なかまくらです。
「理科は理科系のための科目ですか」読みました。
高校物理では、何を教えようとしているのか、ということについて、
著者の思想が書かれている本です。
この人の物理観は割と好きなので、2冊目です。
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『理数オンチも科学にめざめる!高校物理“検定外”教科書』読みました。もしかすると、ちょうど私が広島大学に在学中に、広島大学にいたんじゃないかな?
というタイミングなのですが、学部が違うので、残念ながら会えませんでした。
さて。
本の全体の主張としては、
その科学的発見をしてきた人物には、宗教的あるいは社会的な背景があり、
その観念の元に発見をしているわけだから、
日本人が理科教育を受けることによって、
日本人だからできる発見をできるような科学的な見方考え方を育むにはどうしたらよいか、
考えるべきだ、というようなことが書いてあるように思いますが、
これに関しては、私はちょっと共感しかねるので、さらりと読み飛ばしました。
後半は、力学と電磁気学の体系について、著者の考えが述べられていました。
特に電磁気学は、多くの高校生が苦手としています。
これは100もの公式が登場することにその原因があるとし、
「原理」と「定理・法則」を分けて考えることだとしています。
その上で、電磁気学をファラデーの「場」を意識した構成として教えることを提案しています。
その実は、マクスウェル方程式に基づいた分類になるのですが、
なるほどわかりやすいかもしれません。
覚え書きとして、「場」に関する4つの原理を書いておきます。
① クーロンの法則(→ ガウスの法則へ発展):電荷と電場の関係
② ビオ・サバールの法則(→ アンペールの法則へ簡略化):電流と磁場の関係
③ 電磁誘導の法則:磁場と電場の関係
④ 変位電流を含むアンペールの法則(→ 電磁波へとつながる):電場と磁場の関係
これについては私なりに最近考えていることがありまして、
電磁気学の序盤については、空間と電荷にしっかり分類して、
今どちらについて考えているかの現在地を常に示してやることが重要なのではないかなと思っています。
これについては、前の記事をどうぞ。
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高校電磁気学についての覚書