なかまくらです。
大阪ABCホールにて、劇団イキウメ「語る室」観ました。
なんともまあ、ダブルヘッダーだったんですね^^。

ある小さな町で、バスの運転手と3歳の園児が失踪した。
決死の捜索が行われたが、見つからなかった。それから5年。
一人の霊媒師が交番を訪ねてくる。
霊媒師は、未来から来た男と出会っていた。
それぞれが、少しずつ語ることから、事件の全貌が見えてくる。
そんな物語でした。
あのですね、面白かったです。
物語っていうやつは、何かを解決しようとするのに、
このお芝居は、こう、うまく伝えられないものを、そのままに終わるんです。
思わず、ああっ・・・って言いたくなっちゃった。
うまく言えない独特の余韻を残していて、しびれました。
突拍子もないお話なのに、それを支えるリアリティがある。
良い舞台でした。
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なかまくらです。
3連休の初日、大阪ナレッジシアターにて
ヨーロッパ企画第34回公演「遊星ブンボーグの接近」
を観てまいりました。

どんなお話かといいますと、文房具にまつわる演劇。
地球観光に来た宇宙人(小人)たちは、あるOLの机の上に降り立つ。
そこで、ホッチキスやセロテープ、蛍光ペンなどで遊ぶ。
すると、そこをアパートの家主に見つかってしまうが、
家主も交えてみんなで遊ぶ。
そんな話でした(どんな話だよ)。
えー、なんというばかばかしさ(笑)。だが、それがいい。
なにせ、文房具に関する知識や宇宙人の触った感想をしゃべることにお芝居の
6~7割を使ってますからね。
ホッチキスって何回言った?(30秒くらいホッチキスしか言ってない)
そして、「ステープラーとも言います」「おー・・・」
おー・・・じゃないよ(笑)。爆笑でした。
案外知らない文房具の知識が次々と出てきたり、
普段使っている言葉が急に新しい言葉みたいに輝きだしたりして、
序盤は最高に面白かったです。
中盤。なんだかちょっとペースダウン。旦那さんが出てくるあたりから、ちょっと失速。
進展とか、積み重ねがないと見ていて辛いですね。
うーーん、そろそろ厳しいぞ、となったところで、事件が発生!
おっ、これを解決して終わるのかなぁ~~??
と思ったら、あっさりと解決。別にそこが見せたいわけじゃないそうだ。
そして、最後は面白い仕掛けで終わります(なんか繋ぎが雑だったけど・・・)。
この仕掛けはうまくいくかドキドキしましたよ。
こんなに観客が(物語じゃないところで)ドキドキしちゃう演劇ってないですよ、たぶん。
まあ、そんなわけで、結構面白かったし、着眼点も実によかったのだけれども、
中盤のグダグダがちょっともったいなかったなぁという感じでした。
公演終了後、観客が、舞台前にわらわらと集まりました。
なにせ、人間の大きさの文房具がゴロゴロ舞台上に転がっているのですから。
蛍光ペンとかあれたぶん3mくらいありますよ。すごいすごい。
そういう美術を見事に作り上げたスタッフさんもまたすごい舞台でした。
おわり。
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なかまくらです。
12月に朗読劇に出演する予定だったのですが、
降板してほしいとの連絡をもらいました・・・。
まあ、9月、10月と練習いけなかったので、仕方がないですね。
それにしても、ライフスタイルが違い過ぎる。
ホールで動きの確認をするから、平日の13時に来てほしいって、
そいつは無理ってもんだ。
まあ、土日とはいえ、部活と重なってしまってなかなかいけなかったので、
まあ、残念な結果に至ってしまったわけです。
あらためて、年間の予定表を眺めてみると、
4月~10月の7か月で、25回の休み(ただし8月に7回休んでいるので)
すなわち、だいたい月に3回くらい休みが取れているんですよね。
結構とれてるじゃない! って、思いました。
問題は、たぶん優先順位にあるんじゃないかって感じました。
思えば、大学生の時からそうでしたね。
とにかく、子ども達のことを考えている。
自分が出演するお芝居があっても、プールのレッスンがあるとその合間を縫おうとする。
今だってそう。朗読がどうしてもやりたければ、有給使っちゃえばいいのに。
でも、そうしたら、授業は自習になって、賢くなる機会が減ってしまう。
それはいかんよ、と思うんです。だって、子ども達は、習う先生を選べないんだから、
せめて、先生は子どもの為にできる精一杯をやってやらないといけない。
でも、こんな風に生活していたら、恋愛してもきっと恋人を不幸にしてしまうんだろうな。
と思うわけですが。。。
ん~~、とにかく、今年の目標がなくなってしまった。
なにしよ。
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なかまくらです。
浜北文化センターに高校生の演劇の大会を観に行ってきました。
午後からお仕事でしたので、最初の3校だけ。
最初に、全体の感想を言わせてもらうと、
なぜ、こんなにみんな幸せになれないのか(笑)。
ということです。
なんでそんなにバッドエンド好きなの?(バッドじゃないのもあったけど)
なんだろう。もっと未来って楽しいしワクワクするものだと思う。
でも、3本の創作劇から見えてくる現代の高校生がもっている未来像が、
なんとなく、そういう閉塞した感じなのかなぁって、
そんな風に見えて、ちょっと哀しくなりました(笑)。
さて、それぞれについて、ちょっと感想。
磐田東高校『語り継ぐこと』
認知症の和子のおばあちゃん。和子と同級生の2人は、学校で出たレポートを書くために、戦争の話をおばあちゃんに聞くことにする。以前は話してくれなかった話を、おばあちゃんは3人に語って聞かせてくれる。その中で、和子の、自分を忘れてしまったおばあちゃんへの気持ちが変化していく。また、おばあちゃんの生きた命の尊さを3人が感じる。というお話。
昨年(だったかな?)、キャラメルボックスさんの「広くて素敵な宇宙じゃないか」を観たように思います。その時から、磐田東高校は上手だな、と思っていましたが、今回も良いお芝居が観れました。伝えたいことと物語とのバランスが良く、地に足の着いた脚本、そしてそれを支える役者さんの演技力であったと思いました。まず、なぜ、この題材を選んだのだろう、ということです。こういうことを調べたい、伝えたいという高校生がいることは素敵なことだなぁと思いますね。だって、暗くなるじゃないですか、観ていてさ。それでもやろうっていうのだから、それがいい。それから、場転の切り替わりのスムーズさと3人の高校生が話すシーンの立ち位置のうまさが良く出ていたと思います。3人のそれぞれの関係性も見えて面白かったです。主人公の和子の子は、声に芯があっていいですね。それから、眼鏡のおとなしい子。彼女は、目立たないけど、3人のまとめ役的な感じがして、最優秀助演賞って感じでした。いいね。あとは、おばあちゃん役の子が凄く頑張っていました。殆どずっと出てた感じでした。うん。さて一方で、最後が非常に教訓的に終わったこと、3人が一生懸命に歴史を調べようとしている動機が伝わってこなかったこと、おばあちゃんの「一番いけないことは・・・」と云った言葉が借りものであったことは残念でした。特に、最後のはいただけないなぁと思います。物書きである以上、表現者である以上、それだけはやってはいけないことなんですよね。知っている人が聞いたら、ああ、これは何かを真似して書いた作品なんだねって、作品全体を否定されてしまう。言葉だけは、自分の中から込み上げてきたものを使わないといけない。それを守ってやってほしいと思いますね。
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掛川西高校『ノンフィクション-MIRAI-』
高校受験に失敗した「僕」。変な巫女さんに導かれて、変な場所にやってくる。そこでは、人生に失敗した人たちが集まっていた。昔売れた子役、腕を怪我したギタリスト、女装した父親、宇宙人、カモにされたひきこもりなど。彼らの失敗談を聞き、「僕」は、元気を取り戻すのだが・・・。というお話。
登場人物が、やや多かったかな、と感じました。全員がメインの話を持っているならば、その他の役で、その想いが反映されて物語全体が盛り上がってほしいと思います。時間がギリギリ(セーフ?アウト?)だったけれども、同じくらいの盛り上がりが繰り返されていくのが残念でした。だから、最後が唐突に感じられてしまうのだと思うのです。もっと、作者さんに想いがあるのならば、それを登場人物それぞれに言わせていかないといけなかったんじゃないかなって思いますね。ただ、いろんなジャンルの物語を書けるところは感心しました。そのフットワークを活かしていろいろ書いてみてほしいですね。演技は、それぞれの役をうまくこなして役者さんは、よく練習しているな、と思いました。子役の人と、ギタリストさんは少し動きが硬い感じがしましたが、舞台をよく動き回っていました。ただ、全体的に立ち位置が曖昧で、後ろのコロスもコントロールできてない感じがしました。うん。ところで、彼らはどんな感じで、彼を見ていたのでしょうか。それぞれの自己紹介をしているとき、彼らはどんな思いだったんでしょうか。未来は決められていて、抗えないのだという結末は、作者さんの今の思いなのでしょうし、必ずしも、ハッピーエンドである必要はないのでしょうが、60分観たことが結末を納得させる物語として、はたらくべきだと思いました。
浜松西高校『Stay zone ~捨て依存~』
クドコ教の信者たちの集会所。男子禁制のその場所に、イトウなる男が紛れ込んでくる。最初は遠巻きにしていた信者たちであったが、次第にイトウの境遇に惹かれていくのだが・・・。というお話。
まず、始まってすぐに、大道具に驚きました。ちゃんと部屋になっている! わずか30分くらいの間にパネルの搬入から連結、そして小道具を並べて・・・。見事なチームワークだと思います。そして、お芝居は、ちょっと高校生よりも、大学生くらいが好んでやりそうなお芝居だなぁと感じました。若干の背伸び(?)を感じるものでした。序盤のダンスがキレキレだったところで、目を瞠(みは)り、そして、絶えず笑いを挟み込みながら進む物語と巧妙な掛け合いが、お芝居を観ている時間を短く感じさせました。あと、教祖様、印象悪すぎ!(いい意味で)。あっという間でした。ただ、ちょっとラストシーンが何故ああなったのかな、という印象が残りました。なおちゃんの何が悪かったのか。そして、ししょーの何が悪かったのだろうと、おもわずにはいられません。ししょーが何かを犠牲にするのを拒んだから、ああいう結末になったのかな? 何かを犠牲にして、何かを得るのだとしたら、ししょーが得たものはなんだろう? イトウさんと過ごしたことなのかな?うーん、なんだろう?と思いました。それをラストにああいう大きな感情のうねりとしてもってくるにしては、途中のししょーへの追及が足りないんじゃないかなって思いました。
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なかまくらです。
「本能寺ファウスト天」観ました。
広島遠っ!! 片道6時間ですってよ。
さて。お芝居は、なんと3時間。長い!笑
あらすじ。
地獄に落ちた織田信長、そして、現代人の自殺者、森武士(たけし)。
信長は生きたいと願いつつも死に、森武士は死にたいと思って死んだ。
地獄はそれはもう地獄で、それを脱出しようと森武士ほか11人くらいが脱走する。
それを捕えようとする番人、徳川家康、源義経ほか。
地獄から現世への逃走に協力する織田信長。
森武士が、仲間との絆の中で心を強く持ったとき、剣を得て、森武士は地獄を脱出する。
ところが、帰ってみた現世は、大江戸幕府が国を乗っ取っていた!?
幕府を牛耳る徳川家康の子孫。悪い奴だ。
ところが、これまで共に戦ってきた仲間たちも、それぞれの思いに敵味方に分かれて、
戦うことに。
森武士らは、元の生活を取り戻せるのか!?
みたいな感じでした。
う~~~~~~~~ん!
シーンごととか、話の大まかな流れは面白いんですが、長い!
そして、キャラクターが多すぎて、それぞれの印象が薄くなってしまっていて残念でした。
もう少し普通のやり取りがあってその上に分かりあえたらなぁって、そう思いました。
森さんの脚本は、本当にいつも真っ直ぐなんですね。その真っ直ぐさはすごく好きです。
森さんのやりたいことをやる劇団なのでしたら、それでいいのでしょうか・・・。
そのあたりは私には推してはかるしかないわけですが、
プロデューサー的な人が、侍にいるのかな? って、考えてしまいました。
スタジオジブリには鈴木俊夫さんがいて、こうしないと儲からないとか、
尺はこれだけにしてくれとか、そういう制約をつけるひとがいるんでしょう。
そういう制約が案外もっと面白いものにしてくれたりするんじゃないかって、
そう思ったりします。そうやって、
できたものに意見を言う人が居る(のかわかりませんが)ほうが、
もっと面白くなるんじゃないかなぁって思いました。
とにかく、前半だけでもう、満足! って感じでしたが、
後半は後半で面白い。ただ、前半のほうが、ダンスとか小ネタとか、
作り込まれてるかなぁって感じがしました。後半は、勢いで持ってかれた感じでした。
それぞれを、あと30分ぶんくらい登場人物を深めたものが観たいって気持ちが
結構ありました^^;
この公演は侍エレクトリカルパレードさんの第10回の記念公演だったんですよね。
社会人として働きながらここまで続けるということにはただただ感心します。
仕事をしながら、エネルギーの爆発みたいな侍さんのお芝居を演じる劇団員の皆さんの
生き生きとした姿には、勇気をもらえますね。
お疲れ様でした。
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