1cm3惑星

なかまくらのものがたり開拓日誌(since 2011)

舞台「魍魎の匣」観ました(配信)。

なかまくらです。

舞台「魍魎の匣」観ました。

ニコニコ動画で配信終了の案内がされており、名前だけは知っていたので、

見てみようかな、ということで。

原作:京極夏彦「魍魎の匣」(講談社文庫)/脚本:畑 雅文/演出:松崎史也



あらすじ。

女子高生の頼子は、聡明で不思議な同級生加菜子に誘われて、湖に出かける。

ところが、加菜子は、誰かに背中を押されて、駅のホームに転落、重傷を負ってしまう。

そこに、元女優の柚木陽子が現れ、搬送された病院から、加菜子を

美馬坂近代医学研究所へと転院させる。

そこで一命をとりとめた加菜子であったが、お見舞いに来ていた頼子、

事件に居合わせた刑事の木場など関係者の目の前で、誘拐されてしまう。

居合わせた須崎も殺された状態で見つかり、手掛かりはなくなってしまう。

巷では、連続殺人事件が起きていた。そのバラバラにされた遺体は、箱に詰められた

状態で見つかっていた。

この事件を追う雑誌編集者と三流作家関口は、古本屋店主で、陰陽道に詳しい中善寺秋彦

通称:京極堂 に助力を求めることになる。

彼の助言によって、穢封じ御筥様(けがれふうじおんばこさま)なる霊能力者の存在が、

浮かび上がってくる。この胡散臭い霊能力者と連続殺人事件には奇妙な一致が起こり、

やがて、それは、久保竣公(くぼしゅんこう)なる新進気鋭の作家によってつながる。

彼の特徴と一致する人物がバラバラ殺人事件の被害者の最後の目撃証言時に

常にいたというのだ。

そして、彼の新作小説は、箱に執着した男であり、それはまさにこの連続殺人事件を

さしているようだった。

しかし、この物語はここで終わらない。久保は殺されてしまうのだ。

いや、死んでしまうのだった。自らも箱に入ることで、久保は、殺して箱に入れた女たちと

同じ場所に行こうとしたのだ。

しかし、それは誤りであった。それに気づいた久保は、

すでに魍魎と化しており、京極堂らが辿り着いた真の犯人を殺してしまう。

憑き物が落ちたように、陽子は、自らの犯してきた過ちを認めるのだった。



というようなお話でした。重厚すぎて、だいぶざっくりとした紹介でしたが、

だいたい、そんな感じのお話でした。

それにしても、押しも押されもしない、傑作でした。

物語が幾重にも絡まりあって、ひとつの結末へと収束していく様は見事で、

そこに向かう盛り上がり方も素晴らしかったです。

京極夏彦の小説って、読んだことはないですが、1000ページとかある分厚い

イメージがあります。それをわずか2時間程度のお芝居にまとめたのですから、

脚本もお見事ですし、魍魎に惑わされる人々の演出もお見事ですし、

そして、鬼気迫る演技の役者さんもお見事でした。

皆さん、目、開きすぎて、目力がやばかったです笑


生の舞台で見られなかったのは惜しいですが、2.5次元舞台をうたって上演されていた

ようなので、知っていても多分見に行かなかったかな、と。

ただ、まあ、こうやって幸運にも冬休みの時間のある時に巡り合えて、

楽しめたので、良かったです。

おわり。





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第47回 静岡県高等学校演劇研究大会 2日目

なかまくらです。

11/26。日曜日。静岡市民文化会館で、観劇してきました。


浜松開誠館高校「舞台監督」
あらすじ。顧問が転任してしまった演劇部で、舞台監督を務める演劇部員は、見学を申し出る生徒に、練習の様子を見せる。国譲りの神話を基にした舞台では、力あるものが国司から国を奪おうとしていた。それは、練習場所さえ確保が難しい演劇部の現状と重なって・・・。そして、見学希望の生徒は、大きな流れの中で戦う気持ちを失っていて。というお話でした。
顧問の先生が別の学校へ異動してしまったそうですが、その顧問の先生による台本の提供だそうです。この劇中劇は何年か前に浜北文化センターでみたことがあったのですが、それを下敷きに、新しい物語として、再構成されていて、今の演劇部の皆さんのお芝居になっていたと思います。先生がご指導されていた部分と自分たちで作り上げてきた部分。過渡期となるいま、部活動を続けるなかで不安もあったと思います。そういう色々をお芝居に昇華されていたのではないかと思います。動きはよく練られていましたが、活舌は頑張れ! という感じでした。これからも頑張ってください。

静岡県立富士高校「Goodbye, the earth」
あらすじ。地球に隕石が落ちて、明日、人類は滅亡するというとき、人々はどんな風に過ごすのか・・・。というお話。
オムニバス作品で、旧知の人たちに電話を掛けたり、人類が抱える問題を解決してみたり、恋人を探してみたり・・・。いろいろな場面をコメディにして次々発表していく形式でした。それぞれがなかなかのクオリティで1時間、十分に楽しめました。動きもよく練習されていて、発声や活舌も良かったです。惜しいのは、やはり、オムニバスに本筋がないことかなということでした。全体を貫くテーマがあったり、それぞれの物語が最後に伏線を回収するように集まっていくような、そういう仕掛けがあるとよかったなという感じでした。ところで、最初の海藻がうにょうにょ育っていくような踊りの前衛芸術感はなんなんでしょうね笑


浜松市立高校「アダムと死刑囚」
あらすじ。日本を震撼させた殺人事件。医師の一家を皆殺しにした男は何を思ってそのような凶行に至ったのか。新人の新聞記者が先輩とともにその事件の真相に迫る。そこにはそれぞれの正義があり、何が正しかったのかは、正義と悪などというそんな単純なものでは片付けられないものだった。というようなお話。
死刑囚の神崎役の役者さんがとても上手で、その奇異な人格、そして後半に見せる後悔。死を目の当たりにしたときの演技も迫真のものでした。目黒さんは、感情で突っ込むタイプで、感情はすごく乗っていましたが、聞き取れないところを意識してしゃべると良いですね。新人記者さんは、右足を下げてしゃべりがちなので、舞台の下手を向いて話しているときは、お客さんに表情が見えにくいので、そのあたりを気を付けるとよいかなと思います。全体としては、場転が多すぎるので、場転の工夫を考えると良いかなと思いました。


というわけで、どのお芝居も楽しめました。おわり。





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「関数ドミノ」観ました

なかまくらです。

「関数ドミノ」観ました。

2022/06/25 穂の国とよはし芸術劇場にて観劇です。



あらすじ

ある不可解な交通事故をきっかけに、その目撃者や関係者は、「ドミノ」と呼ばれる存在に関わる思想を知る。

「ドミノ」と呼ばれる人物を中心に、周りの人間はその人物は願いを叶えるために動いてしまうのだという。このドミノというのは移り変わるもので、同時に何人か存在している。

今回、ドミノとなったと思われる人物の弟は、交通事故で奇跡的に無傷であったが、

代わりに、車の助手席に乗っていた高校生が重体だった。

ドミノとはそういうものなのだという。

ドミノとなった人物を巡っていろんな思惑が巡る。怪我や病気を治そうとする人もいる。

ドミノについて語る男は、常にドミノに遭遇してきたという。

その男は、元は世界をよくするためにはたらいていたのだが・・・。


というようなお話でした。


展開がクロスして飛び交うようなお話と演出でした。

一つの話が単線的に進んでいくと言うよりは、重層的で、

それぞれの登場人物の思惑が複雑に絡み合い、またそうなるように配置されていました。

そして、メッセージはとてもわかりやすいものでした。

「外の道」を観たときに思いましたが、

「外の道」アーカイブ配信 観ました。

イキウメさん、どんどん難解になってきています苦笑

イキウメにはまってしまったのは、「太陽」を見て、命の尊さを感じたからです。

どんどんと観念的にグレードアップしていくのも良いですが、

こうして、ブラッシュアップしながら再演してもらえるのもバランスが良いなと思います。

とにかく面白かったです。





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呉高専演劇部 令和三年度大会作品「段ボールの上でプリントを書くと穴が空く」観ました。

なかまくらです。

呉高専演劇部 令和三年度大会作品「段ボールの上でプリントを書くと穴が空く」観ました。



YouTubeで偶然、出会いまして、タイトルが面白そうだったので、見始めました。

https://www.youtube.com/watch?v=wSnjCjIZ2wk

そうしたら、なかなか面白かったので、記録を。


あらすじ

上島さんは、学校に行けなくなっていた。

進路に向かう同級生において行かれるような気がして。

学校にはお母さんの声真似をして、欠席連絡。

学校の時間に、行き場所もなくて、公園へ。

そこに、田所くんがいた。彼は段ボールの机で勉強をしているという。

ふたりは公園を学校に見立てて、ごっこ遊びみたいに勉強をする。

あるとき、上島さんは、田所くんが高卒認定試験を受けて大学へ行くことを知る。

自分だけがまたおいて行かれる・・・。

田所くんが学校へ行けなくなった理由を知った上島さんは・・・

「自分に何ができるかではなくて、自分がしたいことをできるようになろう」

上島さんは、田所くんの学校を手伝いたいと思うのだった。


というようなお話でした。


コメディでした。

二人芝居でしたが、エネルギッシュに舞台上を動き回って、

物足りなさとかは感じない、楽しい舞台でした。

田所くんがどんどんネタを振って、上島さんが突っ込んでいくスタイルで

振り回される上島さんが楽しそうで、だんだんと心が緩んでいく様子は、

観ていて心温まりました。

警察が出てきたりとか、親が出てきたりとか、

社会が壁になって出てこないところが、良かったです。

そういうありがちな展開になったら嫌だな、と思いながら観ていたので。

たぶん、こういう問題って大きな解決はできなくて、

そういうちょっとフワッとした居心地の良い場所が必要なんだろうな、と

思います。そこで、壁がどーーーんと現れたら、たぶんへにゃっとあっさり折れてしまう。

そういう感覚があって、それを大切にしているお芝居だった気がします。

面白かったです。

おわり。






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舞台「四月は君の嘘」観ました。

なかまくらです。

2.5次元舞台って、あんまり入り込めないことが多いのですが、これは面白かったです。

舞台「四月は君の嘘」観ました。配信です。



あらすじ

ヒューマンメトロノームとも揶揄された正確無比なピアノ演奏で、

数多くのコンクールで優勝してきた天才ピアニストの有馬公生(ありまこうせい)は

ピアノの先生であった母親の死をきっかけに、

ピアノの演奏をすると、ピアノの音が聞こえなくなるようになっていた。

幼なじみでソフトボール少女の椿やサッカー少年の渡と、ピアノのない生活を過ごしていた。

ある日、公生は同じ年のヴァイオリニスト宮園かをりと出会う。

かをりは公生の世界を再びカラフルに色付けてくれる。

かをりはヴァイオリンコンクールのピアノ伴奏に公生を指名する。

弾けない公生は、かをりとのセッションの中でピアノを弾く意味をもう一度見つける。

友人、ライバル、恩師が公生を待っていた。

公生は、一回り大きくなって、戻ってくる。

しかし、宮園はひとつ、嘘をついていた。その嘘が、公生を救った嘘だったとしても。

彼らの青春は思ったり思われたりして、大きくまわっていく。


というようなお話でした。

音楽を舞台にするって、難しい。

難しいというのは、どう表現するか、それが観る人に受け入れられるか、

というところで、入り込めるかが変わってくる。

この舞台では、演者と別に、演奏者がシンクロするように演奏する。

その演奏の表情が感情によって大きく変わる・・・。

演奏にも引き込まれて、モノローグが引き立てられる。

そんな素敵な相乗効果を生み出していました。

登場人物もみんな良い子達で、悪者を出さなくても、

こんなにも引き込まれる素敵な物語が生み出せるなんて!

そんなお話でした。

おわり。







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