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なかまくらのものがたり開拓日誌(since 2011)

広島大学演劇団学祭企画演劇喫茶テアトロポプラル に行ってきました。

とでもいうとおもったのかーーー!!(いや、行ったでしょ…\(゜ロ\)

というわけで、

行ってまいりました。



さて。

メンバーも私がいたころとはほとんど総入れ替えになっておりまして、

4年生は例年あまり出ないので、まあ、どうしようかなとも思っていたのですが、

今年も短編集をやるというから観に行ってみたわけです。


喫茶。今年は丸テーブルが採用されていてオシャレでした。野津さんの仕業ですね。

珈琲。おいしかったです。ワッフルもおいしかった。

お芝居。今年のお芝居の演目、そして作者を見てちょっとびっくり。3年生の小池くんの作品が一作あって、あとは1、2年生の作ばかり。別に台本が書けるから偉いとかいうつもりはないけれど、物語と言うものにもっと果敢に挑もうという気持ちが足りないんじゃないかしら? と疑問と不安がありますね。


観た順に各お芝居の感想もちょこちょこっと。


「平衡感覚」
社会でうまくバランスを取って生きていくのって難しい。社長令嬢と付き合っていることが上司にばれて、その上司からは陰口をたたかれ、・・・バランスを取って生きるのが難しくなった平(たいら)は、バランスを取るのをやめてみる。すると、上手くいったように見えて、でも、そんなうまくいくはずもなく・・・。と言うようなお話。

作者の川村君は誠実な男ですね。決して逃げない。書きたいことを真っ直ぐに、真摯に書いている。言葉の使い方とか、シーンの選び方からそういう様子が伝わってきます。21の今雪さんに近いかもしれない。人を(良い意味で)傷つけることができる物語が書ける作者さんだと思います。傷つけられると人はどこかほっとするんだと思う。浅い傷はかさぶたになって身体から剥がれていくものだから。特に、前半。先輩の言葉にムキになって誤魔化したシーン。あのシーンが作品全体のメッセージを早い段階で観客に伝える役目を担っていたと思います。ただ、ありがち感は否めなくて、盛り上がりももうちょっとあってもいい。『イエスマン』という映画にちょっと似ている気がしました。見たら参考になるんじゃないかな?



「21g」
信彦くんはリストカットをして死んでしまった。すると、目の前にはアニー・・・信彦くんが好きだった人形がいて、信彦くんの魂を見つけてあの世に送ろうとしてくる。アニーは、部屋をひっくり返す。「信彦くんはどうして死んでしまったの?」ちょうど21gである信彦くんの魂を探しながら、アニーはそう何度も問いかける。信彦くんの部屋には走馬灯のように信彦くんを大切に思っていた人たちがやってくる。そのうちに、信彦くんは生きたいと思うようになるのだが、アニーは「もう死んじゃってるんですからね」というばかり。信彦くんが手首を切ったカッターナイフを握りしめ、アニーに突き付けると、アニーは「見つけました~♪」とにっこり笑って、それで・・・。と言うお話。

21gという映画がありますね。私だったら避けたい題材だな、と思います。
アニーが怖い。ハートフルなお話を目指していたんならうまくいってない。怖い話でした。
作者の木邨さんのは去年観た高校生の作品のほうが面白かったかな。これは何が言いたいのか結局よく分からなくて怖いだけだったという感想でした。新しい境地に挑戦したことは好感が持てますが、全体的に一本調子で観てるのがちょっとつらかったです。役者の二人も頑張っていてよかったですが、一本調子は何とかしたかった。持ち味の優しい雰囲気を生かしつつ、どんどん書いて磨いていけるといいですね。もうちょっと盛り上がりが欲しい。


「OVER HAPPINESS」
娘が父の下を訪ねると、父はスーツのままで寝ている。娘は片づけを済ませて、「入ってきていいよ」という。結婚相手を紹介しに来たのだ。父はその初々しさに笑う。「茂(しげる)父さんはなんて?」娘は言う「今日のこれは練習なの」。父は母子を置いて先立っていた。ただ、可能にしてはいけない不可能を打ち破って今日まで生き残っていたのだ。そして、父は娘に娘は父に最後の想いを伝え合う。と言うようなお話。

荒谷さんの作。本人とは話したことないな。えー、お分かり頂けると思いますが、3本目まで観て、おなか一杯であります。もーいいよ。こういうやつはもういいよ。という気持ち一杯で観てしまいましたが、まあ、単独の作品としてみれば、決して悪くない出来です。娘の千夏を演じた大内さんはなかなかの安定感。これから看板女優になっちゃうんじゃないの? という感じで期待大ですね。その他のメンバーもまあまあ安定。時点は父かな? ボーイフレンドの西川君はちょっと演技が慌て過ぎ。もうちょっとモブ的な演技をしたほうがいいのかもしれないと思う。


「パンダの白い部分は米でできている」
肉が喰いたいあまりに動物園を脱出したパンダは、米だけを食いたいあまりに病院を抜け出してきた女の子と出会う。相容れそうで相容れない二人は、お互いのこだわりをぶつけ合う。お互いを同志だと認め合ったとき、パトカーのサイレンが近づき、二人は御用となるのであった。と言うお話。

うん。これも、荒谷さんの作。作品に幅があるのは非常によろしいことだと思います。会場では、「演出がいいんだね」と言う声がちらほら聞こえましたが、演出が自由にできる台本ってそう簡単に書けるものじゃない。だから、私は台本を評価したい。で、演出があり、それを演じきった役者二人は完全に頭のねじが数本飛んじゃったようなふっ切れかたで、観ていて気持ちよかったです。


「中年よ、妻子を抱け」
飲み屋に集まった男たちは、酒に酔いながらバカ話をする。中年は夢を持ってはいけないのか。夢を持つ暇があったら金を稼がなきゃならん。妻と子どもに楽させてやらなきゃあならん。だけど、本当は夢、見させてもらってんだよ、おっちゃんはさ。そんなおっちゃんの息子が誘拐される。取り乱すおっちゃん。助けに行く飲み仲間。暗躍する酒屋の店主。そしてもとヤバい職業のやっさん。中年の男たちが活躍する。「実は息子に上げたゲーム機にはな、発信機が仕込んであったんだよ・・・」「な、なんだって!」 と言うお話。

3年生、小池くんの作品。小池くんのおっさんに対する考察と造詣の深さに感激でした。なんでそんなにおっさんの心が分かるんだよ・・・っていうリアリティ(笑)。その精神年齢は溝部さんを越えているとでもいうのか・・・っ! というクオリティでした。さて。中身ですが、面白かったです。最初の掛け合いから始まって、中盤のアクション的な展開、そして、ミステリー的な真相が分かる構成。面白い物語が必ずミステリーであるということはないけれど、ミステリー的な要素のある物語はやっぱり面白いものが多いと改めて実感しました。そして、コントで培われたのであろう小池くんのセリフ回しのセンスは、今回のほかの作者さんとは一線を画していましたね。なんだろう、小池くんだけ意味のないせりふが書けていると思う。役者の味も出ていたし、ああ、舞台のセットの雰囲気もよかった。裏の倉庫のイメージまで頭の中に浮かんできました。これは良作でした。


「魂闘27~新参参上~」
というわけで、演劇団の老舗団体「SmileEffect」が大学祭に現れました。なんせ、この団体、私が大学に入った時には既にありましたからね・・・。改めてすごいと思いますね。
さて。漫才とコントの作品が並びました。面白かったのは、3000円を巡った抗争。次点は万引き犯とGメンのやり取りを考える店長?作家?の話。でした。



全体。
えー、まあ、世代交代を感じました。ただ、同じような作品を書く人が多いので、自分たちの顔を見合わせてバランスを取れたらいいし、それをそのまま通しちゃった運営はもうちょっと全部見る人がいるってことを考えてやったほうがいいかな、と思いました。




お疲れ様でした。














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