1cm3惑星

なかまくらのものがたり開拓日誌(since 2011)

「新編クロノス・ジョウンターの伝説」 読みました。

なかまくらです。

「新編クロノス・ジョウンターの伝説」 読みました。


クロノス・ジョウンターという名の不完全なタイムマシンで時を超えた3人の物語。

3本の短編集。
演劇集団キャラメルボックスで舞台化もされていて、

そちらを一本観まして、興味を持って手に取りました。
ややライトな読み口ですが、次の展開にドキドキしながらページをめくりました。
1.吹原和彦の軌跡

時間軸圧縮理論をもとに、クロノスジョウンターと名付けられたタイムマシンが完成する。
しかし、このタイムマシンは過去に一瞬存在することができるが、その過去に行った分だけ、
時間旅行の後に未来へ飛ばされてしまう。しかも、タイムトラベルを繰り返せば繰り返すほど、
未来への跳躍は大きくなることがわかった。開発した会社の技術者である吹原和彦は、
その日、花屋で働く来美子さんと約束をかわしていた。「今度食事に行きましょう」
昼休みにテレビに映し出されたのは、その交差点での爆発事故だった。
吹原は不完全なタイムマシンであるクロノスジョウンターに迷わず乗り込む。
一瞬だけ留まれる過去に可能性をかけて、彼女を助けに、何度も飛ぶのだ。
2.布川輝良の軌跡
布川はある日、クロノスジョウンターで過去へ飛ばないか? と誘いを受ける。
布川は、無名の建築家の、5年前に取り壊された建物が見たいと申し出、
これが受け入れられる。そして、枢月圭に出会う。二人は惹かれあっていくが、
布川は枢月に自分は未来からきており、
固定装置によって一時的にこの時間に留まっているだけで、4日間しかいられないと告げる。
ふたりは4日間をとても大切に過ごしていく。しかし、肝心の建物は見れない状況にあった。

3.鈴谷樹里の軌跡
子どもの頃の鈴谷樹里は入院していた病院で、青木比呂志と出会う。
しかし、樹里が退院する前に、青木は病気でなくなってしまう。
樹里はそれから19年経って、医者になっていた。
そして、青木が冒されていた難病を抱える少女を診ていた。
そんな折、特効薬が開発されたことを知る。そのサンプルを投与したところ、
みるみる病状が回復した。時を同じくして、クロノスジョウンターの存在を知った樹里は、
その開発者を説得し、過去の青木の元へと飛ぶのだが・・・。



タイムマシンものというと、大抵は、タイムパラドックスとか、バタフライ効果に目が行きがちな印象を受けますが(そんなにたくさん読んでるわけではないけれども・・・)

この作品は、そういうところにはあんまりうるさいことを言わないで、

クロノスジョウンターという名のタイムマシンが持つ欠陥を織り込んで、

どうやって目的を果たそうか。どうやって幸せになろうか、

というところに主眼が置かれており、

あまり、パラドックスの問題は気にならなかったです。

全体的にメロドラマの様相なので、壁を叩く用意をしておいたらいいでしょうね。







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