1cm3惑星

なかまくらのものがたり開拓日誌(since 2011)

英雄の書 読みました

c64ec240.jpgなかまくらです。

「英雄の書」(宮部みゆき著 カッパ・ノベルズ刊)を読みました。

面白かったです。


あらすじ

これは物語をめぐるファンタジー。

主人公・森崎友理子は小学五年生のごくごくふつうの女の子。

両親と、優秀な兄と4人で幸せに暮らしていた。

ある日、

事件が起こる。兄が、学校で、同級生を殺してしまうという事件を起こしたのだ。

兄は失踪。真相は分からず、何故兄がそんなことをしたのかは、誰にもわからず、家族は悲しみにくれていた。

そんな時、友理子に語りかけてくる一冊の本があった。


兄は”英雄”に魅入られてしまったのだと。


”英雄”は兄によって、世に放たれてしまった。


“英雄”とは、お前の生きるこの“輪(サークル)”に存在するもののなかで、もっとも美しく尊い物語だ

英雄には影の部分が必ず存在する。戦いが必ず起こる。

英雄を再び封印するために、兄を取り戻すために、

友理子は戦う覚悟をする。


みたいなお話。


読んで、最初に思ったのは、

「ブレイブストーリー」に似てるなぁ~。と思ったことです。

奇しくも私がこの本を買ったきっかけも、なんとなく似ている。

さておき、

2003年、3月に出たブレイブストーリーも、小学五年生の男の子・三谷亘(ワタル)が家族の平穏を取り戻すために戦った物語。

たぶん、作者の物語のパターンなのか・・・。

あるいは、、、、ひとつの物語であるということの暗示なのか。


いや、なんだか、そういう疑いを覚えるくらい、メタフィクション的で、物語とは何かと考えさせられる物語でした。

つまりね、


「ブレイブストーリー」が、子供向けのファンタジーであるのに対して、

「英雄の書」は間違いなく大人向けのファンタジー。


争いが絶えないのは、人が正義だったり、勇気だったり、物語を求めるから。

物語があって、そのように生きるのは、罪であるという。

英雄になろうとすれば、「英雄の書」に魅入られてしまう。

それによって、英雄が解き放たれてしまえば、

かならずや、その影の側面”黄衣の王”が姿を現し、世界は戦いに包まれてしまう。。。

自分だけの生き方は自分で選ばなければならないのだ。


うん。

なかなか奥深くて、重厚な物語でした。ページ数も500頁以上あるし(笑)

ただ、宮部みゆきのファンタジーはブレイブストーリーのときにも思ったのですが、時折描写がくどく感じられます。。。

ファンタジーに特化されてライトノベルが興ったと私は個人的に思います。

ライトノベルのようにややあっさりと描写していた方が、全体が把握しやすいし、いろんなものを想像しやすいですよね。

ちょっぴり流し読みしたりしながら、読みました。


あと、ラストは賛否が分かれそうです。

私は、きっちりその世界とお別れして、生きて終わりでよかったんじゃないかと・・・


続編? でないほうがいいですね。あれで終わりで、


うん。

まあ、


面白かったです。





おわり。





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