1cm3惑星

なかまくらのものがたり開拓日誌(since 2011)

はままつ演劇・人形劇フェスティバル2015「浜松ゲキトツ」「高校演劇選抜公演」見てきました。

はままつ演劇・人形劇フェスティバル2015 にて、

高校生の演劇をやるということで、観て参りました。

12/19(土)、20日(日) 於:浜北文化センター

西部地区の高校の演劇部がお芝居をやってくれるということで。





そういえば、2013年にも観ていたのでした、と思い出しました。
すこしずつ、感想を。



浜松工業高校
「週末の冷蔵庫」 作・あきたこまち

既成台本。大学1年生の女学生、高2、高1の男子高校生の3人が同じ部屋で大家さんのお世話になって暮らしていた。大家さんが出かけている2週間くらいの間の出来事。それぞれが問題を抱えながらも、家族として互いの存在を大切に思おうとしていた。そんな物語。会話が自然という講評を審査員からもらっていましたが、まあ、確かにそうかも。高1の子が上手でしたね。のんびりとした会話が独特のリズムを放っていました。男の子は、ちょっと、走って逃げるのがなんか変でした。あとは、すごく気になったのは、互いの触れ方ですよね。すーが、背中を押したりとか、そういうのが、演技だったのかな、どうかな? と思いました。人と人が触れ合うのって難しい。まあまあ面白かったです。2013年に、「案山子とゼンマイ」という作品を観て、おおお、これが高校生か! と思いましたが、浜工は、ちょっとそっちとは違う感じに進んできたのかな? と思いました。おわり。


浜名高校
「王国物語 ~表裏一体~」 作・佐野若菜

創作台本。平和ボケした国の王様とその二人の娘。そんなある日、次女が魔王にさらわれてしまう! 魔王は、求婚を申し込むが、次女は、「お姉さまと一緒ならOK」と言ってしまう。信頼されていない父は、王女、兵士らと次女を助けに向かうだが・・・。そんなお話。最初の、王様のやるせない感じで始まるのはよかったですね。なんか、ファンタジーって気合入りすぎちゃって、うまくないことが多い印象ですが、入りは良かったです。ただ、ちょっと、キャラクターが余っちゃった感が強い作品でした。あとは、キャラクター化されすぎちゃっていて、ちょっと興醒めしてしまうところが残念でした。王女が、父親に、「あなたがいくべき」というところなどは、もうちょっと王女が思慮深いところを見せていればすごくいい言葉だったはずなのに、そのときにはそう思えなかった。あと、王様もね。王様が、あそこで、次女にあって、あの言葉を言えるとは思えないんですよね・・・。アホで通ってきてるせいで。その辺をもうちょっとそれぞれ深めてやればもっとよかったかもですね。作者さんは、1年生ということだったので、今後に期待ということで。あと、殺陣はリズムを決めてダンスみたいに練習したらいいんじゃないかな、と思いました。


磐田東高校
「語り継ぐこと」 作・金原綾香

ごめんなさい、観てません。今年に入って、一度見たので、観ませんでした。
そのときの感想は→(こちら


浜松湖東高校
「Angel Tear ~人形の見る夢~」 作・緋村カズキ

既成台本。戦争の後、動く人形を作る技師となったシオンのもとに、人形の管理をする役人となっていたゼロが訪ねてくる。シオンは、戦争の最後の戦いをひきずっていた。そんなお話。おおお、またファンタジーか、と思いましたが、台本がよくできていました。ぐいぐい引き込まれました。場面のセットが結構大転換する印象でしたが、素早い場転ができていました。キャラクターのそれぞれが、しっかりと演じていて、架空の世界にちゃんとしたリアリティーを与えていました。特にシオンとゼロのワインを飲みかわすシーンとか、ゼロとエリオットの墓場でのシーンとか、二人が言葉を交わすシーンがよく作りこまれていたと思います。あああとは、でも急に歌うのは、ちょっと(笑)。もうちょっと、うまく歌に入れなかったものでしょうか。鼻歌から始めてみるとかさ。あと、そうそう、扉がすごくいい空間を作っていましたね。ともかく、よかったです。


浜北西高校
「ポラリス」 作・森島有美

創作台本。クリスマスに、ひと部屋に集められた20歳前後の若者たち。5人が同じ幼稚園出身だということが判明して、打ち解け始める。その中で、互いのわだかまりが解消される。クリスマスの贈り物として。そんな物語。えー、出ましたね、この自己紹介系演劇。・・・と、思いましたね。なんででしょうね。登場人物が、いきなり自分の身の上を語りだす系演劇。これ、書くのが簡単なんでしょうか。大会で掛川西高もやっていましたが、すごい変。2013年に観た「僕らのアイデンティティー」という台本でもやっぱり同じような自己紹介系演劇を上演していて、脈々と受け継がれてきているのかしら。少し評価できるのは、最初の自己紹介の後に、そのそれぞれの伏線が絡み合って、回収されていったこと。前半もっとうまくそれぞれを紹介できれば、これは化けそうな感じの台本でもありました。たぶん、見せようとしすぎなんだと思います。書いた作者さんが、自ら真っピンクな衣装で痛いキャラを演じるところに、ちょっと自信のなさを感じてしまいました。いいものを書いていると思いますので、精進してほしいですね。役者は、三田が一番好きでした。力入ってない感じが。


浜松市立高校
「真夜中の紅茶」 作・松岡美幸

既成台本。雨宿りに入ったはずの郊外の一軒家。かつて足の不自由だった少女が、風を切って走りたいと嘆いていた。兄は妹ノゾミの足を治そうと、手術する方法を確立する。あとは、女性の死体があれば、いいだけなのに。母は、あるものに満足しなさい、と、いうばかりだった。そんなお話。・・・うん。これは、文句なしに衝撃的で、面白かったです。既成台本でしたが、すごいよくできた台本でした。ただ、これを演じきった役者に拍手を贈りたい。開始3分くらいで、もう舞台がそういう雰囲気なのだということに観客側が飲み込まれて無口になっていました。もうね、母役の子がすごい。ちょっと美人な子なんですが、声に静かな有無を言わせない響きがあって、すごく怖かったです(笑)。演出と先生役の1年生の子も、すごく雰囲気に合っていました。うん、4人しかいませんでしたが、4人とも実にうまかった。高校生のお芝居だということを忘れるくらいに面白かったです。



来年もみにいこーっと。おわり。





拍手[0回]

「語る室」観てきました。

なかまくらです。
大阪ABCホールにて、劇団イキウメ「語る室」観ました。

なんともまあ、ダブルヘッダーだったんですね^^。


ある小さな町で、バスの運転手と3歳の園児が失踪した。

決死の捜索が行われたが、見つからなかった。それから5年。

一人の霊媒師が交番を訪ねてくる。

霊媒師は、未来から来た男と出会っていた。

それぞれが、少しずつ語ることから、事件の全貌が見えてくる。

そんな物語でした。


あのですね、面白かったです。

物語っていうやつは、何かを解決しようとするのに、

このお芝居は、こう、うまく伝えられないものを、そのままに終わるんです。

思わず、ああっ・・・って言いたくなっちゃった。

うまく言えない独特の余韻を残していて、しびれました。

突拍子もないお話なのに、それを支えるリアリティがある。


良い舞台でした。







拍手[0回]

「遊星ブンボーグの接近」観ました。

なかまくらです。

3連休の初日、大阪ナレッジシアターにて

ヨーロッパ企画第34回公演「遊星ブンボーグの接近」

を観てまいりました。


どんなお話かといいますと、文房具にまつわる演劇。

地球観光に来た宇宙人(小人)たちは、あるOLの机の上に降り立つ。

そこで、ホッチキスやセロテープ、蛍光ペンなどで遊ぶ。

すると、そこをアパートの家主に見つかってしまうが、

家主も交えてみんなで遊ぶ。

そんな話でした(どんな話だよ)。


えー、なんというばかばかしさ(笑)。だが、それがいい。

なにせ、文房具に関する知識や宇宙人の触った感想をしゃべることにお芝居の

6~7割を使ってますからね。

ホッチキスって何回言った?(30秒くらいホッチキスしか言ってない)

そして、「ステープラーとも言います」「おー・・・」

おー・・・じゃないよ(笑)。爆笑でした。

案外知らない文房具の知識が次々と出てきたり、

普段使っている言葉が急に新しい言葉みたいに輝きだしたりして、

序盤は最高に面白かったです。


中盤。なんだかちょっとペースダウン。旦那さんが出てくるあたりから、ちょっと失速。

進展とか、積み重ねがないと見ていて辛いですね。

うーーん、そろそろ厳しいぞ、となったところで、事件が発生!

おっ、これを解決して終わるのかなぁ~~??

と思ったら、あっさりと解決。別にそこが見せたいわけじゃないそうだ。


そして、最後は面白い仕掛けで終わります(なんか繋ぎが雑だったけど・・・)。

この仕掛けはうまくいくかドキドキしましたよ。

こんなに観客が(物語じゃないところで)ドキドキしちゃう演劇ってないですよ、たぶん。

まあ、そんなわけで、結構面白かったし、着眼点も実によかったのだけれども、

中盤のグダグダがちょっともったいなかったなぁという感じでした。


公演終了後、観客が、舞台前にわらわらと集まりました。

なにせ、人間の大きさの文房具がゴロゴロ舞台上に転がっているのですから。

蛍光ペンとかあれたぶん3mくらいありますよ。すごいすごい。

そういう美術を見事に作り上げたスタッフさんもまたすごい舞台でした。


おわり。





拍手[0回]

降板

なかまくらです。

12月に朗読劇に出演する予定だったのですが、

降板してほしいとの連絡をもらいました・・・。

まあ、9月、10月と練習いけなかったので、仕方がないですね。

それにしても、ライフスタイルが違い過ぎる。

ホールで動きの確認をするから、平日の13時に来てほしいって、

そいつは無理ってもんだ。

まあ、土日とはいえ、部活と重なってしまってなかなかいけなかったので、

まあ、残念な結果に至ってしまったわけです。

あらためて、年間の予定表を眺めてみると、

4月~10月の7か月で、25回の休み(ただし8月に7回休んでいるので)

すなわち、だいたい月に3回くらい休みが取れているんですよね。

結構とれてるじゃない! って、思いました。

問題は、たぶん優先順位にあるんじゃないかって感じました。

思えば、大学生の時からそうでしたね。

とにかく、子ども達のことを考えている。

自分が出演するお芝居があっても、プールのレッスンがあるとその合間を縫おうとする。

今だってそう。朗読がどうしてもやりたければ、有給使っちゃえばいいのに。

でも、そうしたら、授業は自習になって、賢くなる機会が減ってしまう。

それはいかんよ、と思うんです。だって、子ども達は、習う先生を選べないんだから、

せめて、先生は子どもの為にできる精一杯をやってやらないといけない。


でも、こんな風に生活していたら、恋愛してもきっと恋人を不幸にしてしまうんだろうな。

と思うわけですが。。。


ん~~、とにかく、今年の目標がなくなってしまった。

なにしよ。







拍手[0回]

演劇鑑賞 in 浜北

なかまくらです。

浜北文化センターに高校生の演劇の大会を観に行ってきました。

午後からお仕事でしたので、最初の3校だけ。

最初に、全体の感想を言わせてもらうと、

なぜ、こんなにみんな幸せになれないのか(笑)。

ということです。

なんでそんなにバッドエンド好きなの?(バッドじゃないのもあったけど)

なんだろう。もっと未来って楽しいしワクワクするものだと思う。

でも、3本の創作劇から見えてくる現代の高校生がもっている未来像が、

なんとなく、そういう閉塞した感じなのかなぁって、

そんな風に見えて、ちょっと哀しくなりました(笑)。


さて、それぞれについて、ちょっと感想。



磐田東高校『語り継ぐこと』

認知症の和子のおばあちゃん。和子と同級生の2人は、学校で出たレポートを書くために、戦争の話をおばあちゃんに聞くことにする。以前は話してくれなかった話を、おばあちゃんは3人に語って聞かせてくれる。その中で、和子の、自分を忘れてしまったおばあちゃんへの気持ちが変化していく。また、おばあちゃんの生きた命の尊さを3人が感じる。というお話。

昨年(だったかな?)、キャラメルボックスさんの「広くて素敵な宇宙じゃないか」を観たように思います。その時から、磐田東高校は上手だな、と思っていましたが、今回も良いお芝居が観れました。伝えたいことと物語とのバランスが良く、地に足の着いた脚本、そしてそれを支える役者さんの演技力であったと思いました。まず、なぜ、この題材を選んだのだろう、ということです。こういうことを調べたい、伝えたいという高校生がいることは素敵なことだなぁと思いますね。だって、暗くなるじゃないですか、観ていてさ。それでもやろうっていうのだから、それがいい。それから、場転の切り替わりのスムーズさと3人の高校生が話すシーンの立ち位置のうまさが良く出ていたと思います。3人のそれぞれの関係性も見えて面白かったです。主人公の和子の子は、声に芯があっていいですね。それから、眼鏡のおとなしい子。彼女は、目立たないけど、3人のまとめ役的な感じがして、最優秀助演賞って感じでした。いいね。あとは、おばあちゃん役の子が凄く頑張っていました。殆どずっと出てた感じでした。うん。さて一方で、最後が非常に教訓的に終わったこと、3人が一生懸命に歴史を調べようとしている動機が伝わってこなかったこと、おばあちゃんの「一番いけないことは・・・」と云った言葉が借りものであったことは残念でした。特に、最後のはいただけないなぁと思います。物書きである以上、表現者である以上、それだけはやってはいけないことなんですよね。知っている人が聞いたら、ああ、これは何かを真似して書いた作品なんだねって、作品全体を否定されてしまう。言葉だけは、自分の中から込み上げてきたものを使わないといけない。それを守ってやってほしいと思いますね。




掛川西高校『ノンフィクション-MIRAI-』

高校受験に失敗した「僕」。変な巫女さんに導かれて、変な場所にやってくる。そこでは、人生に失敗した人たちが集まっていた。昔売れた子役、腕を怪我したギタリスト、女装した父親、宇宙人、カモにされたひきこもりなど。彼らの失敗談を聞き、「僕」は、元気を取り戻すのだが・・・。というお話。

登場人物が、やや多かったかな、と感じました。全員がメインの話を持っているならば、その他の役で、その想いが反映されて物語全体が盛り上がってほしいと思います。時間がギリギリ(セーフ?アウト?)だったけれども、同じくらいの盛り上がりが繰り返されていくのが残念でした。だから、最後が唐突に感じられてしまうのだと思うのです。もっと、作者さんに想いがあるのならば、それを登場人物それぞれに言わせていかないといけなかったんじゃないかなって思いますね。ただ、いろんなジャンルの物語を書けるところは感心しました。そのフットワークを活かしていろいろ書いてみてほしいですね。演技は、それぞれの役をうまくこなして役者さんは、よく練習しているな、と思いました。子役の人と、ギタリストさんは少し動きが硬い感じがしましたが、舞台をよく動き回っていました。ただ、全体的に立ち位置が曖昧で、後ろのコロスもコントロールできてない感じがしました。うん。ところで、彼らはどんな感じで、彼を見ていたのでしょうか。それぞれの自己紹介をしているとき、彼らはどんな思いだったんでしょうか。未来は決められていて、抗えないのだという結末は、作者さんの今の思いなのでしょうし、必ずしも、ハッピーエンドである必要はないのでしょうが、60分観たことが結末を納得させる物語として、はたらくべきだと思いました。




浜松西高校『Stay zone ~捨て依存~』

クドコ教の信者たちの集会所。男子禁制のその場所に、イトウなる男が紛れ込んでくる。最初は遠巻きにしていた信者たちであったが、次第にイトウの境遇に惹かれていくのだが・・・。というお話。

まず、始まってすぐに、大道具に驚きました。ちゃんと部屋になっている! わずか30分くらいの間にパネルの搬入から連結、そして小道具を並べて・・・。見事なチームワークだと思います。そして、お芝居は、ちょっと高校生よりも、大学生くらいが好んでやりそうなお芝居だなぁと感じました。若干の背伸び(?)を感じるものでした。序盤のダンスがキレキレだったところで、目を瞠(みは)り、そして、絶えず笑いを挟み込みながら進む物語と巧妙な掛け合いが、お芝居を観ている時間を短く感じさせました。あと、教祖様、印象悪すぎ!(いい意味で)。あっという間でした。ただ、ちょっとラストシーンが何故ああなったのかな、という印象が残りました。なおちゃんの何が悪かったのか。そして、ししょーの何が悪かったのだろうと、おもわずにはいられません。ししょーが何かを犠牲にするのを拒んだから、ああいう結末になったのかな? 何かを犠牲にして、何かを得るのだとしたら、ししょーが得たものはなんだろう? イトウさんと過ごしたことなのかな?うーん、なんだろう?と思いました。それをラストにああいう大きな感情のうねりとしてもってくるにしては、途中のししょーへの追及が足りないんじゃないかなって思いました。





拍手[0回]