なかまくらです。
最近、やたらとマンション経営の電話がかかってきます。
ただ、今の携帯電話の番号は、仕事の関係もあって、ものすごい沢山の人が知っている番号で、
これを変えてしまうというのは、すごく大きな損失だなぁ、と感じるわけで、
変えずにいるわけですが・・・。
で、たまに時間があると、マンション経営の電話も暇つぶし程度に出てみるわけです。
だいたい、しゃべることって、みんな一緒なんですよね。
老後の用意は大丈夫ですか? という話。国民保険だけでは不安ですよね。
そんなあなたに、月々の少額の支払いで、マンションを経営してみませんか、という
お得なお話です・・・と。
そこから私。
・ これから少子化の時代になっていき、マンションを買う人は減るのではないか?
・ 東海地震や関東大震災が起こるといわれている。そういうリスクはどう考えるのか?
・ 年金に困る頃には、マンションは築30年になっていて、買い手は付くのか?
と、疑問点をあげつらってみる。
すると、地震に関して頑張って回答してくる。
地震があったら、政府が低金利の資金を拠出してくれる・・・と。
それでも、結局、元の支払いと、新しく立て直す支払いを両方しないといけないでしょう?
と返すと、とにかく、この電話で決めて欲しいという話ではなく、
会ってみれば分かるんだ、という話に変化してくる。
ああ、もう駄目ですねぇ、なんて思いつつも、はぁ、へぇ、と聞いていて、
同じ話になってきたなぁ、と思ったので、もう切りますねー・・・と、切っちゃいました。
初めから、全然乗り気じゃなくて、どちらかというと、興味がない部類の人間に
資金(お金や時間、やる気)を出させるというのは、簡単じゃないなぁ、と改めて思いました。
私もかつて、アルバイトの時には、スイミングスクールを辞める子の保護者に電話をして、
「辞めないで~」みたいな電話をたくさんしたわけですが、今思うと、全然駄目ですね。
相手のことを思って、考えて話をしていない。明確な価値を提示できていない。
相手にとって価値のあることを提示できていない・・・。
それって、すごく難しいことだなぁ、と思います。
だって、その新しい価値は、win-winじゃないといけないわけですから。
・・・さて。
発想は転換します。
自分の仕事はどうなのでしょうか。
今、私の授業。私が選択科目で担当している講座の中に、
受講生が2人しかいないものがあります。
・・・経済的な側面からみれば、圧倒的に非効率です。
その非効率をなんとなくそれでもいいことになっているのは、
それを許容する体力が国や、現場にあるからです。
けれども、どうでしょうか。
物理学を学ぶ必要は本当にあるのでしょうか。
いや、必要があったとしても、問題は価値があるかどうかです。
しかも、私にとってではなく、彼らにとって価値があるように感じられるか、です。
すると、思いもよらぬ疑問に思い悩んでしまいます。
物理を学ぶ価値とは何でしょうか。
初めから、全然乗り気じゃなくて、どちらかというと、興味がない部類の人間に
資金(お金や時間、やる気)を出させるというのは、簡単じゃないなぁ、と。
じゃあ、物理を学んだらこんなことがあるんだよ、と
どれだけ価値として認識させられるか・・・。
考えてみても、明確なものは思い浮かびません。
例えば、パワーポイントのスライドを作ろうよ、と言われたら、・・・困る。
もっと長期的に先を見ると、理系の人間にとって物理学は科学の根幹となる考え方です。
けれども、そうはいかない。それじゃあ、高校1年生は選択してくれない。
選択しなかったら、私はおまんまの食い上げです。
・ 物理学を学ぶことで、自然の仕組みやこの宇宙の真理に近づく面白さがある。
・ 物理学を学ぶことで、工業への応用ができて、将来は研究職などに就けるかもしれない。
・ 大学入試に必要。あるいは、取らないと入学してから困る。
これくらいしかない・・・?
価値観を超えて選択させるしゃべり方を身につけないといけないですね。
それが、これから、すごく大切な力になる気がします。
さて、私だったら、どうだったら、マンション経営をするだろう・・・?
まず、実際に自分が経営してみるかな? その結果を伝えられるようになろう。
それから、実際のモデルケースを紹介しようかな。
それから、マンションを建てる予定の場所はどんなところで、
周りにはどんな建物があって、だから、マンションが売れると思う、
と、現実感を埋めていく・・・。そんなことしか出来ないかなぁ、電話だと。
あとは、人の信頼を得られれば一番良いんでしょうけど、
それを電話でやるにはどうしたら良いんだろうか。
さあ、水泳のときは、どうしたら良かったんでしょうか。
物理を10年後、20年後、30年後、多くの学生が価値あるものと感じて
取るようにするにはどうしたら良いのでしょうか。
考えておかなくちゃね。