1cm3惑星

なかまくらのものがたり開拓日誌(since 2011)

『さかさまの羅針盤(コンパス)』観ました。

なかまくらです。

『さかさまの羅針盤(コンパス)』観ました。

STAGE21という団体がやっていました。

菊川の文化会館アエルにて。



あらすじ

解決屋のふたりは、ストーカー被害の相談を受ける。

同時期に、顔見知りが、ある国の姫であることを知る。

その国では、バナナが主な外貨を稼ぐ手段になっていた。

そのバナナを日本に輸出するべく、

国の大統領と、大航海商事が結託して推し進めていた。

そして、その先には、王国の乗っ取り計画があった。

その大航海商事の社長こそが、ストーカーの容疑者なのだった。

そして、2人が共通して知っている異国の童謡。

解決屋のふたりは、二つの事件のつながりを感じる。


異国の地で、国王、王女、姫。大統領、社長、解決屋。

それぞれの悩みの先で、解決屋が行きついた先は、

みんながみんな不幸せになってしまった未来。

解決屋は童謡に隠されたメッセージを感じる。

波が行く手を阻んでしまうとき、さかさまのことを考えてみる。

富や名声なんかを追いかけて、うまくいかないのだったら、

意味はないかもしれないけれど、笑ってみよう。踊ってみよう。

それで幸せになることもあるんだ。


そんなお話でした。

中学生くらいの子、高校生くらいの子から、20代~30代くらい。

それから、中年くらいの人、壮年期、老齢期の方々。

いろんな世代の人がいて、安定した劇団だなぁ、と思いました。

第8回公演だそうです。

歌とダンスが実によかったです。よく練習されていて、

楽しくなっちゃう歌や踊りでした。

特に、姫の人は歌と踊りがめっちゃうまかったです。

それから、主役の解決屋の男のほうが、ちょっと不器用そうな演技でとても好きでした。

舞台装置もよく動いて演出の良さを感じました。

大航海商事のエンブレムにピンスポを当てるシーンは、力入っていましたww。

音楽は、解決屋のテーマが良かったですね。


なかなか面白い公演でした。





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観劇総括2014

なかまくらです。

観劇の総括。

今年観たお芝居は、



作品名上演団体
「光の帝国」たんぼうのすたるじー
「市ヶ尾の坂」ラムベント
「シーラカンスにあいに」いるか座
「モモ」SPACシアタースクール2014
「鍵泥棒のメソッド」演劇集団キャラメルボックス
「ロッカールームに眠る僕の知らない戦争」広大演劇団劇団はたふた
「赤鬼」劇団MUSES

7本でした。

残念だったのは、浜松劇突で、高校生の選抜公演を見逃したのと、

あとは、イキウメのお芝居を観に行けなかったことでしょうか。

もうちょっとプロのお芝居が観たいなあ。

そんな2014年で御座いました。





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『光の帝国』観てきました。

なかまくらです。

たんぼうのすたるじー「光の帝国」を観てきました。

初演は演劇集団キャラメルボックス。原作は恩田陸ですね。


キャラメルボックスの作品は面白い作品が多く、
上演団体が一生懸命やるとすごく面白い印象があるので、面白そうだな、という期待を持って、観に行ってみました。そもそも藤枝市で演劇活動をしていると言うだけでも、すごく貴重な存在ですよね。いち演劇ファンとしては、大事にしたいですね。


あらすじ

「常野(とこの)」と呼ばれる一族は、それぞれ特殊な力を持っている。

たとえば、未来のことが分かる力。遠くで起こっていることが見える力。

たとえば、記憶を操る力。一度観たものを決して忘れない。触れた人間の記憶すべてをしまうことが出来る。記憶を触れることで他者に見せることが出来る。

常野と呼ばれる一族はそんな力をもっていた。その力は、古い昔から力を持つ人間に狙われてきた。だから、目立たず常に野に混じって生きてきた。だから常野。

これは、常野の末裔であるある家族の物語。

記憶を操る一族のある家族の10才の子供、春田は転校を繰り返す両親に不満を持っていた。また、自分の記憶力を自慢できないことにも。春田は、ひょんな事から知り合いになった元医者の男と知り合いとなり、「平家物語」が全部暗唱できることを褒められ、元医者のもとに毎日通うようになる。母は、能力が他人にバレることを怖れ、もう二度と医者とは会わないようにと春田に約束させる。
元医者には、時間がなかった。ガンを患っていて、長くはなかった。その前に、かつて認めてやれなかった長男と和解したかった。医院を継ぐことを投げだし、映画監督になってしまった息子。最近では、国際映画賞でも賞をもらっているという息子。
それから、15年が経ち、長男の元へ、青年となった春田とその姉は現れる。長男は常野のことを知り、映画にしようとしていた。

そんなお話でした。


なかなか迫力があってよかったです。道場を間借りした狭い舞台でしたが(奥行きもパンチ二枚分180くらいかな?)しかなかったですが、決して狭く感じさせなかったし、箱だけで実にうまく舞台にしていたと思います。

役者さんもよく練習できていて、安心してみられました。主役の春田君は、声がかっこいい。発声の感じもなんとなくプロっぽい感じというか、キャラメルにいそうな感じでした。かっこいい。お姉ちゃんは、sとhがちょっと舌っ足らずな感じでしたが、後半に進んでいくとその他の演技の部分が立ってきていてよかったです。

みんなが集まって宝物のトランクを開けたシーンは本当に良かったです。こういう盛り上げかたって、ベタですが、このベタが実にうまくて人を感動させてくれるのがキャラメルボックスの作品の本当にいいところですよね。一生懸命やったら、それが舞台に現れるようなきがしてくる。長男が悔しさに泣くところもすごく良かったです。泣けたね。感動するっていいなぁって改めて思いましたよ。


まあそんな感じで、かなり面白かったです。こんな劇団があったとは!という感じ。チケット1500円でも良かったんじゃないですかね。またあったら観に行きたいなぁ。

おわり。





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『市ヶ尾の坂』観てきました。

なかまくらです。

「市ヶ尾の坂」を観てきました。



上演団体は、ラムベント。於:山小屋シアター。

作品自体は、1991年の初演の作品だそうです。私、3才の時。

ポスターがかなりいい出来ですよね。キャッチコピーみたいに描かれている言葉と絵が実にあっていますね。

「静岡」から来ましたよって言ったら、作品中で、
リクエストに応えて、「うる星やつら」のオープニング曲を歌ってくれました^^ありがとうございました。


あらすじ

市ヶ尾の坂の途中には3兄弟が住んでいる。3人とも社会人で、長男と三男は郵便局員。次男は会社員。三人ともそれなりにおっさんにさしかかる30才前後。3人の暮らす家に、小さな子を持つ画家の若い奥さんが尋ねてくるようになる。奥さんと3兄弟はそれぞれがいろんな話をする。それから、家政婦や画家本人とも。奥さんはどうやら、自分の子供ではない男の子とうまくいっていないようであった。3兄弟は奥さんに幸せになってほしくてそれぞれ気を利かせる。

というようなお話。


元々は同日に青少年センターのアングラ劇場で上演されていた劇団いるか座の「シーラカンスにあいに」を観ようと思って、広島に出掛けたわけですが、山田さんのTwitter情報から、こっちも面白そうだ、と思いまして、ハシゴしたわけです。

「シーラカンスにあいに」は、キャラクター小説で、アニメ的なおもしろさが際だっていましたが、こちらは実に対称的で、人間味で勝負! という感じの作品でした。つまり、そんなに大きな出来事は起こらない。ちょっとしたことが積み重なっていくけれども、最後にすごいハッピーエンドも用意されていないし、すごいバッドエンドもない。時間が流れていろんな事が少しずつ変わっていくだけ。そういう、2時間という間に、時の流れを見せてもらったような、そんな不思議な気分になりました。

想像するに、演じるのはすごい難しい作品だと思いました。パンフレットにも書いてあったのですが、演ることはできてしまうけれど、勢いでやってもきっと面白くない。登場する人物はみんな魅力的だけれども、その魅力を発揮するには、台詞のない演技がすごく重要になるんだと思いました。特に印象的だったのは、奥さんが少し長い独白をしているときにカウンター席に並んで座る3兄弟の様子でした。長男は奥さんのことが好き。次男は同級生に幸せになってほしいような感覚。三男は影からそっと支えてやりたいという優しさ。そんなそれぞれの奥さんに対する人間関係の築きかたの違いが見えてきて、そうすると、それまでのシーンの一つ一つ、それから、これから起こるシーンの一つ一つがすごく鮮やかに見えてきて、震えました。これは面白い、と。奥さんの嘘がバレるシーンも良かったのですが、独白の時の3兄弟が一番良かったですねぇ。家政婦さんは、イマドキなかなかいない感じでした。少し押せば簡単に薬物なんかに倒れてしまいそうな、ちょっと危うい感じのヒロインという感じで、少し時代を感じました。でも、こういうの出来る人がいないのか、それとも、こういう役を書ける(あるいは書く)人がいないのか、新鮮な感じでした。


そんなわけで、面白かったです。

おわり。





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『シーラカンスにあいに』観ました。

なかまくらです。

「シーラカンスにあいに」を観てきました。

劇団いるか座。作・演出:井手口理子。







サークルの後輩が社会人だというのに、
芝居を打とうと言うんだから、しかも、学生時代に、書きたいなと言っていたあの幻の作品を書き上げたというのだから、是非見に行きたいなと思いまして、見に行った次第です。

あらすじ

少し未来。ある海洋研究所の一室で、博士は30年前に絶滅したというシーラカンスを探し続けていた。周囲の嘲笑を余所に、或いは耐えて、研究を続ける博士。博士の研究室にはゆっくりとした時間が流れていた。研究室付きの事務員ミヅキは、そんな博士に恋をしていた。
3D投影機の修理に呼ばれたヒヨリは、研究室で、かつてちょっと可愛いなと思っていたミヅキと再会する。それをきっかけにドクター(医者)、新進気鋭の女研究者オルガが研究室に集まるようになる。ドクターは何かをたくらみ、ミヅキ、ヒヨリ、オルガはヒヨリを中心にして渦の中心に巻き込まれるようにしてどこかへ向かって動き始める。
シーラカンスを追う博士。博士を追うミヅキ。ミヅキを追うヒヨリ。ミヅキに苛立ちを感じながら、追いつめられていくオルガ。それらを観ているドクター。彼らが行き着く先に待っているものとは一体なんだろうか。シーラカンスにあいに。博士が向かった先とは・・・?

そんなお話でした。



シーラカンスという長い年月を変わらずに生きてきた種に対する憧れを持つ博士と、それを追いかけるミヅキの構図が分かりやすくて良かったです。それぞれの役割がはっきりしていて、キャラクター小説に近い感じだなぁと思いました。それが悪いわけではなく、ある種の・・・良くも悪くもお約束の上で物語が展開する安心感がありました。
なんとなく歪んだ感じの場所に、なんとなく問題がある人間が惹き付けられるように集まってくる。それが自然に展開されていて、最後まで見れたので、物語はなかなか良かったなぁと思いました。でもちょっと場転多かったかもね。


ミヅキのゆっくりとしたしゃべり方は、ミヅキの性格や、研究室という場所の様子をうまく表していて良かったです。いつもと違う早さでしゃべるキャラって大変そうですが、すごく楽しそうです。あっでも、「あっ、でも・・・」と言う感じの反応をするときの動きが素早くて押目さんでした。それから、博士は実地調査にしょっちゅう出かけていて、びしょ濡れなんですが、タオルを受け取るときに気づきました。あっ、この人、びしょ濡れなんだって。それからというもの、ずっと博士はびしょ濡れでした。びしょ濡れに見せる演技だったんだろうなぁと思いました。びしょ濡れに見せる演技ってすごい! オルカさんは、ちょっとヒステリックで、観てると疲れちゃうキャラでした。やるのもすごく大変そう。「GONGERA」の五郎くんとか、「偏路」の若月さんとか、そういうキャラの系譜ですよね。なんかもうちょっとなんとかしてあげたくなるキャラでした。余裕のなさはすごい伝わってきましたが、なんというか、余裕がないように見えちゃう余裕のなさというか、、難しいですよね。なんかずっと叫んでるんだもん。電気工事のヒヨリ君は、二言目にはすいませんの、すいませんキャラ。もうね、絶対尻に敷かれるタイプだよね・・・笑。横目でちらっと隣の様子を見る感じが似合うキャラですね。初々しい感じがして、なんか大学デビューしたてって感じのキャラで微笑ましかったです。でもなんと言うんだろう・・・もっと真剣な柳ヶ瀬君が観たい。研究室でのミヅキとの一幕はよかったです。ドクターは、実はそんなに悪い人じゃなかったキャラでしたが、もう、顔が完全に悪い人でした。悪い人狙いすぎですね。溝部さんの悪い顔しているときと似ていました。もう極悪です。完全に山賊です。たぶん、山賊ブラザーズやったら似合います。溝部が兄で、白井君が弟。で、白井君がちょっとイケメンキャラで「兄ジャー」って言ったら、完璧ですね。・・・とまあ、そのくらい、白井君は悪いことしそうな感じで前半折り返しました。もうちょっと悪い感じじゃない意味深な感じの方が良かったのかも(笑)。後半、ドクターは、オルカさんに蹴られて、キレちゃいましたが、もっと余裕があるキャラだと思っていました。まあ、おかげで二人はお近づきになれたんでしょうけれども・・・。うまく立ち回る大事な人物でした。




社会人になって、時間がないなぁ~~とついつい思ってしまうわけですが、がんばっている人間はまぶしく見えますね。今回出演していた方々は、私が演劇を止めた時の年齢よりも上の年齢になっています。それでも、やりたいことのためには、エネルギーがわいてくるのですよね。勇気と元気をもらったように思います。お疲れさまでした。次回公演も期待していますよ(笑)。





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