なかまくらのものがたり開拓日誌(since 2011)
読みました。
「Rob&Love ~ファラオの秘宝を求めて~」
作者:Chairyさん
http://haritora.net/look.cgi?full=index&script=9855
キャラが滅茶滅茶濃ゆい・・・。そして、わりとちゃんとインディジョーンズみたいな古代遺跡冒険ロマンに仕上がっていて、キャラとストーリーが両立しているワクワクな、面白い物語でした。キャラを立てるにしても、こういう風に見せ場があるとナイトでは全然違ってくるな・・・と。
私もこういうの書きたいね。
なかまくらです。
「サマーサイダー」 壁井ユカコ 著 を読みました。
あらすじ
去年まで通っていた中学校は廃校になった。
体育館の物品を寄付するだとか何とかで、去年まで通っていた中学生は夏休みにその手伝いに召集されることに。
とはいえ、ボランティアでそんなことに集まるわけもなく、
集まったのは、幼なじみの3人の少年少女。
少女は、ちょうど一年前、去年の夏、廃校になる高校にきた新任の教師のことを思い出していた。
みたいな、そんなお話。
セミの鳴く季節によく似合ったお話でした。この作家さんが好きで、追いかけてるんですが、最近はちょっとなかなか手を出せなくて、買ったはいいものの、積まれていました。
3人はそれぞれすごく魅力的な個性があって、揺れ動く気持ちが丁寧に描かれていて、素敵でした。
先生もまた、セミに執着するヘンな人間という、ちょっと不気味な個性。
その執着が、だんだんファンタジックにも、ホラーじみてきて、
不気味な印象でした。
まあ、なんというか、ひと夏の思いで、という感じのライトな青春ファンタジーでした。
ちょっとクセのある、中学生の課題図書くらいな感じ?
この作家さんの個人的に好きなところである登場人物のぶっきらぼうで思いを伝えないすれ違いのもどかしさだとか、なんか、じめじめしたところとか、そういうのは堪能できたのですが、リアリティのある世界でやってしまうと、ちょっと日本風の湿度の高さがちょっと辛くなっちゃった感も。という感じでした。
まあまあでした。
なかまくらです。
先週の日曜に「グスコーブドリの伝記」を見てきました。
あらすじ
山の中の農村に生まれたブドリは、家族4人で幸せに暮らしていたが、
あるとき、冷夏が続き、飢饉が起こってしまう。
両親は山へ行ったきり、帰ってこず、妹のネリは人攫いに攫われてしまう。
ブドリは山を降りることにする。
山を降りるとそこには、大地主の茶ひげという男がおり、ブドリは住み込みで働かせてもらえることになる。
ブドリは、亡くなった茶ひげの息子の読んでいた書物を読み、作物の育て方をよく勉強した。
それからしばらくは、ブドリは幸せに暮らしたが、数年して、また、冷夏がやってくる。
ブドリは暇を与えられ、泣く泣く茶ひげに別れを告げた。
ブドリは都会に行くと、その頭脳を買われ、火山の研究をしている研究所で働けるようになった。
ブドリは、妹のネリの面影を都会のあちらこちらに追いかけたりもしながら、研究所の慌しい生活を送っていた。
そして、ある時、また、冷夏がやってくる。
ブドリの中には、ひとつの考えがあった。火山を噴火させ、炭酸ガスを大気中に増やしてみてはどうだろうか。
しかし、火山を人工的に噴火させようとすれば、噴火させた人は生きて帰ってはこれないだろう。
ブドリは、思い出していた。冷夏で作物はとれず、食べる物がなくなり、両親がいなくなる。女の子は人攫いに攫われていく。
そんなことは、もう、あってはいけないのだと。
そして、ブドリは・・・・・。
というお話。
私は、幸村誠の漫画「プラネテス」で、グスコーブドリの伝記というお話を知った口ですが、
宮沢賢治の作品「グスコーブドリの伝記」でした。
犠牲、というものが描かれているように思いました。
劇中で、宮沢賢治の詩、「雨ニモマケズ」が出てきます。
ほめられもせず、くにもされず・・・・
・・・そういうにんげんにわたしはなりたい。
http://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/45630_23908.html
ブドリが自分のような子どもが、これ以上生まれないように、と、
そういうなんとも優しい動機で穏やかに犠牲になっていくのです。
妹が人攫いに攫われるところでも、なにか不思議な様相の人攫いがさぁっと、攫っていくのです。
夢の中で再会をはたした人攫いは、こういうのです。「彼女は望んでこっちに来たのだ」と。
自分の命と、愛するものの命を見比べるまでもなく、すっと手元にあるものを差し出す。
そんな優しい心が、胸を打ちました。
おわり。
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