なかまくらです。
小野不由美さんの十二国記シリーズ、yomyom2009年10月号に載った「落照の獄」を読みました。
一応、世に出たものの最新です。70ページくらいの中編という感じでした。
お話の舞台は柳国。
法治国家として安定した国であった柳国に、異変が起きているらしい。
人心が荒れ、凶悪な犯罪が起こるようになっていた。
柳国には 死刑を停止するという王の出した国の方針があった。人は教化出きるはずだ、と。
しかし、凶悪犯はあざ笑う。
死刑制度ひいてはこの社会の仕組み、ありかたに真っ向から 挑んだ力のある作品でした。
あらためて、小野不由美おもしろいな、と実感。
長編でないかな~
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なかまくらです。
「猫と針」 恩田陸 著
を読みました。戯曲です。

あらすじ
友人の葬式の日。高校時代の同級生5人が集まった。
その日はちょうど、映画監督としてデビューしていたタカハシのオファーで、映画のエキストラとして、5人が集まる日だった。衣装は喪服で。
5人の昔話の中、昔あったフィルムの盗難事件、そして、殺されたオギワラの、犯人はいったい・・・
人は、そこにいない人の話をする・・・・・。
という話でした。
うーむ。
ちょっと怖い、かな。タカハシは、過去に起こったことをフィルムに収めることで、現実にしようとしている。
でも、それはタカハシという人間のファインダー越しの現実。台本を渡し、作り出した現実。
そう見えました。
ふんわりと浮かび上がってくる現実。面白かったです。
ただ、なんとなく、小さくお話をたたみすぎているかなぁ、と思いました。
うむ。
実はですね、これ、19生がやる卒業公演の作品になるかもしれなかった作品でした。
私が12月までにかけなかったら、これになる予定でした。
学祭公演に打ち込んでいる私に、Mぞべさんが痺れを切らしていたんでしょうね(笑)。
で、まあ、その当時、1場と、2場くらいまでは読んだのですが、、
ああ、こりゃあ、無理だな、と。
あ、面白いんですよ。すごく面白いんですが、その当時、
ん? まあ今でも、表現できません(笑)、ええ。
舞台には椅子が5つ。かわるがわる、座り、いない人のことをしゃべる。
その中で、事件があったころの全容が浮かび上がってくる。・・・すごい。
すごいのですが、そもそも私は書けないタイプのお話です。
私、実は結局他人の台本の演出、せずに終わってしまったんですよね。
でも、できる脚本とできないだろう脚本は分かる気がします。
たぶん、私が書けない物語のタイプは演出もできない気がします(消極的だなぁ。
どう見せたら面白いか、確信が持てないというか、面白いだろう見せ方が逆に自分の中で一つしか持てなくて、試行錯誤ができなさそうなんですよね。まあいいや。
でも、ちょっと演劇やりたくなるような話でした^^ やれないけどね。
もう大人になっちゃったからかな。

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弱虫は幸福さえおそれるものです。
人を信じられず、お道化で世を歩いてきた葉蔵という人物の半生。
周りには本当には誰もおらず、独白のような手記が延々とあるだけでした。
それは、手記だからというよりは、まるで手記にお道化を書いているひとりのようでした。
みんな迷いなどはどこかに潜めて生きているように私には見えますが、このお話に描かれているそれは時代の性にしてはいけない、人間の形であると思いました。
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なかまくらです。
宮部みゆきのステップファザー・ステップを読みました。
泥棒はひょんなことから、両親に置いていかれてしまった双子の父親代わりをすることに。泥棒は泥棒の稼ぎで双子を養うのであった。
というお話でした。
すごく軽いタッチのミステリーで、短篇連作のような形をとっているので、読みやすいし、会話や事件に入る前をメインに描いているため、話全体が明るくて読んでいて楽しいです。
泥棒の男がだんだん親らしくなっていく様もグッドです。
宮部みゆきは、ブレイブストーリーと英雄の書を読んでいましたが、またなんか読んでみようかなぁ、と思いました。
でも、社会的に家族とか親友とかの愛憎を描いたミステリーって、苦手なんですよね~。
さすがに外側からだと分からないし^^。
さ。
次は何を読もうかな。
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なかまくらです。
五龍世界Ⅱ WOOLONG WORLD 雲谷を駈ける龍 を読みました。
あらすじ
妓女の碧耀は、ある時落籍(客に買い取られる)して、嫁ぐことになる。
しかし、それは決して明るい未来とは言い難い。たいていの場合、そういったお金持ちには本妻がいるからだ。
ところが、碧耀を運ぶ一行は、山賊の襲撃を受け、碧耀はある山麓の村に逃れた。
その村では、鉱山からの鉱毒による被害がでて、非難の声が上がっていた。
碧耀は、そこで自分と同じ妓女だった老婆に出会う。
そして、彼女の生き方は変わろうとしていた。
みたいな感じ。(いつも以上にテキトウですみません _ _ )
この作者の話はだいたい女の子が頑張る話。
でも、周りの男女の味付けがよくて、読んじゃう感じです。
中華風ファンタジーで、呪いとか、龍脈とかそういう感じの世界観。
二巻は前回脇役だった妓女の碧耀が主役。後戻りはできない展開の作品というのはドキドキしますね。碧耀よりも、脇役がキラキラ。
ちょっと物語の身近さ(視野の狭さ)と世界のうねりがうまく結び付けられてない感じがして、作者の意図通りには進んでないような。とりあえず、次巻も待ちます、ええ。
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