1cm3惑星

なかまくらのものがたり開拓日誌(since 2011)

はままつ演劇フェスティバル2023観てきました。

なかまくらです。

はままつ演劇フェスティバル2023観てきました。


浜松西高校「Mr.My Friend No.9」
あらすじ:行き倒れていたのは、ロボットだった。精巧に作られたロボットは人のように感情もあった。パストという名のロボットは、拾ってくれた人物に自分が、最終戦争をシェルターの中で生き延びていた先生によって暇つぶしに作られたのだと、先生と過ごした日々を語る。
感想:役者さんは、それぞれ得意なところが違いつつも、3人ともよく練習されていて、安定して見られました。先生は歩くときに右足と左足でつき方が違うのが少し気になりました。パストはときどき活舌がイマイチになるところが詰められていない感じでした。拾った男(名前忘れた)は、演技が大仰で、会話がドッヂボール気味・・・その理由は後半で明かされたのですが、もう少し、会話をテンポよくしてもいいのかも。全体としては、BGMがシーンの裏でずっと流れているのはちょっとしんどいなぁ、というのと、先生が死ぬシーンは、上手に死んだなぁと思いつつも、死ぬシーンのあるお芝居は、リアリティを出すのが難しいので選ぶときに気を付けた方がいいと思います。死ぬ寸前までそんなに腹から声でないよ・・・とか思ってしまうので。とはいえ、全体としては、良い出来でした。

浜松湖東高校「Araneaeーアラーネアー」
あらすじ:廃校になる予定の村の小さな高校。最後の4人の生徒たちは、それぞれの進路を考える時が来ていた。村長の後を継ぐために、公務員になろうとしている優等生。おふざけキャラは女優のオーディションに申し込んでみる。男の子の将来の夢はカブトムシ。そして、祖母と母を支える彼女にも夢があったのだが・・・。彼女の告白から、4人は、互いのことを少し詳しく知っていく。
感想:5人芝居なのですが、主に登場する生徒4人の立ち位置の離合集散がとてもよく考えられていて、それぞれの感情が立ち位置を使って表現されているような、そんな自然さがあって、展開が自然と受け入れられる役割を果たしていました。活舌とか、会話のテンポとかは、これから頑張って練習していくといいな、と思いました。こういうお芝居だったら、普通に会話しているよりも少し早く会話を展開していった方が、演劇的には楽しく見ていられるかなと思います。高校生の真っすぐな思いが伝わってくるお芝居で、良かったです。

浜北西高校「天魔のヒト仕事」
あらすじ:天魔は、神様に遣わされて、一人の少年の元に現れる。少年は、高校に入学したばかりだった。彼には友達はおらず、成績は良いほう。天魔は、彼の悩みを探り、解決しようとする。少年(アキラ)は、ため息交じりにこの失礼な居候に対応するが、なんだかんだいろいろなことにチャレンジして、友人もできたりする。けれども、彼は学校で大きな問題を抱えていたのだ。
感想:重いテーマによくチャレンジしたなぁという感じでした。練習してたら辛くなりそうなお芝居でした。とにかく序盤の入り方がとても良かったです。アキラが天魔との応対でため息を一つついて、次の言葉を返すところとか、すごくリアリティがありました。ただ、60分見ているとちょっとしんどくなってしまうので、だんだんテンポが上がっていったり、もう少し暗転をなんとかするとかすると、見やすくなるかなと思いました。

磐田南高校「Excellent!!ケミストリー」
あらすじ:エドは、1980年代からタイムマシーンで現代に呼び出されてしまった。呼び出したのは、化学の先生であるチアキ先生。目撃したのは、化学の質問に来ていた生徒のリンとミク。リンは何も変わらない日常に飽き飽きしていて、ミクはそんなリンを心配していた。80年代から来たエドは、自分が青春時代を過ごしている80年代のロックな感じとの違いに驚く。チアキ先生のタイムマシーンでエドが呼ばれたのは偶然じゃなかった。チアキ先生にも青春時代があり、その頃と変わったこと、変わらなかったことがあり、悩んでいたのだ。そのときに互いに気になっていた男の子がいて、その男の子はしかし、アメリカに行ってしまったのだ。未来は変えることができない。けれども・・・。
感想:これは、なんというか、とても楽しい作品でした。生徒創作脚本で、これが高校生で書けるなんて、すごいなぁと感心するばかりです。今年度の高文祭でも上演されていたと思うのですが(その時は観てない)、これ、地区大会突破していないみたいなのですが、県大会で多くの人に観てほしかった良い作品でした。なんとなく、「時をかける少女」だったり(理科室だし、チアキ先生だし)、キャラメルボックスの「クロノス」シリーズぽかったり、意識してたのかなと思うところもありつつ、80年代を見てきたようによく語り、それを現代の高校生の悩みやその解決につないで、よくまとめられていました。それぞれの役者さんも良く練習されていて安心して、物語の世界を楽しめました。ただ、惜しくらむは物語の力が強いために、もっと役者さんが上手でないと、物語の進行に合わせて台詞をしゃべっているだけになりがちなのかなと思いました。ラストシーンは、もう少し盛り上がっても良かったかなと思いました。高校生組がはけるところあたりで音楽が流れ始めて、ラストシーンの2人は舞台中央でやってほしかったなあなんて、思ったりしました。ともかく、大トリにふさわしい作品で、大変楽しめました。


全体を振り返って

全体的に、どの団体さんも、暗転が大変多い印象なので、
そのあたりもう少し上手に処理出来たらいいのかなと思うのでした。おわり。





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