1cm3惑星

なかまくらのものがたり開拓日誌(since 2011)

「子どもを理科系に育てるには?」読みました。

なかまくらです。

「子どもを理科系に育てるには?」読みました。



子どもを理科系に育てるにはどうしたらいいのか?理科系に育てることが、子どもの将来の可能性を広げることになる、というようなことが書いてある本でした。
理科系にかなり偏重した本で、やや公平性が書けている本、という感じがしました。文系の人間を貶し過ぎているように思います。
「理科系の人間は、問題解決にあたって、自分に与えられた条件を生かして解決の筋道を考える態度を持つことができるが、文化系の人間は、気分や感情に任せて判断してしまう傾向がある」と、作者はそんなようなことを言っています。
また、理科系の人間は、就職がよい、ということも繰り返し言っています。

確かに、理系の考え方を持った人間は大切であるとは思いますが、この作者の意見は、ちょっと行き過ぎているようにも思いました。理系の人間が勝ち取った能力については、なるほど、と思う部分も多分にあったわけですが、コミュニケーション能力であるとか、社会全体の仕組みを良い方向に動かしていこうというのは、文系の人間が為してきたことだと思うのでした。


結論としては、いいこともたくさん書いてあるように思うけれども、

偏重して書いているせいで、素直に受け取れない。そんな気分になる本でした。






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「ガッコの先生」読みました。

なかまくらです。
「ガッコの先生」読みました。著者 : 小松江里子 



大阪から東京に出てきた新米教師が、
日本一のクラスを作ろうと小学生にハートでぶつかっていくドラマ。
金八先生と夏目漱石のぼっちゃんを足して2で割ったようなお話。
自分の考え方があって、それを貫いていく。
先生同士の人間関係も結構面白く、
子どもたちとの信頼関係が生まれてだんだん味方してくれる子どもが増えていくという
典型的な展開ですが、なかなか面白かったです。
どうも、2000年前後のテレビドラマの脚本を小説化したもののようです。
なるほどね。そんな感じですわ。流行ったものね。


ドラマだから・・・、と言いたくないのは、

子どもに素直に謝るシーンで、「先生、プライドないんですか?」

と言われて、「悪いと思ったことは素直に謝る。それが俺のプライドなんや」

と返すシーン。

そうそう。

シンプルなことなんですが、ちゃんと子どもを一人の人間として扱ってやること。

信頼できる大人って、そういうことができる人間なんだと思う。

頭ごなしに怒っても、子どもは子どもを演じる役に徹してしまうんじゃないでしょうか。

大人を演じる子どもを育てないといけないんですよね、きっとね。





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「生きるってなんやろか?」読みました。

なかまくらです。
「生きるってなんやろか?」読みました。


大阪大学総長の鷲田先生と大阪大学でロボット工学を研究している石黒先生の対談を本にまとめたもの。
現代の若者に向けて書かれた本で、
「アイデンティティーとは何か、だとか、
 自分とは何か、
 生きるとはどうしたらいいか?」
などといったことについて最新のロボット研究におけるロボットと人間の比較を軸に話している本。哲学が好きな人には面白い本だと思います。
以下、いくつか印象に残った部分を覚書。
・ 自分と言うのは他者のほうがよく知っていて、自分を定義づけているのは他者である。ならば、他者とよく関わらなければならない。自分が役に立つ人間であるかと言うばかりではなく、自分が他者に対してどう役に立てるのかという視点が必要である。
・ <自分>を見つけるには、スタンダードから少し違うことをしてみないといけない。その振れ幅をもたせたときに、外側の枠にぶつかって<自分>というものが初めて理解できる。今の若者は、そのスタンダードの中に留まろうとしすぎている。その中に、<個性>を見つけようとする傾向が強すぎる。
・ ロボットと違うのは人間は考えることだ。いるだけで素晴らしいなんてことはない。もっと考えながら生きないといけない。それが、生きる価値である。





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「その本の物語」読みました。

なかまくらです。

「その本の物語」読みました。村山早紀 著 ポプラ文庫ビジュアル 出版

児童文学「風の丘のルルー」のシリーズを再構成した作品。

劇中作として、「風の丘のルルー」という小説が登場します。

その小説が大好きだった、高校生になっている2人の女の子、そのうちの一人が主人公。




上巻は、魔女の「ルルー」が人間と違う生き物であることに迫害され、傷つき、

それでも人間を好きでいたいのだろうかと悩む物語。

丁寧な言葉で書かれていて、大切にしたい言葉がたくさんあります。

児童文学っていいですよね。

下巻の物語もわくわくの連続でした。大人になってから読んでも面白い。
眠ったままになっているもう一人の女の子は、

小さいころから少し人と変わったところのある女の子だった。

小さな魔法が使えたのだ。それは小さい頃のごっこがそう思わせたのかもしれないけれども、

「風の丘のルルー」の本を読んでいると、その世界が立ち上がってくるような感覚に襲われる。

その少女がいじめられているのを、主人公の女の子は助けてやれなくて、

その女の子は、今、病院のベッドでずっと眠り続けていた。
本の物語が、あの頃に生き方を教えてくれていたはずなのに、

主人公の女の子は、そんなことも忘れてしまって生きていたのだと、悔やむ。
7冊のシリーズを全部、眠っている彼女に読み聞かせたときに、

それは、まるで呪文のように働き始めるのだ。
見た目が複雑じゃあないのに、その複雑じゃないからこそ考えないといけない、

考えさせられる向こう側が広いように思います。
結末も最後まで読んでよかったと思えるものでした。

でも、本当の出来事なのかな? 大人にはちょっと甘すぎる夢。


でも、それとも・・・。と、思うんですよね。





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「新編クロノス・ジョウンターの伝説」 読みました。

なかまくらです。

「新編クロノス・ジョウンターの伝説」 読みました。


クロノス・ジョウンターという名の不完全なタイムマシンで時を超えた3人の物語。

3本の短編集。
演劇集団キャラメルボックスで舞台化もされていて、

そちらを一本観まして、興味を持って手に取りました。
ややライトな読み口ですが、次の展開にドキドキしながらページをめくりました。
1.吹原和彦の軌跡

時間軸圧縮理論をもとに、クロノスジョウンターと名付けられたタイムマシンが完成する。
しかし、このタイムマシンは過去に一瞬存在することができるが、その過去に行った分だけ、
時間旅行の後に未来へ飛ばされてしまう。しかも、タイムトラベルを繰り返せば繰り返すほど、
未来への跳躍は大きくなることがわかった。開発した会社の技術者である吹原和彦は、
その日、花屋で働く来美子さんと約束をかわしていた。「今度食事に行きましょう」
昼休みにテレビに映し出されたのは、その交差点での爆発事故だった。
吹原は不完全なタイムマシンであるクロノスジョウンターに迷わず乗り込む。
一瞬だけ留まれる過去に可能性をかけて、彼女を助けに、何度も飛ぶのだ。
2.布川輝良の軌跡
布川はある日、クロノスジョウンターで過去へ飛ばないか? と誘いを受ける。
布川は、無名の建築家の、5年前に取り壊された建物が見たいと申し出、
これが受け入れられる。そして、枢月圭に出会う。二人は惹かれあっていくが、
布川は枢月に自分は未来からきており、
固定装置によって一時的にこの時間に留まっているだけで、4日間しかいられないと告げる。
ふたりは4日間をとても大切に過ごしていく。しかし、肝心の建物は見れない状況にあった。

3.鈴谷樹里の軌跡
子どもの頃の鈴谷樹里は入院していた病院で、青木比呂志と出会う。
しかし、樹里が退院する前に、青木は病気でなくなってしまう。
樹里はそれから19年経って、医者になっていた。
そして、青木が冒されていた難病を抱える少女を診ていた。
そんな折、特効薬が開発されたことを知る。そのサンプルを投与したところ、
みるみる病状が回復した。時を同じくして、クロノスジョウンターの存在を知った樹里は、
その開発者を説得し、過去の青木の元へと飛ぶのだが・・・。



タイムマシンものというと、大抵は、タイムパラドックスとか、バタフライ効果に目が行きがちな印象を受けますが(そんなにたくさん読んでるわけではないけれども・・・)

この作品は、そういうところにはあんまりうるさいことを言わないで、

クロノスジョウンターという名のタイムマシンが持つ欠陥を織り込んで、

どうやって目的を果たそうか。どうやって幸せになろうか、

というところに主眼が置かれており、

あまり、パラドックスの問題は気にならなかったです。

全体的にメロドラマの様相なので、壁を叩く用意をしておいたらいいでしょうね。







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