なかまくらです。
2022年から、授業が変わります。
今から、10年ほど前。私が大学生として受けた教師になるための授業を受けていたころ、
アクティブラーニングという言葉は聞いたことがなかったのですが・・・。
教員になって3年くらいすると、
盛んにアクティブラーニングという言葉を聞くようになりました。
これからの時代は、アクティブラーニングで学ばなければならない。
講義中心の授業ではいかんのだ、と。
そこで、本を買ったり、セミナーに参加したりしながら、学び、
ようやくそれらしいものを得られたのが、2年前。
ところが、2022年から授業が変わります。
およそ10年に一回、学習指導要領という、教授内容の改定があるのですが、
次回の学習指導要領には、アクティブラーニングという言葉はないのです。
もはや馬鹿にしているレベルですね(笑
「ちょっと、これは違ったわ(笑)」みたいな。
何かを学ぶとはもっと普遍的なことなのではないのでしょうか?
そんな10年くらいのうちに、教え方が変わってしまうって、
また、1から授業研究をするわけで・・・大変ですわー・・・。
と、文句を言いつつ、準備に取り掛かる3学期でした。
年間70回の授業で、探究活動を年に7回取り入れながら、
知識を今まで通りに入れていく、という無茶ぶりなのですが、
私の3学期の試みは、
小林先生に教えていただいた、AL型授業の教えを活かすことでした。
小林先生は、全部がアクティブラーニングでなくてもいい。
「ちょっとだけ話し合いしたよ」というだけでも、AL”型”授業といっていいよね、
と言われていて、
じゃあ、探究活動は難しいから、探究”型”授業を考えてみよう、と。
物理基礎の授業で、実際の現象を計算で明らかにしてみよう、という目標と、
"Ungoogled Knowledge”(検索しても出てこない知識)の獲得を目標としました。
計算のない、定性的な関係だけの理科は、中学校までにしたいのです。
定性的なものを理解し、その先へ進むことこそが、高等教育における理科でしょう。
さて。授業の初めには
「今から与える知識は間違いなく正しいが、そのあとに取り扱う現象についての計算は、あくまで私が考えたおおざっぱなものだ。計算の精度を上げるにはもっといろいろなことを考えなければならず、私はあくまで君たちを探究の入り口に連れていくことしかしないのだよ」
と伝えます。
さて。私の実践した授業は次の通り(詳しい内容は必要でしたら聞いてください)
第35回 フェーン現象はなぜ起こるか(熱容量)
第36回 フェーン現象2(凝縮熱)
第37回 まとめと演習
第38回 サウナでなぜ火傷をしないのか(熱容量保存則)
第39回 まとめと演習
第40回 なぜお手玉は弾まないのか(熱と仕事の関係)
第41回 エンジン内で自然発火するのはなぜ(熱力学第一法則)
(幻の第42回:エンジン2(熱効率))
第42回 地震とは何が伝わっているのか(波の3要素、v=fλ)
第43回 地震2(P波とS波)(縦波と横波)
第44回 ノイズキャンセリングでなぜ雑音は消えるのか(合成波)
ちょうど10回やりましたが、だいたい1時間の授業を作るのに、
8時間くらいかかっています。
どの授業もなかなかの難産でした。だんだんコツはつかめた気はしますが。
はてさて。
年間70時間あるとして、あと60時間分を作るわけで、
あと480時間あれば、一回通りできますね(笑
まだまだこれからです。
過去の研究。
先を行く人2:探究とPBLの話