なかまくらです。
「シンポジウム・ライヴ 総合科学!? (叢書インテグラーレ)」読みました。
かつて、在籍していたころを思い出しながら読みました。
佐藤先生は、私が1年生の時分に学部長を務めてらっしゃって、
一度だけ、新入生に向けてお話をしてくださり、
「総合科学」の可能性に胸が熱くなったのを覚えています。
結局そんなところから、総合科学部報「飛翔」も5期も委員を務めたのでした。
この本は、シンポジウムで話されたことをそのまま、起こしたもののようです。
初めの佐藤先生のお話は、総合科学をやるには、
物好きであることが大事であるということ、それから、
「重点的ジェネラリスト」であることが大切だというお話でした。
そのあとの、阿部先生のお話は、残念ながら、
6年間、総合科学のことを考えて過ごしただけで、離れてしまった若造には、
よくわかりませんでした。
微妙なニュアンスのことを表現しようとされているのかもしれませんが、
歯切れが悪く感じ、
前の段落でAだといったことを、次の段落でAではないと言っているように読めてしまって、
混乱しました。最後に載っている”要旨”は分かりやすいのですが、
脱線した部分が難解にさせているように感じました。とりとめがない。
小説家の瀬名先生は、小説と科学、それから、ロボット工学などに関するお話で、
「難しいから面白い」という言葉が印象に残りました。
それから、長谷川先生は、科学のリテラシーについて話されていました。
科学とそれを選択する我々が混同されている現在を脱出することが
重要であると言っておりました。
それぞれのゲストの先生方は、総合科学の専門家ではなく、
それぞれの専門分野で活躍されている方たちでしたので、
それぞれの専門分野を聞いたという印象がありました。
しかし、その分野が複数の分野にまたがっており、
佐藤先生の講演内容の実践例として読むことができるのではないかと感じました。
それにしても、阿部先生の話は、私にはよく分からなかったので、
本全体の評価としては、☆ふたつ減の☆3といったところです。