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なかまくらのものがたり開拓日誌(since 2011)

メガロボクス

なかまくらです。

遅ればせながら、「メガロボクス」。

アニメの話です。

あしたのジョーから50周年ということで企画されたアニメだそうで、

えー、あしたのジョーはやめとけよ・・・という感じで、見始めたわけです。

しかも、有料配信で、課金して。



あらすじ

ジャンクドッグは、トレーナーの南部贋作と地下の闘技場で八百長ボクシングをして、

暮らしていた。

しかし、ある日。夜。道路の真ん中で勇利に出会う。

勇利はメガロボクス(機械のアシストを使ったボクシング)のチャンピオンで、

市民IDを持たないジャンクドッグとは、住んでいる世界が違った。

しかし、お互いに何かを感じるのだった。

そして、地下闘技場に勇利は現れ、ジャンクドッグはこてんぱんに負けてしまう。

それがきっかけとなり、ジャンクドッグは、

メガロボクスの祭典、メガロニアの出場を目指すようになる。

南部贋作は腑抜けた屑野郎だった。

「立つな、立つんじゃない」なんて言うし、借金で首が回らなくなるし、と

そんな男だった。だから、このときも、決して前向きなつもりじゃなかったが、

地下を取り仕切る藤巻に、追い詰められた南部贋作は大博打を打ってしまう。

「メガロニアに出場する」

偽造IDを作るときに、

「IDの名前は?」と聞かれ、ジャンクドッグは、「JOE」と名乗ることを決めた。

メガロニアに出場できるのはわずかに4人。ランキングが高いほうが有利とされた。

ジョーは、ギアレス・ジョー・・・すなわち、メガロボクスなのに、生身で勝負を重ねた。

それが話題となり、メガロニアへの出場まで、一気に駆け上がる。

ついに勇利との戦いを迎えるのだった。


そんなお話でした。

とにかく、熱い! そんなアニメでした。

毎週、一瞬で見終わってしまって、あーまた来週か。

と思えるいいアニメでした。

ジョーが、真っ直ぐに前を見ているから、周りの人間も自然と引っ張られていく。

その姿に、無茶だと思いながらもついていきたくなってしまう。

そんな気持ちのいい、惚れ惚れするような男のドラマでした。

そして、困難だと思われることも、人の心を動かしていってしまう。

「本物」

という言葉が後半になると、たびたび出てくるようになりました。

「本物」に惹かれて、常識とされていること、当たり前だと思っていることを

変えてしまう。

未来の世界。IDによって、管理されている世界。

そこはどんな世界なんでしょうか。わくわくする世界なんでしょうか。

「本物」がなくなっている世界なのかもしれません。

そもそも、じゃあ、私たちの世界は?

私たちの世界でも、本物、なんてものは探してもなかなか見つからないものです。

そうしたものに出会ったとき、人はどうしようもなく惹かれるのではないかと思います。

そして、このアニメ自体が、あしたのジョーのリメイクだと思われて始まった作品が、

本物になれるかどうかということでもあったのではないかと思います。

それぞれが、男を貫いて闘って・・・

体の一部となっていたギアを手術で引き剥がした勇利のズタズタの体。

そうまでして、ジョーと対等に勇利は闘おうとしたのです。

ラストに勇利はどうなるのだろうか(原作だと力石は、死んでしまうんですね)

とドキドキしながら観た最終回。

最後にド熱い一戦を見せてくれるんじゃないか、という期待もあったのですが、

最初のアバンで、あ、これ、そうならないな、と予感がしました。

静かな雰囲気。

最終回は何となく最初から最後まで静かなエピローグという感じでした。

観た最初の感想は、ううーーーん! 違うでしょ!

でした。勇利も中途半端に生き残っているし、

ジョーもなんか無難に戦いから抜け出してしまった。

ジョーはなんで、メガロボクスをやっていたんだろうって。

あしたのジョーの劇場版2作目に、こんなセリフがあります。

「ぶすぶすとそこらにある、見てくれだけの不完全燃焼とは訳が違う。
ほんの瞬間にせよ、眩しい程に真っ赤に燃え上がるんだ。」

ジョーを好いている女の子が、ジョーに、

他の同じ世代の若者たちがクラブで踊ったりしている中、どうしてあなただけが

ボクシングにそんなに一生懸命なんだ、と問いかけるシーンです。

このシーン、すごく好きなんですよね。すごくかっこいい。



「メガロボクス」では、ジョーはなんのためにメガロボクスをやっているのか、

そういえば、最後まで見たときに、わからないのでした。

ただ、勇利と戦うためにメガロボクスをし、勝って、

それはそれで静かに燃え尽きていたのかもしれません。

「本物」として、本気でやれなくなってしまったのかもしれません。

表面上は変わらなくても、中身はそうはいかない。

そういう、やりきってしまうところまで行ってしまったのではないかと、

後からは、そう思えるのでした。

ジョー


南部さん
 

勇利


面白いアニメでした。





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