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なかまくらです。
野田地図第20回公演「逆鱗」を観てきました。ネタバレ注意。
ある男が、電報を届けに来る。水上水族館では、見つからない人魚の代わりに、人間の人魚を募集していた。そこに、人魚だと名乗り出るおかしな女が現れる。ところが、電報を届けに来たはずの男は、本物の人魚を見つけるために、潜水士としての訓練をすることに。訓練の最中、男は人魚の世界に紛れ込む。人魚は、人間が勝手に作ったものであり、人魚の生態と言うものは、親より先に子が死ぬ、というものであり、死生観が違うのだ。やがて、人魚を見つけだした人間であったが、水族館は寂れるばかり。そこで、今度は、47人の潜水士を募集するという。電報を届けた男は、流されてきてしまったのだ。潜水士には、酸素を送る管が付いている。それは、川鵜のようであった。その綱を握っている男達は、人魚を見つけたとき、恐ろしい行動に出る。というお話。端的に言いますと、「キル」みたいなお芝居でした。ちょうど、これにまつわる小説は読んだことがあったので、それにまつわる物語であることがわかったときに、すっと溶け込んできて、それまでのいろいろなパーツがすごい勢いで組み合わさりはじめました。楽しい体験でした。最初に届けに来た電報、あれはきっと届かなかったんでしょうね。はじめのほうで、海の底に消えてなくなってしまったのだから。ふと、思うのは私たちというのは、国というものに繋がれていて、でも、好きなように魚を食べているように思われますが、税金を払って、消費をして、社会の中で良いように一員となっていて、一匹の鵜に過ぎないのではないか、なんて、考えちゃいますよね。自分一人で考えて、私は答えを出しているのだろうか。たくらんだ人が、最後に出てこないのも後から思うと、印象的ですね。タイトルにもなっている逆鱗とは一体なんだろうな、と考えてみたものの、これについては、なんだろうな、うまく表現する言葉が見つかりません。逆鱗は、人間の遡ろうとする時間が塩になったもの、、、と作中ではそんなふうに言っていますが、人魚は逆鱗を食べるとも言っていますが、ここに、すっぽりとおさまる言葉がうまく見つからないのです。死んでしまった哀しみ、いや、死んでしまうという哀しみや、無念、、
うーん、そんな言葉なら思いつくのですが。他に観た人は、どんな印象を持ったのでしょうか。さてさて。役者さんは、もちろん上手だったわけですが(笑)、松たか子うまいです。瑛太もめっちゃうまい。この二人を中心に据えるわけだ。印象に残る演技でした。身体の使い方もだと思いますし、
ちょっと長い台詞もうまーく会話のようにしゃべるし、
なんなんでしょうね、これ。終盤に気づいたのが、井上真央と野田秀樹。
あれ、そういえば、ふたり、出てるって書いて無かったっけ??
と思って、意識して観てみると、ああ、この役の人かと。
まあ、化粧とか衣装で分からないってのはあったかな、と思いますが、
ものすごくすごいのかどうかはよくわかりませんでした。
他の人でもよかったのかな、って。
あ、野田秀樹が、一旦、すっと下がって距離をとるところの演技はすごい好きでした(どこだよ)。
舞台美術は、はじめはほとんど何もなし。
後ろが、スケートボードのコースみたいに、なめらかに湾曲しているくらい。
その広い舞台に、ものを運び込んで、
きらびやかなセットが目まぐるしく変わり、現れてくる。
いやあ、すごいものでした。
泡の表現、人魚の幻想的な表現は、初めてみるものでした。
きっと、これから、誰かが真似していくんでしょうね。そういう、表現の最初の最初を生み出す人たちがいるってこと、
それに感嘆するしかありませんでした。絶対また見に行きたいですね。おわり。
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