1cm3惑星

なかまくらのものがたり開拓日誌(since 2011)

「白銀の墟 玄の月 第三巻」 十二国記 読みました。

なかまくらです。
「白銀の墟 玄の月 第三巻」 十二国記 読みました。
ネタバレ注意。
なんと18年ぶりの続きの刊行となった十二国記。
今作は、戴国の物語。
戴国は、戴王・驍宗が阿選の謀反によって、行方不明になっており、
元将軍の李斎と泰麒による驍宗の捜索が続いていた。
しかし、ようやくたどり着いた驍宗と思われた武人は既に亡くなっていたのだった・・・。
***ここまでが2巻(先月)***
さて。
泰麒は、きっぱりと言い切る。「驍宗様が王です」
阿選の麾下だった恵棟は、泰麒の命を受けて瑞州候となった。
泰麒は、一向に動かない朝廷に焦りを募らせ、ついに阿選の寝室へと乗り込むことにした。
昔、幼いころに歩き回った抜け道を活かして、阿選へとたどり着く。
阿選は、政に出てこなかった。
王位を簒奪しておきながら、政をしないのは何故だったのか。
妖魔を操り、王宮を支配し、それでも政にすぐに飽いてしまったのは何故だったのか。
阿選は、比べられるのが苦しくなったのだ。
将軍として功を競い合った驍宗と阿選であったが、傾く国の王の苛烈な命令に対して、
驍宗は、不意にそこからいなくなってしまう。
王になるべく、麒麟にお目通りを願いに行くときにも、阿選は動かず、驍宗は動いた。
並び立っていたはずの二雄は、どちらかが影とならざるを得ず、それは決してしまったのだった。
その比べられ続けることに、阿選は耐えられなかったのだった。
だから、別段、政をしたかったわけではなかったのだ。
ただ、琅燦は、麒麟が王を選ぶのは王の気を感じるのだから、周囲からも似た人物と言われていた
阿選と驍宗が並び立っていたら、麒麟がどちらを選んだかはわからない、というのだった。
だからこそ、新王・阿選はあり得る。というのだ。
そして、阿選はとうとう、泰麒に王になるための儀式、誓約をさせるのだった。
泰麒は、幽閉されていると思われる人物を救うために再び居室を抜け出す。
その人物は、正頼であった。正頼は、国の財を管理する証書を持ち出し、隠していたため、
ひどい拷問を受けていた。彼の伝言を受け、項梁は、泰麒のそばを離れることになるのだった。
李斎らは、驍宗を探し続けていた。
それと同時に、もしかすると、自分達の主公は死んでしまったのではないかということ、
それゆえに阿選が本当に新王として選ばれ、
自分たちはその王を殺そうとする立場に入れ替わってしまったのではないか、と思い悩む。
けれども、李斎はこう答える。「それをしたい気持ちはあるが、驍宗様はそれを望まないだろう」
李斎は驍宗の麾下なのだ。麾下は、ただの兵士ではなく、
それが間違っていたとしても、進言をし、それでも思いが変わらないのであればそれを為すのだ。
そういう生き方なのだ。
李斎らは、一縷の望みをかけて、行方が分からなくなった函養山を抜け出す最も険しい道を調べた。
その先で、李斎らは、生き延びていたかつての仲間に出会えたが、驍宗の行方は完全にわからなくなってしまった。
兵は揃いつつあった。あとは驍宗様さえ、いてくれれば・・・。
そして、李斎らは、ひとつの可能性に行き当たる。驍宗様はそもそも函養山の中に閉じ込められている。
落盤によって出てこられないのだ・・・という結論に。
阿選という人物は、なんと凡人なんでしょうね。
同じことをしても、そこに優劣がついてしまう。あいつには敵わない。
誰しも、そういう挫折を経験して大人になるのだと思いますが、
阿選はそれよりは優れていたゆえに、そこまでの大きな挫折をせずに生きてきてしまったということなのでしょう。
あいつさえいなければ、ということはありますが、そのときに、普通は逃げるしかない。
そこで、一歩を踏み出してしまったのは、琅燦というイレギュラーな存在があったからのように思います。
真っ正直な男が、巧みに絡めとられてしまったような、そんな悲哀を阿選に感じました。
一方、泰麒は驚くほどの成長。李斎の成長も見られた三巻では、もしかして、やっぱり李斎様の新王もあるかなぁ、
と正直思いながら読んでいましたが、無理じゃないかなぁ・・・笑
李斎様ではもう泰麒を生かし切れないのではなかろうか?
最後、四巻の表紙が阿選なのが、妙に心配なのですが・・・

驍宗様、無事に救い出されることを願います。





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「白銀の墟 玄の月 第一巻 第二巻」 十二国記 読みました。

なかまくらです。

「白銀の墟 玄の月 第一巻 第二巻」 十二国記 読みました。

ネタバレ注意。



なんと18年ぶりの続き。

十二国記というからには、12の国があり、

そのうち、北東に位置する戴という国の物語。

続きとは言うものの、前作「黄昏の岸 暁の天」は、

1部の主人公・景王が2部の主人公・泰麒を救い出す話でした。

そして、舞台は戴国へ。

戴国は、戴王・驍宗が阿選の謀反によって、行方不明になっており、

元将軍の李斎と泰麒による驍宗の捜索が始まった。

戴に厳しい冬が来ようとしていた。

そんな焦りの中、李斎と泰麒は別々の行動をとる。

泰麒は真意はわからぬまま、阿選を新王に指名する。

6年前に失踪した驍宗の足取りを探していた。

そしてようやくたどり着いた驍宗と思われた武人は既に亡くなっていたのだった・・・。


さて。
あー・・・・・面白い。

戴国は、道観と呼ばれる信仰と薬をつかさどる宗教団体が、

政をしない阿選のかわりに、民を支えようとしている。

その道観に支えられ、旅をする中で、これまでまったく不可解だった、

驍宗の失踪、土匪(ヤクザのような者たち)の反乱、泰麒の不審な行動

などがつながり始めるのです。

先々を見据え、次々と有効な政策を打ち出していく驍宗は、

何故、うまくいかなかったのか。

上に立つものに必要な資質とは何だろうか、

ということを深く感じるシリーズとなっています。

上に立つものが信頼を得る方法は2つあって、

実績を積み重ねる方法とその人望に他人がついてくる方法

驍宗は、前者だという。だから焦っているのだと。

だから、土匪のような人々の成り立ちやありように至らなかったり、

阿選との間に周りも気づかない何か謀反の種を生んだりしてしまったのだろう。

だんだんと、驍宗に何の落ち度もないと思えなくなってくる。

そして驍宗の・・・死・・・?

ミスリードかもしれないそこに、とにもかくにもぴったりともってかれてしまった。
面白い。・・・面白いんですが、

この展開を、どう受け入れていけばいいのかわからない・・・。
李斎様の視点で自分が読んできたんだなぁ、と感じました。
発売日まであと20日近くもあるぞ・・・どうするんだ(笑)。





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「電気じかけのクジラは歌う」読みました。

なかまくらです。

「電気じかけのクジラは歌う」読みました。



出張で行った大阪からの帰り道。

本屋で買った本。面白かったので、一気に読めちゃいました。

あらすじ

作曲家の岡部は、

AIの作曲ソフト「jing(ジング)」のソフトウェアを改良する仕事に転職した。

自分には才能がなく、AIに飲み込まれると思ったからだ。
5年が経ち、かつて3人で一緒に音楽活動をしていたうちの一人、名塚が自殺をする。

彼は天才だった。AIにまねのできないような独創的な音楽を作る作曲家だった。

いったいなぜ? 

岡部のもとに死後に送られてきたインクと指、

それから、名塚の遺作が、岡部をその謎に向かわせる。

5年間のうちに何があったのか。
彼らの止まってしまった時間が動き出す。また、人の創作に未来はあるのか・・・。
というようなお話でした。
「jing」というAI作曲ソフトが全体をいい感じにかき回してくれていて、

そう来るか、と予想を裏切られることもあり、最後まで一気に読めました。

一方でちょっと都合の悪いところに光を当てずに進んでいる感じもしました。
私も趣味で物書きをしたりしますが、書く理由は十人十色ですから、
人が創作をやめる日は来ないと思います。そう願いますね。





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「大正ブラックボックス」読みました。

なかまくらです。

「大正ブラックボックス」読みました。



芝居空間侍エレクトリカルパレードさんの森綾子さん(大学の先輩)が、

本公演の脚本の元となる物語として小説を書かれたそうでして、

大学のサークルの後輩から、「本にしたので、なかまくらさん一冊買いません?」

とあって、「大正ロマン? 買います買います」というわけで、

買うに至ったわけです。大正ロマンっていいですよね。

小野不由美さんの「東亰異聞」(あれは明治かも?)みたいな雰囲気、

自分では書けないけれど憧れは尽きません。

さて、

安倍闇雲という人物が書いた12冊の怪奇譚が、読んだ人間のもとに、

その怪奇で登場した不思議な力を持つ道具とともに登場する。

その道具を蒐集するもの、蒐集を依頼されるもの、道具の力に飲み込まれるもの

さまざまな人間たちの想いが絡まりあう物語でした。

そんな中、発刊されなかった幻の13冊目の怪奇譚を巡る大事件が起こる。

みたいな感じでした。

ちょっと最後の凛が救われる展開は都合よくハッピーエンド?

って感じもしましたが、闇雲先生が書いたハッピーエンドもそういうことかも、

なんて思ったりするのでした。

ハッピーエンドを望んでいる読者がいて、えー、なんじゃそりゃ、なんて思いつつも、

それを受け入れたい自分がいる。ハッピーエンドがいいですね。

魅力ある物語とキャラクターで、一気に読んでしまいました。

面白かったです。お芝居も見に行きたかったんですけどね・・・。

仕事仕事の毎日です。明日も頑張ろう。





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休みの日には蓄えて。

なかまくらです。

春休みなので、お勉強もね。

本を読むなら、ここです。始まっちゃえばあっという間です。

プロ野球のキャンプみたいなものですね。


「すぐつかえる学級担任ハンドブック 中学校3年生」



初心を思い出すために、読みました。BOOKOFFで購入でした。
中学3年生のでいいのでしょうか? いいんです、参考になる部分もたくさんありました。
担任をする前に読んだ時には、わからなかった部分も多かったですが、終わった後に読んでみると、なかなか的確に簡潔に書かれている良書だと思います。



「図で考える。シンプルになる。」



図を使って、物事をわかりやすく整理する方法について書かれた本でした。
例題も多く、非常にわかりやすく図解されており、こちらも良書でした。
プレゼンテーションで発表をするときには非常に役立ちそうな内容です。
それにとどまらず、自分の考えていることを上手にまとめるためにも役に立つ内容でした。
いま、授業ではコンセプトマップを意識した板書やワークシートや小テストによる評価を考えておりまして、その勉強の最中です。シンプルな説明を探求している私には大変参考になりました。


おわり。





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