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なかまくらのものがたり開拓日誌(since 2011)

「リヴィングストン」読みました。

なかまくらです。

「リヴィングストン」読みました。

全4巻でした。



劇団イキウメ主宰の前川知大さんが、原作。

デッドマンワンダーランド、交響詩篇エウレカセブン(漫画)の片岡人生さんが漫画。

この二人のタッグで生まれた物語が面白いのですよ。


天野と桜井は魂石を回収する仕事をしている。

櫻井は魂の予定をみる。人間の運命は決まっていて、予定通りに死ぬと、

魂は成長し、次の人生を送ることになる。

ところが、死者の念(染み)にとりつかれ、予定を狂わせてしまうものがいる。

その魂の予定がさらに狂い、魂の石(魂石)が砕け散ってしまう前に、

その人生を一度終わらせてしまうのが、二人の仕事である。

櫻井は、魂の記憶が読める力がある。

そしてその魂を、天野が石の形で取り出す。

天野がそんなことができるのは、天野は、死人であり、仮初の魂を与えられた存在だからだ。

天野と桜井は、沢山の魂石を回収してきた。そして、4巻。

天野は、物語の中で次第に成長してきた。そして、人間に近づいていた。

それは、死者が生者に近づくということ。それは自然の摂理に悖っていること。

天野は過去を探し、櫻井は天野を失わないために、それを止めようとする。

けれども、最後は協力して、記憶を取り戻す。

「死人である自分には、なにもない」そういう天野に、桜井は言う。

「思春期やってんじゃない。なんで生きてるかなんて、僕にだってわからない」

ふたりは、ふたりを取り戻して、笑って元の場所に帰っていく。

天野は、天野として生きて、そしてもう一度死ぬのだ。


そんな物語でした。最後の染みけものがちょっとだけ不穏を残しましたね。

表紙の絵が、1巻で並んでいて、4巻で反転して立っているのは、

天野君の死を暗示しているのかもしれませんね。

透明なトレーシングペーパーみたいなのを重ねた表紙は、

自分の大学の卒業公演のパンフレットを思い出します。


それにしても、なんでこんな物語が生み出せるんだろう!

と叫ぶしかないです。

魂というものは、なんだろう。

魂というもの、命というものを長いこと考えてきた気がします。

けれども、その結論は出ません。

いつまで考えたら出るのか分からないですが、考えずにはいられない。

いろんな人が、いろんな結論を提示してくれるわけですが、

それを私は羨ましく思うことしかできないのです。


とにかく、これは面白い漫画でした。

「星屑ニーナ」もそうでしたが、私は、4巻くらいで終わる物語に惹かれるようです。





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