1cm3惑星

なかまくらのものがたり開拓日誌(since 2011)

「オッペンハイマー」観ました。

なかまくらです。

そういえば、「オッペンハイマー」を見たのでした。



クリストファーノーラン監督の最新作です。

原爆の父として知られるオッペンハイマーの生涯を描いたこの映画は、

日本での上映がされるかどうか、検討されたのでしょう。アメリカでの公開から

しばらくしての公開となった映画でした。


さて。あらすじ。

オッペンハイマーは、ヨーロッパのいくつかの大学で、物理学を学んだ。

そこでは、ボーアや、ハイゼンベルグといった天才たちと出会う。

そして、祖国アメリカに戻ってきたオッペンハイマーは、量子力学で遅れていた

アメリカに量子力学の研究室を作る。

初めは学生が集まらなかったが、次第に集まるようになってくる。

それと同時に、オッペンハイマーは、労働者の自由や公平さについて、関心を持っていた。

しかし、それは共産主義的な思想であり、政府に睨まれることになる。

ところが、天才的な物理学者であるオッペンハイマーは、

マンハッタン計画・・・すなわち核分裂爆弾をドイツよりも早く作る計画の

トップに任命されることになる。外部との接触を厳しく制限され、

スパイと疑われた仲間は排除された。

共産党員の元恋人との関係を断ったために、彼女は自殺した。

妻との間には子供が生まれていた。

そんな中で、オッペンハイマーはついに原子爆弾を作り出すことに成功する。

そして、長崎と広島にそれは投下される。

そのとき、オッペンハイマーは人に戻ってしまう。

彼は太陽から火を盗んできたプロメテウスのような存在であったのに、

その火は、人を大勢焼き殺したのだ。罪悪感にさいなまれるオッペンハイマーはしかし、

そのとき、国の英雄であった。

原子力委員会の長に任命されていた。ソ連も遠からず、核爆弾をもつだろう。

ならば、アメリカは今度は水素核融合原子爆弾を開発しなければならない・・・。

オッペンハイマーは、憂慮していた。今度は互いの武器庫にその強力な武器が並ぶのだ。

そして、人はどんなに恐ろしい兵器でも使うのだということに。

しかし、オッペンハイマーは陥れられ、追放されようとしていた。

彼はかつて共産党員とつながりを持とうとしていた。

元恋人は共産党員であり、大学の教授時代の親友であった男も共産党員で今は亡命している。

そして、彼の弟もかつて共産党員であった。彼がソ連に情報を流していたのではないか。

疑念が渦巻く中、彼は結局追放されてしまう。

・・・しかし、そこにはストローズという政治家の暗躍があった。

彼は、確かに追放されてしまったが、ストローズが閣僚となることは阻止されたのだった。

彼の名誉は、後年、回復されることになるのだが、

それは彼のためではなく、彼の周りのための会なのだ。


というお話でした。

第一印象は、

序盤:量子力学で有名な物理学者が次々と出てきてワクワクした!

序盤2:恋多き天才物理学者のイケイケな生活を見ている!どうしたらいいか分からない笑

中盤:原子爆弾を作ろうとするうえで起こる政治的な問題に巻き込まれていく・・・。物理学を駆使したサクセスストーリーではなくなってきたなぁ。

中盤2:原子爆弾が爆発した! やり遂げたんだ・・・すごい!

中盤3:あ・・・これで終わりじゃない!? まだあと1時間あるのぉ!? 忘れてたけど、これ、クリストファーノーラン監督だったっけ。

終盤:罪悪感にさいなまれるオッペンハイマー。見てて苦しい。いや、とんでもないもの作っちゃったけどさ。

終盤2:共産党とのつながりを疑われて、どんどん追い詰められていく主人公・・・苦しい。

終盤3:まさかの反撃! ちょっとだけ救われた気分・・・。


という感じでした。

物理学、政治、恋、友情、家族・・・いろいろな要素が複雑に絡み合って、ひとつの物語を

なしていました。原子爆弾は計算上は、地球の大気に引火して、一度火が付いたら、

地球の大気がすべて燃え上がる可能性もあったかもしれないそうです。

そんな恐ろしい火を人類は使ってしまった。

そういう、恐ろしさと、祖国アメリカのために3年という歳月を費やした科学者たちの栄光とを

が、入り混じって、主義主張が曖昧な、けれどもそれぞれのインパクトが強く、

すべてが同時に迫ってくるような、そんな大量の情報に包まれたようなすごい映画でした。

おわり。





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