1cm3惑星

なかまくらのものがたり開拓日誌(since 2011)

SPAC「イナバとナバホの白兎」観ました。

なかまくらです。

SPAC「イナバとナバホの白兎」観ました。



浜松福祉交流センターにSPACがやってくるというので、観に行くことにしました。

SPACというのは、静岡県の県営の劇団でして、舞台芸術の発展を目指している感じがする

意識高い感じのお芝居をやっている劇団です(個人的感想です)。


今回は、因幡の白兎のお話かな? と思いつつ、ほとんど前情報がないまま、

観に行ってきました。


第一部は因幡の白兎。因幡の白兎はこんなお話でした。

兎が川を渡ろうとして、鰐をだましたことで、毛をむしり取られてしまう。

苦しむ兎を助けてくれたのは、大穴牟遅(オオナムチ)だった。

オオナムチは様々な神々の試練を乗り越えていく。

樹に挟まれたり、灼熱の岩戸の中へ閉じ込められたりする。そのたびに、

動物や、愛する人に助けられて、切り抜けていく。やがて彼は、

オオクニヌシノミコトへとなるのだった。

というお話。


第二部は、アメリカに伝わるおとぎ話。

ある双子は、天涯孤独。父が太陽神であることを知った兄弟は、会いに行くことにする。

途中で、田畑と耕したり、川を渡るために自分を花粉に変えてアメンボに乗ったりして、

冒険が進んでいく。途中で兄弟の一人は、怪物を騙したことがバレて、殺されてしまう。

たどり着いた双子の片割れナバホは、太陽の試練を乗り越え、息子として認められるのだった。

というお話。


第三部では、この二つの物語はどこか似ていて、元は同じ物語だったのではないか、

というある研究に基づき、描かれたもう一つの物語。

そこでは、武器を得たナバホは、地上に戻り、その弓を戦いのためではなく、

弦をかき鳴らし、祭事に使うという終わり方を見せるのだった。


というお話でした。


独特の世界で、商売じゃない感じが、あるSPACの世界って感じでした。

エンターテイメントじゃなくて、芸術って感じ。

登場人物はしゃべらず、しゃべる人は別に控えている人たち。

音は後ろにドラムセットや、和太鼓、和楽器などが置かれていて、それを演奏する人たち。

第一部と第二部ではその役割が男性、女性で交代し、それ以外の人たちは、

アンサンブルとして、舞台を進行していくという感じでした。

うーーん、芸術! 鰐が背中に藁を背負った役者たちの匍匐前進で表現されていたり、

お面も特徴的で、双子の顔の大きいこと大きいこと。また、スサノオの顔も非常に迫力がありました。

演奏もお芝居にちゃんとあっていて、総合的に芸術が生み出されている感じが、

とても楽しい空間でした。

こういうのが作れるのって、素敵だなと思いますし、こういう出会いは時々あるものです。


今から、そうしようとは、今はあまり思いませんが、

学生時代とかに出会っていたら、スタッフとして、この芸術の生まれる瞬間に

立ち会っていたい、と思っていたのかもしれませんね。

このお芝居は、海外の美術館の記念事業として企画されたものだということなのですが、

記念事業で、お芝居が上演されるという文化は、日本にはないものだなあと思うと同時に、

そういうときに、上演されるお芝居というのは、普段私たちが楽しんでいるものでは、

きっとそぐわなくて、TPOでいうならば、こういうお芝居がふさわしいのだろうな、

と新たな視点を得ることができたお芝居でした。

おわり。






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「つづきのはなし」観ました。

なかまくらです。

浜松西高校さんの「つづきのはなし」を観ました。


あらすじ

ミステリー研究会のユミカとアイは、校舎の階段の踊り場にある大鏡に幽霊が映ると聞いて、

夜中の学校に忍び込む。そこから、人影が出てくる。

その人影の人物ケイスケは、なぜか、ユミカのことを知っていて・・・。

そして、ミステリー研究会のもう一人の部員、トウコはケイスケの従妹だった。


まるで平行世界から現れたようなケイスケは、1年間に起こった事実を語る。

地震が起こり、福島原発の事故が発生し、転校。その先で、放射能が感染すると、

いじめをうけ、それをかばったユミカは自殺に追い込まれ意識不明だという。


その事実を認められないトウコの言動が、この世界とありえないはずの現実の記憶を

つなぎ合わせる。

しっかりしていて、それは変わることが怖くて勇気を出せないトウコの気持ちが

吐露されたとき、ユミカとケイスケは元の現実に戻り、それぞれ諦めないで

生きていくことを誓う。そして、トウコは・・・。


現実に戻ったケイスケとトウコは、意識の戻らないユミカのお見舞いに行く。

空は良く晴れていた。


というようなお話でした。

辛いお話だなぁ、という感じ。今年の夏には南海トラフ地震臨時情報が発信されて、

多くの人が、活動を見合わせたりしました。そういったことも、このお芝居を選んだ

背景にあるのかな、と。

それぞれ、感情がよく伝わってくるお芝居でした。

間の取り方とか、感情のこもり具合が台詞によって変わっているように感じる場面や、

少し、登場人物同士の距離感が演劇的で近過ぎるのは、違和感もあって、

そのあたりはもっと上手になる余地があるかな、と思いました。


靴の裏にゴムみたいなのを貼っていて、足音が気にならないようにしてあったのは、

細やかな気遣いで素敵でした。

ケイスケ君の制服のポケットのふたが片方だけ出ていたのは、ちょっと気になりましたが、

彼はイケメンでした。

最後のMEは、大きすぎず、心地よい希望を持たせてくれるいい感じでした。

暗転も短くて気持ちが途切れずに最後まで見られてよかったです。






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「紙」観ました。

なかまくらです。

MUNA-POCKET COFFEEHOUSEさんの第26回公演「紙」を観てきました。

抽象的なお芝居だったので、あらすじというほど、粗くでも、掴むのは難しいのですが、

うーーん、文明の発展と現在の世界情勢、みたいなお話でした。

最初にマッチングアプリで出会った2人の言い合いから始まります。

2人は、意見が合わない様子。別れ話みたいな感じ。

なんと10分くらい、別れ話をしている笑


そのあと、人がドバドバーっと増えて、みんな個性的。

彼らは会社を作って、偉くなったり、いろいろする。

後から思うと、ここのところは、文明の発展を描いているのかな、と思えて、

面白いのですが、この時点だと意味不明。それぞれの顔見せみたいな感じ。

ところが、ここで、既に30分くらいが経過しています。

ちょっと苦しい展開が続きます。最初の2人はどこへ行った・・・?


そして、選挙活動が始まります。政党を作り、選挙演説をする2つのグループ。

けれども、最終的にそれに打ち勝ったグループとは別の集団が結局は現れる。

このあたりも、あとから思うと、中東の人たちを何も考えていない西側諸国の

勝手な争いで面白いのですが、この時点では意味不明で、コミカルに描かれるけど、

ちょっと苦しい感じでした。最初の2人は、別の勢力に飲み込まれていきます。


そして、一方の勢力が勝ち、世界に布教を始めます。

この辺から、ようやく、何が言いたいのか分かってきて、だんだん展開が読めてきます。

シルクロードに見立てた、ロール紙が舞台を覆いつくして、そこに、中東の宗教が

生まれます。それに集まる人々を、協調性がないとして、隔離して、閉じ込める。

彼らは、見えないものを信じる、白紙の紙のような純粋さで、

それと同時に、西側諸国の契約社会と一線を画する、世界観で生きていて、

それと相いれない西側諸国が武力攻撃に打って出ます。ところが、この航空機は、

観客に配られた紙なのです。そこでようやく再会を果たす最初の2人。

2人は2つの勢力に分断されていて、その中で翻弄されていたのです。

2人は逃げようとしますが、私たち観客が投げつける航空機による爆撃が、

それを阻みます。これはかなり、いたたまれない展開でした。

そして、人間がどうにかすることのできない、雄大な自然を見に行こう、という、

誘い文句で、2人は逃亡します。3割の生存確率を必死に手繰り寄せようとしますが、

希望は片方だけ、少しだけ残されて終わります。


ラストシーン直前のシーンでは、中東出身の設定の女の子のほうが、

もうずっと泣きそうな感じで走っていて、

こっちにもその感情が伝わってきて、迫真の演技でした。



全体の感想としては、前半でもうちょっと視点をもつ人物を決めてもらって、

誰かの体験として、劇に伴走していくことができれば、苦しくなかったのにな、

という思いと、4幕目の色々なこれまでのことがすべてつながってくるシーンの、

その視界の開ける体験の圧倒される感じが、ありまして、

うーーーん! 面白かった!!!

とは言いづらいけれど、もう一度見たら、面白いだろうなー!

というお芝居でした。おわり!





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大道具:階段の作り方

なかまくらです。



部活動の関係でホールに行くことがありまして、

その準備の際に、ひっくり返っている階段を見つけたので、思わずパシャリ。

なるほど、こうやって階段は作ればいいのね。

とお勉強になったというお話。





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「人魂を届けに」観ました

なかまくらです。

イキウメ「人魂を届けに」観ました。



ずっと追いかけている劇団イキウメさんの新作です。

東京まで行きたかったのですが、今回も配信で観ました。

まだコロナは怖い。


あらすじ

絞首刑になった受刑者が確実に死ぬかを見届ける仕事をしている男は、

あるとき、受刑者の足元に何か黒いぶよぶよとしたものが落ちたのを見た。

男は、それが魂なのではないかという妄想に取りつかれる。

そして、それを、森の奥で現代とかけ離れた生活をしている受刑者の母のもとに

届けに行く。

そこでは、現代社会で傷つき、逃げてきたもの、死のうとしていたもの等が、

寄り添うように暮らしている家があった。

公安の男は、その家から街へと戻っていったものが犯罪者となることの多さから、

テロリストの養成機関があるのではないかと踏んでやってくるが、

その場所から社会への帰り道が分からずにいた。

男もまた、届けに来たと思っていたが、導かれるように、この場所へやってきていたのだった。

息子を傷つけ、妻を傷つけ、男は魂がないように感じるときがある、と元妻に言われたことを

ひどく気にしていた。魂を込めたものを売ったり買ったりできるのか・・・。


というようなお話。

脚本・演出はいつもの前川さん。

この人はどうしてこんなに人の心を揺さぶるお話がかけるんだろう、と

いつも感心します。

息子を亡くした妻の心境をつづった日記を、

妻は嫌だといったが、賞に応募してしまった男。入選した作品の副賞として送られてきた

3万円。それは、魂を3万円で売ったことに他ならないのだ。

震えるほどに、生々しい。魂なんていうあるかどうかも分からないものが、

急に実体に閉じ込められてしまって、生々しいものに思えてくる。

お話としては、壮大ではなくて、こじんまりとした印象のある本作品でしたが、

センスオブワンダーを十分に味わうことのできた、素敵な物語でした。

おわり。





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