なかまくらです。
「仮面ライダー響鬼」観ました。
Youtubeで、毎週2話ずつ配信されていまして、それを追いかけていました。
響鬼なのですが、これが、いろいろとあった作品で、
なんと、30話のところで、プロデューサーも脚本家もスタッフが総入れ替えになった
異色の作品だったのでした。
仮面ライダー響鬼は、鬼と呼ばれる存在へ至るまで肉体を鍛え上げた人間が、
魔化魍と呼ばれる超常的な自然現象の化身(妖怪のようなもの)を退治するお話です。
響鬼は、頼れるベテランの鬼、といったポジションで、
物語は、響鬼が明日夢という少年と出会うところから始まります。
明日夢と響鬼はそれぞれの生活をしているのですが、明日夢はその生活の中で、
響鬼から、少しずつ影響を受けて成長していく・・・という感じの構成でした。
魔化魍を退治する方法は、楽器を使って、清めの音を流し込む・・・というもの。
キックとかじゃないんですよね。得意の楽器があって、
響鬼は太鼓だし、2号ライダーの威吹鬼はトランペット、
3号ライダーの轟鬼はエレキギターでした。とにかく異色。
そして、これといった悪役が出てくるわけでもなく、
妖怪退治を繰り返していく展開だったのですが、
これが、突然、29話で終わります。
29話では、明日夢と響鬼は、山へ登ります。
そこで響鬼は明日夢に伝えます。
「正しく生きていても、傷つけられたり、踏みにじられたりする。
もし今、すごくつらいと思うなら、これからは辛くならないようにすればいい。
まあ、生きていれば、何度も転んで、そのたびに傷を作ったり痣を作ったりする。
でも、その時、心だけは強く鍛えておかないと・・・自分に負けちゃうじゃない。
自分の信じたことを信じて、生きていってほしいって、思うんだ」
その言葉は、29話で去らなければならなくなったスタッフ一同からの、
仮面ライダー響鬼をここまで見てくれた子供たちへの思いなんだろうな、と
ひしひしと伝わってきたのでした。
後に「仮面ライダー ウィザード」のメインライターも務めた きだつよし さんですから、
きっと、その後にあったストーリーも、面白かったのでしょうね・・・。
さて。そこから、引き継いだのは、井上俊樹さん。
これまた、特撮の大御所ライターなのですが、これまで、自然との調和・・・
という感じだったのに、急に、街中に魔化魍が現れて、
人間を攻撃。そこに仮面ライダーが駆けつけて、「早く逃げろ!」
という感じのテイストに。・・・これは、何かが起こったぞ!?
と、当時(2005年)の少年たちは思ったはずです笑
そこから、桐谷恭介という、完全に性格が破綻している少年が現れたりして、
明日夢の人間関係をかき乱してきます。
そういう半ば強引な手法によって、人間関係が動き出します。
威吹鬼と弟子のあきらとの関係、
轟鬼と、師匠の斬鬼との関係など、
魔化魍と鬼との戦いの中で、彼らの関係性が変わっていきます。
後半は、鬼たちに焦点が強く当たるようになったのです。
明日夢も、鬼にはならない、と言っていたけれども、京介の登場によって、
響鬼の弟子として修業をすることに。
けれども、明日夢は結局、鬼にはなりませんでした。医者の道を志すことにしたのです。
「響鬼さんの真似をしているだけじゃダメだって思ったんです」
それが、明日夢の出した答えでした。それは、前半から追いかけていた私にとっても、
どこか納得のいく結末で、井上さんが考えた、響鬼の響鬼らしい終わり方だったように
思えました。
後半は後半で楽しめた部分もたくさんありますし、
響鬼の強化フォーム(装甲)もかっこいいですし、
それぞれの良さがあったかな、という作品でした。
何より、変身するから強いのではなく、強く鍛えたから変身できる、というのが、
魅力的で、そんな風に鍛えてみたいものだな、と思わせてくれる、
響鬼さんの生きざまが素敵な作品でした。
おわり。