なかまくらです。
「ブレードランナー」観ました。ファイナルカット版。
続編が出ましたし、有名なのも知っていましたが、観ていなかったので、
いい機会ですし、観てみました。
あらすじ
環境破壊が進み、酸性雨の降り続ける街。
人造の人間が作られるようになり、
人造の人間(レプリカント)は、人間よりも運動性能や頭脳において優れていた。
ただし、レプリカントの寿命は4年となるように設計されており、
生まれてから死ぬまで、宇宙における危険な環境下での労働に従事させられていた。
あるとき、4人のレプリカントが脱走し、地球へと降りてきた。
特別捜査員(ブレードランナー)がことに当たったが、殺されてしまう。
そこで、元ブレードランナーであったデッカードに声がかかることになった。
デッカードは、嫌がったが結局は受けることになった。
レプリカントを作る会社・タイレル社で出会った女・レイチェルもまた
レプリカントであることにデッカードは気付くが、彼女は自信の秘密に気付かない。
デッカードは、仕事に当たり、レプリカントを次々と処分していく一方、
レイチェルに思いを寄せていくのであった。
レイチェルを除いては最後のレプリカントであるロイは、とうとう自分たちを設計した
タイレル博士に辿り着く。ロイの願いは「寿命を延ばしてもらうこと」
ロイは死期が迫っていた。しかし、それはタイレル博士にもできないことであった。
デッカードはロイを処分する最後の仕事に臨んだが、その戦いは激しいものになる。
ロイは、その命の限り戦い、自分の死期を悟って最後には、
ビルから落ちそうになるデッカードを救って死ぬ。
デッカードは、ビルに戻り、レイチェルの無事を確認すると、二人で逃げ出すことを選ぶ。
アパートの扉を開けたところにユニコーンの折り紙が。
それはデッカードの見る夢に登場する動物であり、
同僚のガフが手癖でよく折る折り紙で出来ていた。
というお話でした。
映画「ブレードランナー」が公開されたのは1982年ということですが、
ファイナルカット版、映像は綺麗ですし、今見ても色褪せないというのは
まさにこういうことを言うんだな、という映画でした。
世界観もどこか極彩色の日本語のネオンが他民族が混じったゴチャゴチャ感を出し、
今見てもなお、完成された未来都市の風景として楽しめる。
押井守の「攻殻機動隊」は、こういうことがやりたかったんだな、というのもよく分かる。
この映画の一面としては、「フランケンシュタイン」なんだな、と思わされます。
自分を作った人間に会いに行く話。そして殺してしまう話。
そして、自分の命というモノに対する葛藤。
この作品では、死が予感されている部分で違いますが、
最後に殺せずにデッカードの命を助けること、鳩が飛び立つことにも、
命に対するこだわりが感じられる気がしました。
さて、この物語は、アクションSFというよりは、サスペンス的な映画かなと思います。
そして、すごく意味深に作られており、作中に答えが用意されていない。
デッカードは、繰返し、レプリカントを区別する”テスト”を受けたのか問われたり、
デッカードの夢の中に出てくるユニコーンにも、永遠の命を示唆したり、
また、その夢の内容を同僚のガフが知っていることも不思議です。
デッカード自身もレプリカントなのではないか、という疑問・・・。
そうだとして、それを知って、引退したのか、そうではないのか、という疑問・・・。
最後の言葉もいい。
お前たち人間には信じられない光景を俺は見てきた
オリオン座の肩の近くで炎を上げる戦闘艦
暗黒に沈むタンホイザーゲートのそばで瞬くCビーム
そんな記憶もみな、時とともに消えてしまう
雨の中の涙のように
俺も死ぬときがきた
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解釈によって見え方が変わってくるだろう、素晴らしい映画でした。