なかまくらです。
第42回静岡県高等学校演劇研究大会(2日目)を観てきました。
伊豆からのお出かけで、寝坊したこともあり、韮山高校の舞台(5分遅刻)からの観劇でした。
ざっと、それぞれの感想を。
韮山高校『遠い声』
家出をして、田舎にやってきた女子高生が、久しぶりに父親の実家で過ごすお話。お盆なので、死んでいた人が帰ってきたり、キツネ(?)の2人組がいたずらに現れたりする。実は主人公の女子高生は、再婚のお母さんとうまくいかず、黙って出てきてしまっていたので、いよいよ見つかってしまう。初めは電話越しにお父さんと口論し、強い口調になってしまったけれども、親戚のさっちゃんにも怒られて、おばあちゃんの死んだ友人とも話して、それで家に帰ろう、と思うお話。
すごい起伏があるわけではなく、なにか、抜群のきっかけがあるわけでもないのですが、なんとなく最後の結末を受け入れられるような気になるお話でした。いい脚本でした。調べてみると、山梨の高校の演劇部の先生でしょうか・・・(?)。役者さんは、メインの人間の2人がちょっと声が小さかったのと、早口で聞き取りにくかったのがもったいなかったかな、と思いました。いい声してるし、小さい声でもいいお芝居は上手なんですが、大きな声のほうがいいところで、大きな声が出てなかったかなぁと。おばあちゃんの友人さんの独白は突然でしたが、あれは、なかなか良かったですね。キツネ二人は、物語の装置ですよねぇ・・・あの雰囲気のなかでどう生きるか、難しい役どころだなって思いました。もうちょっと観客を笑わせられたらよかったのでしょうね。全体。安定していたけれども、パンチに欠けるのかな? という感じでした。まあ、普通に良かったです。
静岡理工科大学星陵高等学校『暮れないマーチ』
最初のシーンのストップモーションの個性の豊かさが素晴らしいと思いました。これは島根の演劇部顧問の先生の作のようです。お盆に、死んでしまったサキオがユキオのもとにやってきて、ユキオの友達と一緒に遊ぶが、子ども特有の無邪気さでカブトムシやアリを殺してしまうことをきっかけに、サキオが、命の大切さについて問いかける。そんなお話でした。最初と最後のシーンと、間の劇がいまいちマッチしていない気がしました。どちらかというと、本編の子供たちのお話は、狂気じみているな、と感じられてしまいました。サキオがなんで?と迫るシーンは、迫真の演技だったと思います。ユキオもいいキャラでした。ただ、個人的な好みの問題なんでしょうね。別れのシーンも、最初と最後のシーンも、とってつけたような感じがして、あまり入り込めませんでした。あ、あとは舞台装置の木がすごかったですね。
静岡城北高等学校『age17@h30.com』
ええっと、すごかったです。ストーリーを説明するのは難しいのですが、平成を振り返る話だったかな、というお話。狭い場所から始まって、だんだんと芝居とともに、フロアが広がっていって、それぞれの人生とか、いま好きなこととか、紹介していく間に、平成が進んで、時代が進んで、自分たちの時間も進んで。それで、平成が終わるまでの話でした。それぞれが独白をしていって、それが見せ場になっていて、どの役も主人公だし、みんな上手だし、魅力的に見えるし、というなかなかに、やられたぁーー! という感じでした。関東大会に出場するようですし、こういうのが、まじめな顔した審査員に、「これだよ、これ」と評価されちゃうところもとても演劇の面白いところだと思います。途中、ちょっと独白がラッシュで来たあたりで若干ダレました・・・。なんだろう、高校生の生活がこれ以上振り切れたりはしないのはわかるのですが、エピソードの類似性が高くなるとしんどいんだな、と思うのでした。あと、時間、ちょっとオーバーしませんでした? 途中から気になってしまいました。なんだか、柴幸男さんのお芝居を見たみたいな気分になりました。とにかく、これは面白かったです。観れてよかったです。ただ、まっとうにストーリー物をやっている高校さんがいるからこそ、栄えるといういうことをお互いに忘れないでいたいな、と思うのです。
三島南高等学校『天国(うえ)を向いて歩こう』
はい、きましたよ、問題作。自殺をしようという呼びかけで集まった5人だったが、ひとり、またひとりとやっぱり今日は死にたくないかなぁ、と思った矢先に、一人は首つりをし、残りは拳銃で撃ち殺されて終わり、という話でした。なんというか、辛い・・・。これ、前にも見たんですが、演劇だからと言って、人を簡単に殺さないでほしいな、と思います。どの脚本にしようか悩んで、それでどうしてもこれだったというのが、これを選びたくなる心情というものを感じてしまい、とても苦しいな、と思います。演技は結構上手だと思いますし、セットもよくできていましたが、結末を知っているせいか、あまり集中できずに観てました。ごめんなさい。
磐田東高等学校『硬貨が落ちた隙間の向こう』
すごく素直に心に入ってくるお話でした。自販機の下の隙間に落とした500円玉を拾おうとしているうちに、廃部の決まった演劇部部長といじめられてサッカー部をやめてそれでもいじめられ続けている男の子が、ちょっと学校生活で支えとなる友人を見つける話でした。まず、こんなに後姿をお芝居で見る日が来るとは・・・!! という感じでした。1/4くらいは、後姿を見ていたんじゃなかろうか・・・(笑)。生徒創作の戯曲ということでしたが、伝えたいことをうまく台詞にできているんだろうな、と思う出来でした。前半ちょっと物語が進まな過ぎて辛かったのが、もうちょっとかな、というのと、もう少し動きがあると良かったのかな、というくらいで、個人的にはすごく好きな作品でした。
はい。
来年も観に行きたいですが、来年は転勤かなぁ・・・?
とりあえず、今度はうちの部活動の県大会です! 頑張ります~。おわり。