なかまくらです。
スタジオジブリ、宮崎駿監督「君たちはどう生きるか」を観てきました。
うーーーん。初めに断っておきますと、1回見ただけでは評価しにくいなぁ、という
難解な作品でした。
いえ、簡単なお話なんですよ。
端的に言うならば、
戦時下の日本で、母親を失った少年のもとに、母親そっくりの継母が現れるが、
継母と上手くいかない少年の自己理解が進んで、逃げずに生きていこうと決めるお話でした。
それだけ聞くと、えーー、それは面白くなさそうだなぁ。見に行かないでいいかなぁ、と
なりそうな本作品。CMやっていたら見に行かなかった気がします。
結論としては、(たぶん)観てよかった(と思う)。
という感じです。
(うまく説明できていない)あらすじ。
眞人は、戦時下の日本に暮らしていた。
あるとき、病院が燃えて、母親を失った。
東京から疎開した眞人少年の前にあらわれたのは、父の再婚相手で、母親の妹だった。
そっくりな継母に心を開けない眞人少年。
懸命に心を傾けてくれる継母の夏子。
眞人は学校へ行くも、馴染めず喧嘩をしてしまう。
その帰り道で、石を頭に自ら打ち付けて大きな傷を作る。
家族を心配させ、構ってもらうために? それとも、喧嘩の相手を陥れるために?
母親を忘れられない眞人少年の前に、奇妙なアオサギが現れる。
少年を待っていたというアオサギは、眞人少年をどこかへ連れ去ろうとする。
このアオサギと対決するために、眞人少年は動き出す。
ナイフを研ぎ、弓矢を作る。矢羽根はアオサギの落としていった羽根を使った。
夏子は身籠っていた。それにもかかわらず、行方不明になってしまう。
森に向かって歩いていくその姿を目撃していた眞人少年は、
大叔父が行方不明になったという離れの洋館へとたどり着く。
そこでアオサギを矢で仕留め、その正体が小ぶりな中年男であることを知る。
アオサギの案内で下の世界へ向かった眞人は、
死の祠や、転生しようとするワラワラと出会ったり、
若かりし自分の母親が世界の秩序を守ったりだとか、
インコに食べられそうになったりだとか、
いろいろな人に助けられながら、いろいろなことを体験していく。
そして、夏子さんの居る間へとたどり着く。
「あなたがいなければ・・・」
本当の気持ちを曝け出して拒絶する夏子に対して、眞人少年は、
夏子母さんと呼ぶ。ハッとする夏子。
大叔父がかつて、降ってきた隕石を囲って建てた洋館は異世界への扉となっていた。
大叔父はその世界をずっと統治してきたのだ。
大叔父は、眞人にこの世界の統治の後継者となることを求める。
ここでは、好きなように美しい世界を作ることができるのだと。
けれども、眞人は、自分で傷つけたことを告白し、
苦しい世界に戻り、生きていくことを選ぶのだった。
こうして、夏子さんと眞人は無事に元の世界に戻りましたとさ。
というお話でした。
なんというか、とってもハッピーエンド。
次々と決断を迫られる眞人少年は、正解のルートを選び続けて、
元の世界に帰ることができました。
そんなこの物語は、古典的様式を持つファンタジーだったのかもしれませんね。
構成を振り返ると、
前半が長くてしんどかったなぁ。でも、後半も次々と別の世界観の中に投げ込まれて行って、
目まぐるしく変化していくからしんどかったなぁ、と結構そういう感想。
たぶん、次にどうなるか、予想がつかないまま、
どんどん次の展開に巻き込まれていく感じで話が進んでいったからだと思います。
でも、時間がたっていつかまた見たら、なんだか素敵な物語なのかもしれないなぁ、
と思うかもしれない。そんな予感がある映画でした。
おわり。