なかまくらです。
もはや3日も前のことですが、『ぶたたま Vol.1』を観ました。
もう、乗り遅れちまった電車を見送りつつ、感想をちょっとだけ書きます。
今回は、思ったよりやや長かった75分の舞台。2本。
1本目は、『黒桜閻魔裁譚』
あらすじ。
女がいて、そこに謎の男が現れる。
男は女の人生が書かれた本を持っていた。
女は何故ここにひとりでいるのか。何故自分を殺した恋人を待っているのか。
というお話。押目さん原作ということだそうで、
なるほど、雰囲気は、学祭の『紫陽花の咲く頃に』に近いような? 雨の降る季節の和風って感じ。
色は派手じゃないものが丁寧に選ばれて貼り付けられている感じ。
パンフレットに、坂口安吾の原作の野田秀樹の戯曲の台詞が引用されていましたが、なるほど、坂口安吾。
少し前にちょうど坂口安吾原作の小説を読んだところで、なんとなく物語の構成がそれと似ていたように思いました。
さて。おふたりとも熱演で、楽しませていただきました。死神と男が同じ人間が演じるということを活かしてもよかったのかな、とも思いましたが、短編にしては長くなりすぎるか。
押目さんはやっぱり器用ですね~。
感情をむき出しにして狂った女を演じているときの表情がちょっと怖くて、うわあって、なりました^^;
なんとなくラスト直前の歩いていくシーンが印象に残らなかったのが残念かな? 最後の森さんの語りで食われた?
2本目は、『30ミニッツオセロー』
30分で、オセロ―を。という企画もので、・・・え、30・・・分? には収まらなくて、45分ぐらいの作品でした^^;
松本幸四郎のオセロ―は映像で見たことがありまして、それを知っていた人間としては、
結構楽しめました。これだけを見た人がどう感じたのかはわかりませんが、
個人的にはなかなか好きでした。独特の長い台詞回し。そして、罠にはまっていくオセロ―。
舞台転換をバンバン使って、面白いシーンをがしがし見せていく森さんらしい作品だったと思います。
中盤はちょっと中だるみという感じでしたが、ラストはとても盛り上がって、熱演。そして、一気に終劇。
人は白か黒か。善か、悪か。白い清き心を持つ黒い肌のオセロ―を、イアーゴーは忌み嫌い、そして何よりも、妬み、自分も白くありたいと思っていたのだ。
ヒドイ男を演じてきたイアーゴーの最後に、人の叫びを聞いた気がしました。
やっぱりオセロ―は名作ですね。イアーゴー村田君、オセロ―森さんという逆の方がいいんじゃない?
と思われる配役でしたが、身長的に、まあ、そうか、と思ったり、村田君の目を細めた笑いが妙にはまっていて、アリだね、という感じでした。
押目さんは何故かどこか萌え属性のある枕抱きっ子で、現代風のお姫様でした^^。
Vol.1ということは、Vol.2もあるかも?ということで、短編好きーの私としては、期待して待ちたいところ。
おわり。