1cm3惑星

なかまくらのものがたり開拓日誌(since 2011)

先を行く人5:入試問題に対する不勉強

なかまくらです。

転勤しまして、進学校におります。

そこで、教員人生で初めて入試問題と真剣に向き合う夏休みが来ています。

そして気づいたのは、全国の大学入試で着々と日常的な題材を取り扱う準備がされているということです。

共通テストでは、波の反射をダイヤモンドのカットの角度で取り上げていますし、

2次試験でも、測定機器を題材にしたりしているようです。


特に、面白いのが、単科大学です。

東京海洋大学では、頻繁に波や海をテーマにした題材が出ていますし、

東京慈恵会医科大学では、心臓を題材にした熱力学のサイクルの問題や、血液を超音波機器で測定するドップラー効果の問題なども出ています。

滋賀医科大学も、人体をテーマにした意欲的な入試問題を例年出題しています。


物理基礎ならできるけど、物理ではちょっと・・・なんて、甘ったれたことを思っていましたが、そうではないのですね。勇気づけられる思いがしました。

物理は骨董品ではなくて、世の中のいろんなものが実は物理的に考えることができるはずなのです。

その面白さを伝えられるように、夏休みは頑張って教材研究をしようと思うのでした。

おわり。





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今年度もよく働きました

なかまくらです。

まだ、あと2週間ほど残っていますが、今年度もよく働いたなぁ、と思います。

教員はなかなか残業時間が多いぞ! とはよく言われますが、

論より証拠がなければ仕方が無い。

そんなわけでずっとつけている月別残業時間のグラフを今年度も公開です。



眺めてやっぱり思うのは、うーーん、よく働いた! ということです。

でもまあ、最近、残業時間が月200時間のYoutuberの動画をときどき見るのですが、

それに比べればまだまだいけるぜ! と思えるので、

どうやら、労働の疲労は相対的なものらしいです。

来年度も頑張ります。





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先を行く人4:発問する。・・・問題から「分かる」を引き出す

なかまくらです。

ついに、「発問」が来てしまいました。「発問」って、なんだか嫌いな言葉だったのですが、ようやく(?)ここに、私なりにたどり着いたのかもしれません。

さて。

今年度ももうすぐ終わろうとしています。

今年度は、物理を教える機会が多くて楽しかったです。

今年度の私の仕事での取り組み(目標)は2つありました。

1つ目は、ジグソー法に少し近いもので、対話をしながら結論を探るというもの。
物理なので、答えは決まっている。けれどもジグソー的に、それぞれが問題を解いてきて、
その要素を組み合わせて結論を得ようというパズルのようなものです。
1年かけて、2つだけテーマを見つけることしかできず、まだまだ発展途上という感じでした。


2つ目は、問題演習をする中で、「分かる」を育てる授業ができないか、という取り組みでした。
私は、その内容が理解できるというのは、「分かる」と「解ける」の両方が満たされている状態だと思っています。そのため、「分かっている」だけだと問題が解けないし、「解ける」だけだと実は分かっていないけどなんか問題は解ける・・・という状態になってしまいます。
ならば、問題を解く中で、「分かっている」かどうかを問う問題を作れれば良いじゃない。
そんなわけで、それって発問というやつでは・・・? ということになったのです。
授業自体は非常にゆっくりと進行しまして、1時間に1~2問しか解けませんでしたが、
継続は力なり。1年間で50問ほど、取り組めました。

発問・・・というよりも、ただのツッコミかもしれません。

例えば、2物体の単振動の問題です。単振動って、高校生が躓くポイントNo1だと思います。

だけど、問題はわりと解けるようになります。しかし、いつまでもふわふわしている。


だから、例えば、

「物体Bと物体Aの間の垂直抗力は単振動の間に変化し続けているけれど、物体Bは本当に単振動しているのか?」

といったことを聞いてみると、あれっ? となったりするものです。

また、もっと単純に、

「2物体A,Bの間の垂直抗力が負になるとAはBから離れると言うけれど、それは何故?」

と聞くだけでも、理由が分からなかったりするのです。

数学的には確かに離れるから・・・というところから抜け出せない。

Bはつり合いの位置を越えると、今度はバネの弾性力によって減衰する力を受けるのです。


そんなわけで、1年間取り組んだところ、

「学ぶ中で、1問1問の解き方、取り組み方が変わった。問題を深く考えるようになり、他の授業でも、それが生かされるようになった」

と生徒から嬉しいコメントをいただきました。


アクティブラーニングにはまだまだいろいろあるな、と新しい可能性を感じたのでした。

過去の研究記事はこちらです。







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ツーブロックについて

めんどくさっ!!


ツーブロックにまつわる校則についてです。

ブラック校則などと言われていますが、

教育現場にいる私の思うことを述べていく、これは愚痴です(酔ってます


まず、私なりの結論を言うと、歯止めがきかないのが問題である。

ということに尽きます。

「ツーブロック」で、画像検索をしてみると・・・

例えば、これはどうですか?


別にあまり、違和感もないです。爽やかですね!


では、この2つは?
  
ここで、賛否が分かれてくるのではないかと思います。

就職先の企業によっては、「えっ・・・?」と思うと思います。
接客業だったら、TPOに反するところが出てくると思います。

例えば、市役所や銀行の窓口がこの髪型だったら、いかついなぁ・・・
と思いますし、博物館や美術館の受付や、旅館の受付がこんな感じの髪型は嫌ですね。


さて、次です。これが高校が校則を死守しようとする理由だと私は思っています。
 

こういう、いわゆるソフトモヒカン、という髪型です。

これだって、れっきとしたツーブロック(段差がある髪型)に含まれます。


世間からの「いやいや、これが駄目なのは分かってるよ?」という声が

届くと思います。(届いてほしい)

でも、じゃあ、違いは何でしょうね?

ぱっと見?

それとも例えば「耳から6cm以上刈り上げていた場合は駄目」とか・・・?

いやいや、それじゃあまったくもって、ブラック校則って揶揄されるやつじゃないですか。

定規で測るんですか笑 いやですよ。


そうすると、ツーブロックは、結局ここに行き着くことが考えられますが、

基準がないならば、これだって、高校生の髪型として全然OKになるのです。


だから、歯止めがきかない、ということになるのです。


さて。もう一つの意見があると思います。


ちゃんとしないといけないときにはちゃんとするから、普段はなんでもいいじゃないか。


それは、大人の理屈だと思います。

ルールは守らなければいけないものだということを学ぶ場でもあります。

そもそも、ちゃんとしないといけないときってどうやって学ぶんですか?

学校内の式典(始業式や終業式、卒業式など)で、ちゃんとする場面を設定していて、

そういう場面はスルーして、じゃあ、いつ学ぶんですか? という話。

学んで(練習して)こなかったのに、本番でできないのは当たり前です。

ツーブロックがOK! という校則なら、別に、ツーブロックはOKでもいいんだ、

というのが私の考えです。ルールを守るというのは、当たり前であるべきです。

「納得のいかないルールは守りません!」という部下が会社にいたらどうでしょうか?

そうならないように、学校では練習をしているのだと思っています。


もうひとつ、起こりそうなシナリオは、黙殺です。

就職試験において、来た生徒の格好を観て、就職試験に落ちると言うことです。

「髪型が問題だから、不合格です」とは会社も言わないと思います。

でも、明らかにそう、という場合もあるでしょう。

けれども、保護者の皆さん。

「うちの子は、なんで受からないんですか?」は禁句で良いですか?

「受からないんですけど、進路をなんとかしてください! 仕事でしょう!?」

も禁句にさせてください。育てる機会を奪っているのは、皆さんなのです。


「これだから、学校の先生は世間知らずなんだ。
 世間ではツーブロック禁止はブラック校則なんて呼ばれているんだぜ?」


なんて、子どもたちは都合の良いように、言ってきます。

世間は味方だと思っているのです。

けれども、どうでしょうか?

さっきの髪型の高校生が、いざ入社試験を受けてきて、

あるいは、「納得のいかないルールは守りません! ルールが悪いんだ!」という

新入社員をどう思いますか?


その、防波堤になっているルールが校則であり、

ツーブロック問題も、そのルールのひとつであると私は思っていますが、

困ったことになってきていますね。





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AとBの関係性について

なかまくらです。

先日、職員研修を受けまして、

ほぇー、と思うことがありました。

教師への信頼感の高まりは、ルールを守ろうという規範意識には関係が無い、

という結果があるそうです。


ちょうど、ついこの間、身だしなみとか、担任の顔を立ててくれよ! と言ったばかり。

これって、子どもたちはどんな風に聞いていたんだろう?

なんて思うのでした。

難しいなぁ~。


ところが、教師への信頼度は授業の満足度を向上させ、

授業の満足度は規範意識に関係性があるという。

やっぱり良い授業はクラスの雰囲気を作るんだろうな、と思います。

同様に、部活動もそうなんでしょう。

学校の雰囲気を良くしていく両輪なんだと思うんですね。


そんな話でした。








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