なかまくらです。
ついに、「発問」が来てしまいました。「発問」って、なんだか嫌いな言葉だったのですが、ようやく(?)ここに、私なりにたどり着いたのかもしれません。
さて。
今年度ももうすぐ終わろうとしています。
今年度は、物理を教える機会が多くて楽しかったです。
今年度の私の仕事での取り組み(目標)は2つありました。
1つ目は、ジグソー法に少し近いもので、対話をしながら結論を探るというもの。
物理なので、答えは決まっている。けれどもジグソー的に、それぞれが問題を解いてきて、
その要素を組み合わせて結論を得ようというパズルのようなものです。
1年かけて、2つだけテーマを見つけることしかできず、まだまだ発展途上という感じでした。
2つ目は、問題演習をする中で、「分かる」を育てる授業ができないか、という取り組みでした。
私は、その内容が理解できるというのは、「分かる」と「解ける」の両方が満たされている状態だと思っています。そのため、「分かっている」だけだと問題が解けないし、「解ける」だけだと実は分かっていないけどなんか問題は解ける・・・という状態になってしまいます。
ならば、問題を解く中で、「分かっている」かどうかを問う問題を作れれば良いじゃない。
そんなわけで、それって発問というやつでは・・・? ということになったのです。
授業自体は非常にゆっくりと進行しまして、1時間に1~2問しか解けませんでしたが、
継続は力なり。1年間で50問ほど、取り組めました。
発問・・・というよりも、ただのツッコミかもしれません。
例えば、2物体の単振動の問題です。単振動って、高校生が躓くポイントNo1だと思います。
だけど、問題はわりと解けるようになります。しかし、いつまでもふわふわしている。
だから、例えば、
「物体Bと物体Aの間の垂直抗力は単振動の間に変化し続けているけれど、物体Bは本当に単振動しているのか?」
といったことを聞いてみると、あれっ? となったりするものです。
また、もっと単純に、
「2物体A,Bの間の垂直抗力が負になるとAはBから離れると言うけれど、それは何故?」
と聞くだけでも、理由が分からなかったりするのです。
数学的には確かに離れるから・・・というところから抜け出せない。
Bはつり合いの位置を越えると、今度はバネの弾性力によって減衰する力を受けるのです。
そんなわけで、1年間取り組んだところ、
「学ぶ中で、1問1問の解き方、取り組み方が変わった。問題を深く考えるようになり、他の授業でも、それが生かされるようになった」
と生徒から嬉しいコメントをいただきました。
アクティブラーニングにはまだまだいろいろあるな、と新しい可能性を感じたのでした。
過去の研究記事はこちらです。