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なかまくらのものがたり開拓日誌(since 2011)

『シーラカンスにあいに』観ました。

なかまくらです。

「シーラカンスにあいに」を観てきました。

劇団いるか座。作・演出:井手口理子。







サークルの後輩が社会人だというのに、
芝居を打とうと言うんだから、しかも、学生時代に、書きたいなと言っていたあの幻の作品を書き上げたというのだから、是非見に行きたいなと思いまして、見に行った次第です。

あらすじ

少し未来。ある海洋研究所の一室で、博士は30年前に絶滅したというシーラカンスを探し続けていた。周囲の嘲笑を余所に、或いは耐えて、研究を続ける博士。博士の研究室にはゆっくりとした時間が流れていた。研究室付きの事務員ミヅキは、そんな博士に恋をしていた。
3D投影機の修理に呼ばれたヒヨリは、研究室で、かつてちょっと可愛いなと思っていたミヅキと再会する。それをきっかけにドクター(医者)、新進気鋭の女研究者オルガが研究室に集まるようになる。ドクターは何かをたくらみ、ミヅキ、ヒヨリ、オルガはヒヨリを中心にして渦の中心に巻き込まれるようにしてどこかへ向かって動き始める。
シーラカンスを追う博士。博士を追うミヅキ。ミヅキを追うヒヨリ。ミヅキに苛立ちを感じながら、追いつめられていくオルガ。それらを観ているドクター。彼らが行き着く先に待っているものとは一体なんだろうか。シーラカンスにあいに。博士が向かった先とは・・・?

そんなお話でした。



シーラカンスという長い年月を変わらずに生きてきた種に対する憧れを持つ博士と、それを追いかけるミヅキの構図が分かりやすくて良かったです。それぞれの役割がはっきりしていて、キャラクター小説に近い感じだなぁと思いました。それが悪いわけではなく、ある種の・・・良くも悪くもお約束の上で物語が展開する安心感がありました。
なんとなく歪んだ感じの場所に、なんとなく問題がある人間が惹き付けられるように集まってくる。それが自然に展開されていて、最後まで見れたので、物語はなかなか良かったなぁと思いました。でもちょっと場転多かったかもね。


ミヅキのゆっくりとしたしゃべり方は、ミヅキの性格や、研究室という場所の様子をうまく表していて良かったです。いつもと違う早さでしゃべるキャラって大変そうですが、すごく楽しそうです。あっでも、「あっ、でも・・・」と言う感じの反応をするときの動きが素早くて押目さんでした。それから、博士は実地調査にしょっちゅう出かけていて、びしょ濡れなんですが、タオルを受け取るときに気づきました。あっ、この人、びしょ濡れなんだって。それからというもの、ずっと博士はびしょ濡れでした。びしょ濡れに見せる演技だったんだろうなぁと思いました。びしょ濡れに見せる演技ってすごい! オルカさんは、ちょっとヒステリックで、観てると疲れちゃうキャラでした。やるのもすごく大変そう。「GONGERA」の五郎くんとか、「偏路」の若月さんとか、そういうキャラの系譜ですよね。なんかもうちょっとなんとかしてあげたくなるキャラでした。余裕のなさはすごい伝わってきましたが、なんというか、余裕がないように見えちゃう余裕のなさというか、、難しいですよね。なんかずっと叫んでるんだもん。電気工事のヒヨリ君は、二言目にはすいませんの、すいませんキャラ。もうね、絶対尻に敷かれるタイプだよね・・・笑。横目でちらっと隣の様子を見る感じが似合うキャラですね。初々しい感じがして、なんか大学デビューしたてって感じのキャラで微笑ましかったです。でもなんと言うんだろう・・・もっと真剣な柳ヶ瀬君が観たい。研究室でのミヅキとの一幕はよかったです。ドクターは、実はそんなに悪い人じゃなかったキャラでしたが、もう、顔が完全に悪い人でした。悪い人狙いすぎですね。溝部さんの悪い顔しているときと似ていました。もう極悪です。完全に山賊です。たぶん、山賊ブラザーズやったら似合います。溝部が兄で、白井君が弟。で、白井君がちょっとイケメンキャラで「兄ジャー」って言ったら、完璧ですね。・・・とまあ、そのくらい、白井君は悪いことしそうな感じで前半折り返しました。もうちょっと悪い感じじゃない意味深な感じの方が良かったのかも(笑)。後半、ドクターは、オルカさんに蹴られて、キレちゃいましたが、もっと余裕があるキャラだと思っていました。まあ、おかげで二人はお近づきになれたんでしょうけれども・・・。うまく立ち回る大事な人物でした。




社会人になって、時間がないなぁ~~とついつい思ってしまうわけですが、がんばっている人間はまぶしく見えますね。今回出演していた方々は、私が演劇を止めた時の年齢よりも上の年齢になっています。それでも、やりたいことのためには、エネルギーがわいてくるのですよね。勇気と元気をもらったように思います。お疲れさまでした。次回公演も期待していますよ(笑)。





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