なかまくらです。
劇団引力廣島プロデュース 「ガラパコスパコス」 観てきました。
私自身、ちょっと前に書こうとしていた題材もガラパゴスだったので、気になりまして、アステールプラザまで観に行ってきました。
あらすじ。
人と付き合うのが怖い男は、自分の手品に心惹かれてくれた特別養護老人ホームのおばあちゃんを誘拐する。
ふたりは奇妙な共同生活を始める。
隣の家には、同級生とその先生の夫婦が住んでおり、その隣には陽気なアメリカ人が住んでいる。
男には兄がおり、兄は自分のことばっか考えている。兄の妻をレイプした男は、兄のことばっか考えている。
男の勤める遊園地の仕事の同僚の若い方は、男に好意を覚え、上司は嫉妬する。
おばあちゃんの娘と孫はおばあちゃんを探している。
女の子は、バスに乗ろうとしている。
男にはお金が無くなり、気が付くと、男の周りには、誰もいなくなっていた。
最後におばあちゃんは男に「大人は自分のやったことに責任を取らなくちゃいけないよ」と言い、
帰っていく。
男は、兄に、「自首するよ」と言って、大人になることを始める。
というお話でした。
男は大人の年齢なのに、子どもから大人になることを拒否して、わがままばかりをいう。
付き合っている周りの人は、彼を一人の人間として付き合おうとして、いろいろな妥協をして、
どんどん不幸になっていき、そして離れていく。
今時、子供みたいな人は多いんじゃないでしょうか。私も大して大人ではないですが、
帰り道。満員の市電の座席に荷物を置き、帽子を斜めにカブってふんぞり返っていた男は、目的地に着くと肩をイカラセて人の間を割っていきました。可哀相に。
行がけ。電車の中で携帯電話で大きな声でしゃべっていたおばあちゃんは、「ちょっとうるさいなぁ」という注意の声に、もうひとしきり喋った後に、「すいませんね、非常事態でね」と、誰にか分からぬ言い訳をしておりました。可哀相に。
まるで遠い世界の出来事のようにお芝居はいつだってフィクションですが、
なんだか、すごく身近なことに感じました。
このお芝居、舞台全面が黒板で、チョークで文字を書いて広がっていく世界でした。
独特のテンポで進んでいく感じがして、
まっさらな舞台で繰り広げられる次々と変わる場面に、空間の使い分けの巧みさを感じました。
面白かったです。