1cm3惑星

なかまくらのものがたり開拓日誌(since 2011)

健康を損ね気味

なかまくらです。

残業三昧の4,5月でした。

2か月の合計で380時間の残業を乗り越えたかに見えた、5月末の健康診断でしたが、

残念ながら、再検査に。

ヘモグロビンAc1の数値が高いとのこと。

血糖値が上がりやすくなるらしいので、注意が必要ですね。

ストレス、遅い時間の食事、運動不足、睡眠不足などが関係しているようです。


とりあえず、捻挫が治らないので、なかなか運動はできませんが、

しばらく夕食は、野菜炒め中心で行こうかと思います。





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【小説】あの日のこと

なかまくらです。

今朝見た夢を脚色しました。


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あの日のこと


20230430


作・なかまくら


 


 


時計修理技能士という職業に就きたい、と聞いたときに思い出したことがあった。


 


学校教育の総花的な取り組みに忙殺され、雑多に記憶された音の一部として埋もれていた。その言葉が、進路相談に来た生徒の一言で不意に蘇ったのだ。


「先生?」 怪訝な顔をして、こちらを見つめている顔があった。


「え? あ、ああ・・・。うん」


素直で、真面目な子だった。心から応援してあげたくなるし、幸せを祝福してあげたい子だった。きっと将来は素敵な美人さんになるだろう。


「それで、相談というのは・・・」


「親からは反対されているんです。そんな職業についてちゃんと食べていけるのか、普通の・・・もっとお金が稼げる大企業に就職できる進路を選びなさいって」


「ご両親とは意見が一致していないんだね」


「はい。私の幸せを思って、言ってくれているのは伝わってくるんですけど」


「でも、なりたいんだ」


「はい」 真っ直ぐな瞳が自分の未来を見つめていた。


 



 


「どうしたもんかな」 キーボードを打鍵して、ディスプレイに検索結果が列挙されていく。


時計修理技能士の収入は、大手メーカーに就職できれば良いが、下請け業者になると自立した生活が難しくなることもあるようだ。いろいろなしがらみがあって、大変そうな仕事ではある。ご両親も同じようなことを調べたのだろう。反対するのも頷ける。まだまだ人格的に完成されていない多感な時期に、将来を大きく絞り込むような選択をさせるのは、身近な大人としては同意しかねる。机の上の置時計に目をやる。盤面の裏に思いを馳せる。歯車やそれを繋ぐ部品が複雑に配置され、発条(ぜんまい)がくるくると回って、几帳面に時を刻んでいく。


 


「どうしたもんかな・・・」


 



 


時計修理技能士、と聞いたときに思い出したのは、オフ会で対面した人のことだった。あの人が確か、そんな職業についている、と言っていた。手品の得意な人で、時計を使った手品を見せてくれたのを覚えている。時間を消し飛ばす理屈が分からない手品だった。互いに社会人になってしまい、音沙汰がなくなって久しい。けれども、ダメで元々、と思い、メッセージを送ってみることにした。


 


思いのほか、簡単に連絡は取れて、トントン拍子のうちに、生徒と3人で会って話ができることになった。待ち合わせの駅の時計台の下で待っていると、声を掛けられる。


「唐揚げ専門店さん?」 自分のペンネームだった。


「えっと・・・カンパンさん」 そう確認すると、


「はい」 屈託なく、にっこりと笑う女性がいた。


 


生徒との待ち合わせ場所にしてある喫茶店までの道すがら、考え事が止まなかった。


「女の人だったかな・・・」 ひとり、口の中で唱えてみる。


何しろ、10年以上昔の話だったから、インターネット上でのやり取りは覚えているけれど、たった一度、オフ会で会ったことはそんなに明確には覚えていなかった。でも、こんなに綺麗な人だったら、覚えていそうなものだが。今日は東京から来てくれたというカンパンさんは、話した感じもチャットで昔よく語り合ったカンパンさんではあると思う。


 


そんなことを考えているうちに喫茶店についてしまう。そこからは互いに挨拶をして、仕事のこととか、業界のこととか、いろいろと話してくれた。ぼくと知り合ったきっかけである趣味のこととかは少し困ったし、例によって時計の手品も見せてくれたときはアッと驚いて、あっという間に時間は過ぎた。生徒とは喫茶店でそのまま別れて、カンパンさんを駅まで送った。駅の改札の前で、別れの挨拶になる。


「今日はありがとうございました。きっとあの子にとってかけがえのない経験になったと思います」


「少しでもあの子のお力になれていれば嬉しいです」


「きっとなってますよ。お仕事の魅力、伝わってきましたよ」


「唐揚げ専門店さんは、今でも先生、頑張ってるんですね」


「カンパンさんも、時計修理技能士、大変そうなお仕事ですけどお互い頑張りましょう」


「今日は久しぶりにお会いできてよかったです」 カンパンさんの真っ直ぐな瞳が自分を見つめていた。


「・・・また、サークルに顔、出してくださいよ」 誤魔化すように、そう言ってしまう。


「あー、最近仕事が忙しくて、すっかり書いてないですからね。ちょっと考えてみますね」


「それじゃあ、また」


「また、ですね」


 


そう言って、彼女は行ってしまった。


どうしても聞けなかった。あのとき、喫茶店のトイレで、スマートフォンに眠っていたあの日の写真を探し当てていた。オフ会に参加したみんなで撮った集合写真。その中に彼女らしき人はいなかった。カンパンさんはおぼろげに覚えていた同じ年くらいの男性だった。何しろ10年以上前の話だから、なんと聞けば良かったかも分からなかったのだ。「性転換したんですか?」とでも聞けば良かったのだろうか。それとも・・・。


あるいは、彼女もそうだったのかもしれない。







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今年度もよく働きました!

なかまくらです。

今年度もよく働きました!

今年度は転勤したこともあり、ほとんどすべてが新しい仕事に変わりました。

授業も受け持つレベルが激変したために、今までの貯金でやるのには厳しくて、

いろいろ作り直したりしていて、

今まで進路担当だったのですが、生徒指導(主に生徒会)担当になりましたし、

学校会計のやり方も全然違うし、

部活動もルーティーン化してきていて、大変ながらも、

自分でコントロールできていたものが、また、一からやり直し。

何をやるかという方針を決めていくための試行錯誤の一年でした。

そんなわけで、今年度の月別労働時間を見ると、



5月が本当に闇深い月でした。転勤してきていきなりの文化祭の担当となり、

教員人生で初めて190時間の残業を経験しましたが、

8月くらいまで、なんとなくずっとダメージが残っている感じで、

我ながらすごい働きでした。来年度も文化祭担当はやることになったので、

現在、コツコツと準備を進めているところです。目指せ、120時間残業。


さて。さぞかし、残業時間も昨年度よりも増えただろう・・・とみてみると、



年間の残業時間は昨年度よりも170時間ほど増えていました。

月間にすると10時間ずつ増えた感じですね。

それにしても、コロナで2か月休校になった2020年はちゃんと少ないですし、

2018年度をピークに2019、2021年度と次第に減少する傾向にあった

残業時間の合計の値が、また2018年の値に戻ってしまったことは、

由々しき事態ですね。あのころよりも体力は明らかに落ちているなあ、と思いますので、

ここからまた、減少する方向にもっていきたいところです。

来年度も頑張ります。





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家計簿の推移

なかまくらです。

楽天のサービスを利用して、家計簿をつけているのですが、

今年度は、ダウンロードして分析するのを忘れていました。

2022年の支出は・・・というわけで、調べてみると、いつもと同じでした。



かわり映えしない生活なのでしょう笑

引っ越して、家賃が若干安くなったのですが、その分、食費は少し上がった気がします。

そのため、合計でみると変わらない、という結果に。

私くらいの年収の一人暮らしの平均支出が月20万円(家賃込)であるそうなので、

年間で20×12=240万円。

それに比べると、ややぜいたくな暮らしをしているということみたいです。

まあ、節約しても幸せになれるわけではないので、あくまで目安なんですが。

今年度もぼちぼちやっていきます。おわり。





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【小説】ステゴサウルス・バイバイ

少し前に書いたものですが、そういえば、発表していなかったので。

どうぞ。

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ステゴサウルス・バイバイ

                      作・なかまくら



――ステゴとは、屋根に覆われたを意味する言葉である。
「暮らすところから、自分で何とかしろっていうんだから、お役人さんも無責任な話さ」
腹掛けを外して、股引の濡れた裾を絞ると、独り言ちながら小屋の柱を杭で打っていく。川から少し離れた土手の中腹にいつものように捨丸はしばらくの住まいを拵える。羽織った半被には、「橋」の文字。勢いのある若い青年は、お役目で来ていた。
そこをふと通りかかる娘があり、捨丸は思わず手を止める。それに気づいた娘の足が止まったのを見て、捨丸は手を振ってみる。娘はパッと駆け出して、夕暮れが落ちる村のほうへと駆けて行ってしまった。
「捨丸さん、ごきげんよう。お弁当を作ってきましたの」
 娘は、とき子と名乗った。川の渡し守の子で、歳は捨丸よりも少し下だった。渡し守の子だと聞いて、捨丸は心底残念な思いをした。美人で器量もよい。けれども、渡し守の子なのだ。
「とき子さん、親父さんはこのことを知ってるかい?」
「どうして?」
「あまりいい顔をしないだろうに」
「どうして?」 そう聞くとき子は、いつも綺麗な小袖に包まれている。大切に育てられてきたのだろう。
「そうだな。……おれはお役目で、この川に橋を架けようとしている」
「ええ」
「あんたの親父さんは、渡し守なんだろう? 橋が架かったら、仕事がなくなるじゃないか」
「まあ、それは大変」
「そうなんだ、だから、とき子さん。あんたはおれとは親しくしてはいけないよ」
とき子は、しばらく考えた後に、
「どうして?」 と繰り返した。
「私が人を好いたりするのに、どうして周りのいろいろな人のことを考えないといけないの?」 その目がとても真っすぐで、捨丸は困りながらも照れて目をそらす。
「いや……どうしてって、世の中ってのはそうやって回ってるからで……」
「捨丸も、その世の中っていうのと一緒に回っているの?」
捨丸は、少し驚いた。捨丸が橋職人になったのは、彗星が空を流れて、渇水が国を襲ったからだ。幼い頃に天涯孤独となり、橋の下に寝床を求めた。作りかけだったその橋が完成したとき、お世話になっていた職人さんたちが、次の橋を作りに行くことを聞き、そこで「一緒に連れてってほしい」と言えたから、今の捨丸がある。あのとき、確かに、捨丸は世の中と一緒に回っていなかった。蜥蜴が尻尾を切るように、脱兎のごとく逃げ出すように、捨丸は置いて行かれたのだ。
「……馬鹿を言っちゃいけない。三月もすればおれはここからいなくなる。とき子さんのそれは、一時の甘い恋の夢さ。世の中と一緒に回っていられるなら、気付かないふりをしていたほうが賢いことだってある」
それから二月が経とうとしていた。橋の基礎は組みあがり、柱も立てた。渡し守からの嫌がらせもあったが、役人がお侍を連れて調査に来ているのを見ると、次第に止んだ。今日の水面はいつもよりなお静かで、作業は順調に進んでいた。水に浸かり、川の丁度中間地点で作業をしていた捨丸に頭上から声が掛けられる。見上げれば、目元に見覚えのある顔立ちをした渡し守が手を伸ばしていた。
箱からは徳利と御猪口が出てきたから捨丸は驚く。その様子に、渡し守は少しほほえましく笑って見せた。
「君かね……とき子を振った職人というのは」
そう切り出されて、口からお酒の霧雨が噴出する。
「えっ、あっ、いや、お父さん」
「お父さん、ときたもんだ!」
「あっ! すいませ……えっ!?」 しどろもどろになる捨丸に渡し守は徳利をすすめる。それから、自分の御猪口にも注ぐと一気に飲み干した。
「あんなにいい子を……勿体ない!」
「そうですね、自分なんかには勿体ない娘さんです」
「じゃあ……」
「でも、おれは、その娘さんを不幸にしてしまう。橋屋だから……橋を架けたら、親父さんの仕事はなくなるから」
「では、渡し守になるというのは?」
「……渡し守は……好きになれません」 捨丸はボソリとそう言った。
「どうして?」 渡し守は穏やかにそう聞いた。
「川に橋を架けないのは、戦で使われないためです。だけど、それじゃあ戦がなくなって橋が架かれば、渡し守は商売あがったりだ。だから、渡し守になったら……天下泰平の世の中を心の底から喜べないと思うんです」 戦がなければ、飢饉だって、乗り越えられたはずだった。だがしかし、捨丸は一人ぼっちになったのだ。
「とき子のことは嫌いかい?」
「いえ……そんなことはありません」
「……とき子はもう19になる。親の元から離れていく時が来たのだよ。少し前まで、あんなに小さかったのに。親離れしていく子どもは、だんだん遠くまで行くんだよ。振り返り、振り返り、しながらさ。ただ、親はにっこりと笑って、手を振っていれば、遠くへ、遠くへと進んで行けるんだ。どこまで行けるんだろうね。信じるってすごい力だと思うよ」
「おれにも、そうやって信じてくれる人が……」
「居たんじゃないかね? 君を立派な職人に育ててくれた人が」
あの時、「一緒に連れてってほしい」と言えたから、今の捨丸がある。笑って頷いてくれた職人さんたちを思い出す。
「私は、君を信じようと思う。君の言う通り、太平の世が来るだろう。渡し守より、橋屋のほうが儲かる時代が。世の中は同じところをぐるぐる回っているわけではないのだろうね。少しずつ良くなるほうに回ることもあれば、悪いほうに回りだすこともある。大抵のことは選べないのだが、選べることは選ばないとね」
「はい……」
「さて」
渡し守の親父さんはすっくと立ちあがると、船を急いで岸に向かって漕ぎつける。
「先刻から、水が白いのに気付いているかい?」 船着き場に着くと急かすように桟橋へと捨丸を押し上げる。
「え?」 確かに白い筋がいくつも川底から湧き出していた。
「この一帯は、時折、川底から熱水が噴出するんだ。それゆえ、橋が架かっていないのだよ」
その瞬間、恐ろしい一撃が、さっきまで捨丸がいた辺りの川の水を押し上げ、橋の土台を吹き飛ばした。
「あの…ありがとうございます」
呆気にとられている捨丸に渡し守の親父さんは笑いかけてくる。
「選べることは選ばないとね」
それから捨丸は、とき子さんの待つ家を訪ねた。





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