかまくらです。

一応、公開。

アニーモウトの気晴らし作品群なので、あれですが。



魔導士
 
なかまくら
 
 
 
 
―――あああああああああっ
 
乾いた空気に、唸り声に似た悲鳴が飛び散る。
感情は地平を走り抜けた後、飛沫となって空に還った。
 
「ふひっ・・・ふひひひっ」
口元が引くつくのが可笑しくなって、感情が逆向きにぐるぐると回転しだした少年―サミーが、中途半端にあがっていた手でソレを指差す。動きやすく軽量化された甲冑から、血に塗れた少女の横顔が覗いていた。ただ、それを笑っていた。
 
膝をついた少年の操っていた土人形・ゴーレムが、サミーの操る飛蜥蜴(ひとかげ)・ペドロフライに一瞬にして崩された。
 
「大丈夫だよ、ヨディス。直ぐに死にはしないさ。」サミーは、可笑しさでオカシクなりそうなのを必死にこらえて、それから、
 
そうだ!
 
と。笑っていう。
「ペドロフライの毒はねぇ・・・一時的に刺した生き物を仮死状態にするのさ。」
それからねぇ・・・
サミーは、ふひっ、と、何かを想像し恍惚の表情で、言った。
「一番毒が身体に回った瞬間に意識が戻って、一番の激痛を与えて死に至らしめるんだって!! 怖いよね~!!! 早く見てみたいなぁ~、彼女が苦しみの中に死んでいく様・・・」
 
 
少女の傍らで座り込む少年――ヨディスの中の真っ白な空白に何かが虚ろう。
それはぐらぐらと境界を揺らし、いくつも断層が生まれる。
下からは何色にもなれない矛盾が光の束となって漏れ出している。
 
・ ・ ・ ・ ・ ・ !?!?!?!?
 

 
―――あああああああああっ
 
その声は砂丘の上を往く一人の女に届いた。女は黒いローブを羽織り、
忌み嫌われる、魔導士の様相であった。
女はその歩みを止め、見下ろす。
 
子ども達がなにやら互いに魔物を召喚し、争っているようであった。近くには街があり、魔法学校の白いシンボルが見えた。
 
なんだ・・・ガキの喧嘩か
 
女は再び歩き始めようと、肩の袋を掛けなおした――その時、大地が割れる。
 
 
「おいっ、なんだよ、それ! そんなの聞いてないぞ!」
焦った金髪の少年の声。
白目を向きガクガクと痙攣する少年に、後ろから巨大な影が覆い被る、聳える顔。顔。
 
持ち上げられた砂がさらさらと落ち続けている。
頭部に続いて左腕がゆっくりと姿を現し、穴の淵を掴んだ。
あまりの巨大さに、金髪の少年は無様に後ずさる。恐怖に腰が抜けて獣のように這い回る。
 
 
女魔導士は、身体がざわつくのを感じていた。あの時と同じだ・・・!
 
恋人が殺されたあの時。
闇を追い詰めた先にいた魔導士・ヴィスコッチイ。召喚した魔物の名は、オベリスク。
対する騎士と魔法使い。成り行き上、ふたりは世界をかけて戦った。
魔導士・ヴィスコッチイは姿を消し、
魔法使いは大切な人を失った。
 
そのオベリスクが今まさにこの砂漠に顕現しようとしていた。
 
 
―――あの少年には才能がある。魔導士・ヴィスコッチイを完全に葬るだけの才能が!  恋人を蘇らせる、人知を超えた魔導の才能が!
 
 
女魔導士は走った。笑った。
砂埃を立ち上げて砂漠を駆け下りる。笑いながら。 やっと会えたね。
 
 
「おいっ、いい加減やめろよ!」
                                          サミーが泣き叫び、
 
                ペドロフライは一直線にヨディスの首元に飛びかかる。
 
 
                 “ハイファイア”
 
 
        ひどく汚く揺らぐ黒い炎がペドロフライを一瞬にして消し炭にする。
 
    サミーの驚愕に歪む顔の先で、
 
 
         女魔導士は不敵に笑っていた。
 
    肩で息をしながら、
 
     その、杖をゆるぎなく構えて。
 
  それから、こういった。
 
 
「なぜ止めるの? ・・・いいとこじゃない。」
 
 
 
 
***
 
 
気がつくと、そこは見知らぬテントの下だった。
身体中が軋みを立てていた。
 
起き上がるのをゆっくり諦めてヨディスは、三角形のテントの天井をただ眺めていた。何か大切なことを忘れている気がして、ただ眺めていた。
しばらくすると外からコトコトと、水が沸く音がして、金属が鍋をこつんと叩く音がする。
 
それからゆっくりと、穏やかなシチューの香りが入り口の方から流れてきた。
 
 
「目を覚ましたの。」
女を見た瞬間、ヨディスは固まった。
 
聞いたことがある。魔導士はヒトの生き血を収集し、儀式の方陣を描く材料にしている、と。若い、活力に溢れた血が特に好まれると。
 
「ぼ、ぼく・・・喰っても腹壊すぞ!」ヨディスは、ツバを飛ばしながら猛烈な勢いで後ずさって叫んだ。
「いやね、まるで、人が怪物か何かみたいに・・・」女魔導士はそういって、
「ヒカリよ。よろしく」名を名乗って、シチューを器に装ってくれた。
 
でも、魔導士の瞳に一瞬、暗いものが映るのを見てしまったヨディスは、
 
太らされてから、戴かれるんだ・・・っ!
 
と、ココロが沈むばかりであった。
 
 
「あの・・・どうしてぼくは・・・」ここに?
 
ヨディスはおそるおそる尋ねる。少しずつ思い出す。
サミーと戦っていた。隣には幼馴染がいて、サミーが攻撃してきて、それで、彼女が・・・
「うっ・・・」嘔吐感が襲ってきて、何かがあふれ出ようとする。そう、彼女が・・・彼女は、
 
心の中の白紙になっている部分を、何かが食い破って出てこようとする。
ソレに対してヨディスは無条件に微笑みかける。壊してしまえばいい、そんな感情。
頷いて、ヨディスは・・・、
 
「はいはい、テントの中はやめてね。」ヒカリが、持っていたスプーンを振ると、ヨディスの心臓は氷の手で鷲掴みにされたように縮こまり、おとなしくなった。
何かは急にひっこんでしまう。怯えたように。
 
 
「あんたの彼女さんは、ここよ」ヒカリはそう言って、ポーチからクリスタルを取り出す。
クリスタルの中には、あの甲冑の少女が確かに浮かんでいた。
 
――毒の進行を食い止めるためには、クリスタルにしておくしかなかったの。解毒の方法がみつかるまでは、このままにしておくといいわ。
 
誰かを守るって言うのは大変なのよ。
そのためには、強くならなくっちゃね。
 
そういってヒカリは、少し笑ってみせた。
 
 
 
ある、よく晴れた夜の思い出。
 
***
 
 
ある旅の途中。
 
金髪の少年は出会う。
 
ローブを纏った少年を中心に不思議な光が漂い、胸元のクリスタルに集まる。その光がぽとり、一滴落ちると、地に広がり、複雑な文様を紡ぎだしていく。その光が一層輝きを増し、頭部がやがて地面からむくむくと生えてくる。
 
土人形・ゴーレム。
 
砂と礫で作られた寄せ集めの土人形は穏やかな顔をして、金髪の少年の召喚した飛蜥蜴(ひとかげ)・ペドロフライと対峙する。
 
ペドロフライの羽ばたきに応じて毒の尾が怪しく揺れる。
 
金髪の少年は、舌なめずりをする。瞳だけが落ち着きなくふらふらと左右に揺れていた。
 
ローブを纏った少年は笑う。「あんたじゃあ、もうオレには勝てないさ」と。引き摺り込んだのはあんただ。だがな、オレはあの人を止めなければならない。少年は寂しそうに言った。・・・・・・雑魚に構ってる場合じゃないんだ。
 
 
ふざけるな。金髪の少年は叫び、
 
 
ペドロフライをけしかける。
 
ふわりとゴーレムの頭上まで舞い上がり、振り返る動作の隙を突いて、急降下をかける。風切り音とともに毒の尾が唸りを上げる。その先端が、少年を捉えるかに思われたその時、
 
風を薙いだ、ゴーレムの腕が音もなく代わりにそこに静止していた。
 
遅れて、遠くの崖にペドロフライのぶつかる音。
崩れる音が地に響いた。
 
 
***
 
 
ローブの少年は、ひとりそこから去ったという。
 
胸元のクリスタルを揺らしながら。
 
 
 
 
 
 
 
ーーコメントーーー
 
ファンタジーこんなに難しかったっけ(汗
という感じでした ^へ^;
とりあえず、ファンタをじーっと見るのは効果あまり期待できないようです。参考までに^^;





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【戯曲】アニーモウト

なかまくらです。

ぐはー。雪で寒いですね~。

そんな中ですが、書初めというわけで、1.5万字ほど書きました。

「アニーモウト」という作品です。実は夏ぐらいに一度書き上げたのですが、気に入らず、削除。

一から書き直していたのです。もはや、2011年の半分くらいは、これを書いてたといっても過言じゃないです。

ああ、なかなかこれは大変でした^^苦笑

何度も何度も書き直した挙句、これが書きあがりましたが、

自分で言うのも変な話ですが、すごい不思議なお話になったと思います。

でも、面白い、かな。私は素敵な作品にかけたと思う。

・・・というわけで、どうぞ(名前からリンクで飛べます)



2012.1.4 アニーモウト (45分; 男2 女2)
数年来帰って来なかった次兄が帰ってきた。兄妹は久しぶりに3人の食卓を囲む。
でも、家族には宇宙人・アニーモウトの魔の手が迫っていた・・・。
誰がスパイで、誰が幸せなのか。兄妹を巡るSFサスペンス風ドラマです。




さて、明日から、いろいろ片づけて、勉強頑張ります。

というか、こんなにかかるとは(笑)





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【小説】離れに勇者が住んでいる

離れに勇者がすんでいる
 
 
 
かって世界は魔王に牛耳られていた。
 
人間の魔度では、魔石を使って火を起こす程度が限界であり、魔王や彼の使い魔たちの強大な力の前では、風に揺れる葦のように心許なかった。しかし、人間は考える葦であった。
人々は魔王に貢物をすることで、一部の地域での生存を許可されていた。
 
ところがある時を境に、魔王の使い魔をぱったりと見なくなった。
魔王によって凶暴な魔物に変えられていた動物たちも、その効力が薄れ、次第に古文書にあるような、本来の姿に戻っていった。
 
さまざまな憶測が飛び交った。
 
魔王は、権力争いで同士討ちになったのではないか。
魔王は、病気で死んだのではないか。
魔王は、勇者によって倒されたのではないか。
 
答えを出すためには、彼らは、魔王の宮殿に向かわなければならなかった。水晶に閉じ込められた魔力によって、仕掛けが次々と作動し、侵入者を拒み続け、魔王は沈黙を続けていた。第3次調査部隊の調査隊が、初めて宮殿の奥へのルートを確保することに成功ずる。
 
玉座には既に白骨化した亡骸が座っており、魔石がちりばめられた絢爛な冠を戴いていた。
調査隊は白骨化したその姿になお、恐怖を覚えたが、その奥にソレを見つけるという偉業を果たした。
 

 
それから20年の歳月が流れた。
 
 
ある晴れた日のこと。
高層ビルが立ち並ぶスクランブル交差点の信号機が一斉に青になり、人々はそれぞれに歩き出した。電器屋の巨大な液晶スクリーンに目を向ける人は少ない。ニュースが流れる。『DNA、不一致? WHICH(どちらの)?』という見出し。
僕は、立ち止まってそれをじっと見ていた。
 

 
僕の家の離れには勇者が住んでいる。
 
僕の父は言った。
「俺もかつて勇者を志した人間だ。あんたがなんであれ、そんな姿は忍びない・・・。離れが空いている。しばらく住むといい」
 
勇者といっても見た目はただのおっさんで、お母さんは本物かどうかも疑っていた。僕は勇者の開いた剣術道場で剣を学んでいる。
勇者は言う。
「いいか、お前たち。本当に大切なのは、生き続けること。変わり続けることさ。自分の勇気はもしかしたら間違っているかもしれないんだ。間違った勇気は人を傷つけるだけかもしれないんだぞ」
勇者は実にはいからで、街を歩き回っては、流行の映画を観たり、科学の本を読んだりしていた。
勇者が現れたのは、そのほんの数週間前のことだった。
 
電器屋のスクリーンに映し出された男を誰ひとり知らなかった。そうして巧みに視線を集めた男が発した言葉は、全世界を駆け巡った。
 
「私は、魔王を倒した勇者だ」
 
あれから20年の歳月が経っていた。魔王が倒され、この世界は科学というものがあることを知った。魔王によって封印されていた力であること。かつて人々は空を自由に飛びまわり、時間も空間も飛び越える世界があったこと。人々はそれらをひとつずつ知っていった。実現していった。
 
勇者は年を取ったと笑った。体が思うように動かなくなり、日雇いでは生きていけなくなった。あっという間にできた社会保険の制度も働いている人を救うだけの制度であり、勇者のような自由業の遊び人を救う制度ではなかった。だから勇者は20年の歳月を経て名乗ることになる。その名を。
勇者は言う。
「いいか、お前たち。人はとりあえず、食べ物があって、住むところがあって、笑いあえる誰かがいなくちゃいけない」
勇者は離れに住んで、僕ら家族と一緒にご飯を食べていた。
 
僕の父さんと僕と勇者はよくご飯を食べに行った。父さんは酒を飲むと口癖のように言う。
「俺も若いころはよぉ、勇者になろうって鍛えてたんだぜ。今の世の中じゃ役に立たないがな」
剣も魔法も人を守る武器だけれども、科学のように一度にたくさんのものを速く移動させたり、ものを温めたり、冷やしたり。魔法では大変なことが科学では簡単にできてしまって、魔法は20年の間にすっかり脇役になってしまった。今じゃ、映画の効果として使われるくらいだ。人間に魔法は合わないのだ。
 
 
何度か疫病が流行って、魔法使いと呼ばれる魔力の高い人間が現れてきたころ、ニュースは流れる。
 
新聞記者やら、テレビ局やら放送車がバンバンとドアを閉じて、僕の家に詰めかける。父さんが追い返そうと門のところで頑張っている。ひっきりなしに声がする。でも、要約すれば、こういうことだ。「DNA鑑定の結果、現場に残された剣とあなたの血液は一致しませんでした! この結果からあなたは勇者ではない可能性が高まっておりますが、その件について、どう思われますか?」
 
僕が裏門へ回ると、ちょうど勇者は外に出るところだった。
僕は、言った。
「どこへ行くの?」
勇者は門に手をかけ、言った。
「さあて」
僕は、言った。
「偽物だったの?」
勇者は大きな荷物を肩にかけ、言った。
「・・・どう思う?」
僕は、言った。
「でも、あなたは勇者なんでしょう?」
勇者はゆっくりとした足取りで外に出ると、自転車のペダルに足をかけ、言った。
「さあね、昔のこと過ぎて忘れちまったよ」
僕が勇者をみたのは、それが最後だ。
 
 
それは、クローン技術で甦ってしまった魔王を倒すために僕が立ち上がる10年前のことだった。





***あとがき

ファンタジーが書きたくなったので。





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【小説】夜を超えて

ボーッ・・・

・・・

・・・っと、

眠りの園への船が汽笛を鳴らしている。波打ち際。
心地よいさざ波が飽きもせず、寄せてはまた返す。
「なあ、クロノ」
ぼくは、隣でのんびりとあくびをしている猫に声をかける。
振り向かずに。たわいもない話でもするように。
「ぼくは時を超えてみせるよ」
クロノがその綺麗な茶色の瞳で覗き込んでくる。すいこまれそうな宇宙だ。
ぼくは続ける。
ぼくの顔はまるであの頃のように生き生きとしているはずだ。
つやつやとして、太陽光を跳ね返して頬を上気させているはずだ。
「ぼくはね、夜を超えて歩き続けるよ。明日のことなんていい。あの頃のように」


―― 夜を超えて





***
最近夜更かしがまったくできない(笑





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