1cm3惑星

なかまくらのものがたり開拓日誌(since 2011)

「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」観ました。

なかまくらです。

「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」観ました。

大人気ゲーム「ドラゴンクエストⅤ」のCGアニメです。

当時、酷評も多く、結局見ないまま、ここまで来てしまっていました。

RakutenTVでの評価が悪くなかったので、機を逃さずに視聴しました。



あらすじ。

リュカが幼いころに、母は魔物によって連れ去られてしまっていた。

母には不思議な力があったのだ。

父のパパスは、幼いリュカを連れて母を取り戻す旅をしていた。

しかし、魔物ゲマの卑劣な手によって、パパスは殺されてしまう。

奴隷となっていたリュカであったが、あるきっかけから、

知り合った王子とともに脱獄。幼馴染のビアンカと再会し、再び母を探す旅に出る。

しかし、幼い子供を残して、リュカは石化の呪いによって、舞台から退場してしまう。

それから時間は流れる。リュカの息子は大きくなり、

勇者の剣を携えて、父のリュカを救いに来るのだった。

そして、今度こそ、ゲマを倒し、母を取り戻すために、冒険に臨むのだった。

ゲマは、魔王を召喚するためのゲートを母マーサの力を利用して開放しようとしていた。

そのゲートが開放されたとき、魔王ミルドラースが降臨する。

ミルドラースはウイルスに汚染されており、リュカに影響を与える。

そして、リュカは思い出す。

この世界は「ドラゴンクエスト」というゲームだったんだと・・・。

ゲームの世界にとらわれず、現実世界に戻ってこい、という。

「大人になれ」と。

けれども、リュカは叫ぶ。これも、もう一つの現実なんだ! と。

リュカはワクチンプログラムでできた剣でミルドラースを倒し、

世界を救ったのだった。


というような映画でした。

キャラクターデザインが鳥山明さんではないのですが、

それは案外気にならずに、普通にすんなり入り込めました。

なにしろ、原作のゲームのストーリーが抜群に良いので、

それをうまく映像化してくれれば、傑作になると思うのです。

終盤まで、まさにその通り、ドキドキ、ワクワクの冒険活劇が繰り広げられます。

ゲームでは花嫁を選択できるシーンがあるのですが、

ビアンカを選ぶリュカのシーンは、フローラの心情もビアンカの心情も描かれていて、

胸が苦しくなりました。

ところが、最後、賛否を分けた、突然、ゲームの中の話なのだ・・・というシーン。

なんでそうした!? と、ならなかったといえば、噓になります。

でも、まあ、なにかそういう何かがあっても良かったのかもしれないな、

と思えたのも事実。このゲームの中だった・・・現実に帰るんだ・・・!

というのが、正しいかどうかはさておき。

何かが欲しかった、というのは分かる結末でした。

そして、ゲームの中の現実もまた、もうひとつの現実だ!

と叫ぶ主人公が、勝って、世界を救う終わり方、

「そうだ、ぼくは勇者だったんだ」と言って、締めくくる映画は、

私たちがゲームの世界で、勇者だったこと。仲間がいたことを

思い出させてくれる終わり方で、それは、肯定的に捉えられる終わり方だったんじゃないかなって、思えました。

観れてよかったなあという映画でした。

おわり。





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アベンジャーズ的物語創作論みたいな

なかまくらです。

今年は、長編の戯曲を書きたいな、とあれこれ思案しては書いています。

その中で、見出した方法として、いくつかの物語を合わせる、という方法があります。

ずっと前からある方法ではあると思いますが、あらためて発見した気分。


お得意の短編小説をいくつか書いて、

その主人公をそれぞれの戯曲の登場人物にしていく。

そうすると、それぞれの登場人物にちゃんとした背景設定が生まれます。

つまり、オールスターなんですね。

みんなが主役!

そんな風になったらいいな、とそんな風に、隙間時間を見つけては、

チマチマと書き進めています。

年内にもう一作、書き上げたいな、というのが目標です。





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【小説】怪獣たち

なかまくらです。

新作です。怪獣ブームが来ています。

どうぞ。


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怪獣たち

                   作・なかまくら



打ち上げ会場は、近くの公民館だった。映画の撮影に、エキストラで協力してくれた地域の方々のご厚意もあって、格安で貸してくれたのだ。
 出来合いのオードブルを、近くの仕出し屋に頼んでお酒も大量に買い込んだ。今日来るスタッフを労うのが、私のこの現場での最後の仕事だ。
 砂利の敷き詰められた公民館の駐車場に車を停めて、借りてきた鍵を鍵穴に差し込む。扉を開くと、い草のにおいがした。お座敷に丈の低い机を並べると、ちょうど、監督の相沢さんの奥さんが到着した。
「あら、約束の時間遅れちゃったかしら?」そう言って、腕まくりをする相沢さんの奥さんに、私は首を横に振る。
「いえ、ちょっと張り切りすぎちゃって」
「いつも、ありがとうね。主人は、目の前のやりたいこと以外、全部疎かになっちゃうから。着替えだって、シャワーだって、食べることだって忘れちゃうことがあるくらいなんだから。信じられないでしょ?」
「いえ、まあ・・・」
「それに共感できちゃったら、終わりの始まりよ! ・・・でもまあ、だから、一緒にお仕事されているんでしょうけど」
そんな他愛もない話をしながら、会場の準備は終了する。
「まだ始まるまでには随分と時間があるわ。シャワー、浴びてきたら? 近くに銭湯があるそうよ」
「いえ・・・」と言いつつ、私は強烈な睡魔が襲ってきているのを感じていた。昨夜は、まず、最終章ド頭のシーン。海面から上がってくる怪獣のシーンを撮影した。夕焼けを背景に撮影し、夜の更けた街を舞台に怪獣と人造機械との決戦シーン、そして朝焼けを背景に怪獣がとどめの一撃を放つシーン・・・とスタッフ一同、決死の撮影が敢行された。その撮影の果てに、誰もかれもが、カフェイン塗れになりながら、得られた映像に獰猛な雄たけびを上げ、そして、撮影は終了したのだ。もちろん、怪獣の着ぐるみのアクターも、雄たけびを上げていた。
「相沢さん」
「なんですか?」
「すみませんが、隣の部屋で仮眠をとらせていただきます。皆さんがきたら、起きますので」
「分かりました。会が終わるまで、よろしくお願いしますね」
「はい」
 隣の部屋は、台所になっていて、そこに、車から寝袋を持ってきて、敷いた。昔懐かしい雰囲気の引き戸の戸棚にはいつの日にか綺麗にして、そのまましまったままになっている食器たちが眠っている。例えば怪獣が来たら、こうだ。その食器たちは、怪獣の来襲を知らせるように、お互いに震えあい、身を寄せ合う。足音は聞こえない。ただ、食器がカタカタと震えるのだ。それから、私にも聞こえる足音が低く、伝わってくるようになる。そして、咆哮。
 気が付けば、日が傾いて、台所は薄暗くなっていた。曇りガラスの戸をそっと開けると、スタッフの方々が思い思いの場所に座っていた。どうやらいつの間にか乾杯も済んで、すっかり出来上がってしまっているらしかった。
「監督が作ると結局、また怪獣が町を破壊しちゃうんだよなあ」これは助監督。
「いいの! 怪獣映画は神話なんだと、ぼくは思うんだよね。だから、怪獣は人間の道理で人間が戦おうとしている限りは決して敵わないと思うんだ。」
「で、監督は怪獣の伝道者ってわけだ」これはカメラマンさん。
「怪獣の魅力を人類に思い知らせる!」これは怪獣の中の人。
「怪獣映画はさ、見て分かりやすく! だけど、どこかホッとするようなものにしたいんだよね」
「怪獣映画でホッとする?」助監督が、またまた~、と、お酒を監督の空のグラスに注ぐ。
「うん。怪獣は、最後は倒される運命にあるのかもしれない。それはきっと、人間が作る怪獣だからなんだ。でも、そうじゃない。ぼくたちの中にだって、怪獣は潜んでいる。その怪獣は、そんな風には割り切れない。誰かに対する憎しみだったり、妬みだったり、自分のコントロールできない、見たくない部分の種を持っている。それはもしかしたら、すべての生命体が持っている、滅びの種みたいなものかもしれない。」
監督は、お酒をグイっと飲み干す。
「その滅びの種がさ、映画の向こうで暴れてさ、街を壊すわけ」
「今回も気持ちよく壊してくれましたからね!」これは特殊効果の爆薬担当。
「そうそう。派手にね! そうすると、怪獣も少しは溜飲が下がるのかもね。仲間の怪獣が代わりに怒ってくれたって。・・・最近、奄美大島でマングースが根絶されたんだって。」
「へえ。あれ、ハブとマングースを戦わせるために、マングースを連れてきたんでしたっけ」これは脚本協力の作家さん。
「うん。でも、マングースはハブとは戦わなかった。代わりに、島の固有種を食べてどんどん繁殖したんだ。」
「そうだったんですね。人間の都合で連れてこられて、それで、今度は人間の都合で処分される」作家さんはあごひげを撫でて話を飲み込もうとしている。
「それで、思ったんだ。誰が人間で、誰がハブで、誰がマングースなんだろうって」
監督は、さらに盛り付けてあった唐揚げを豪快にほおばる。咀嚼を繰り返し、それから、ビールを流し込む。
「怪獣はマングースなんだろうか、ハブなんだろうか。人間の都合で作られて、人間の都合で都合よく退治される。違うね。怪獣は神話なんだ。ぼくたち人間こそがマングースかもしれない。怪獣が人間の役で、怪獣が連れてきたマングース役の人間が、ハブと戦わないから、もういいよって、愛想をつかされそうになっている。ぼくたちの心の中の怪獣が、あちこちで姿を現そうとしている・・・」
「もはや、ヤマタノオロチのごとく、酒に酔った我々には少々、刺激が強すぎるようですな」これはプロデューサーさん。
「あ、こっちだよ! こっちこっち!」
戸の向こうの明るい世界から、監督がわたしを呼んでいた。
「あ、すみません! 私、すっかり! うっかり! してしまって!」
「いいのいいの。準備、万端だったから、もう、いい感じに始めちゃったよ! ありがとね」
そう言って、監督は、お皿に取り分けたミートソースを頬張った。
お座敷のあっちもこっちも、いくつもの集まりができていて、どこもかしこも、少年たちのように目を輝かせていた。それは眩しくて、それが怪獣たちの輝きだとしても、・・・いや、だからこそ居心地が良かった。





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鞄の新調

なかまくらです。

仕事鞄を新調しました。



青木鞄の一品です。鞄ですが、財布、携帯、手帳を持っていけば充分ですので、

大きいものはいらないかな、というわけで、B5サイズの鞄で十分だなと

気付いてからは、ずっとこのサイズです。

ガラスレザーが綺麗な鞄で、お値段もなかなかですが、

この鞄を持って仕事に行くのは、少しだけモチベーションが上がるので、

いい感じです。





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「つづきのはなし」観ました。

なかまくらです。

浜松西高校さんの「つづきのはなし」を観ました。


あらすじ

ミステリー研究会のユミカとアイは、校舎の階段の踊り場にある大鏡に幽霊が映ると聞いて、

夜中の学校に忍び込む。そこから、人影が出てくる。

その人影の人物ケイスケは、なぜか、ユミカのことを知っていて・・・。

そして、ミステリー研究会のもう一人の部員、トウコはケイスケの従妹だった。


まるで平行世界から現れたようなケイスケは、1年間に起こった事実を語る。

地震が起こり、福島原発の事故が発生し、転校。その先で、放射能が感染すると、

いじめをうけ、それをかばったユミカは自殺に追い込まれ意識不明だという。


その事実を認められないトウコの言動が、この世界とありえないはずの現実の記憶を

つなぎ合わせる。

しっかりしていて、それは変わることが怖くて勇気を出せないトウコの気持ちが

吐露されたとき、ユミカとケイスケは元の現実に戻り、それぞれ諦めないで

生きていくことを誓う。そして、トウコは・・・。


現実に戻ったケイスケとトウコは、意識の戻らないユミカのお見舞いに行く。

空は良く晴れていた。


というようなお話でした。

辛いお話だなぁ、という感じ。今年の夏には南海トラフ地震臨時情報が発信されて、

多くの人が、活動を見合わせたりしました。そういったことも、このお芝居を選んだ

背景にあるのかな、と。

それぞれ、感情がよく伝わってくるお芝居でした。

間の取り方とか、感情のこもり具合が台詞によって変わっているように感じる場面や、

少し、登場人物同士の距離感が演劇的で近過ぎるのは、違和感もあって、

そのあたりはもっと上手になる余地があるかな、と思いました。


靴の裏にゴムみたいなのを貼っていて、足音が気にならないようにしてあったのは、

細やかな気遣いで素敵でした。

ケイスケ君の制服のポケットのふたが片方だけ出ていたのは、ちょっと気になりましたが、

彼はイケメンでした。

最後のMEは、大きすぎず、心地よい希望を持たせてくれるいい感じでした。

暗転も短くて気持ちが途切れずに最後まで見られてよかったです。






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