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1cm3惑星

なかまくらのものがたり開拓日誌(since 2011)

高校が推し進める教育は、実学でいいの?

なかまくらです。

高校の授業の話。

授業に行き詰まりを感じますねー・・・・。

新教育課程では、探究活動をしましょう!

という風に、学び方が変わろうとしています。

その準備をしないとな、という現在。

この頃に、記事にしていました。

→ 探究とPBLの話

これから生き残っていくために学ばなければならないことは、

創造的な思考。自ら問題を発見し、

それを解決する方法を考えられる能力を会得することだと言われています。

人とモノが高度に融合化した時代が来ようとしています。

人工知能の発達によって、人間が担うべき仕事が変わろうとしている。

それに対応するために、学ばなければならないことがあるわけです。

さて。私の意見としては、半分賛成、半分反対。

賛成:

確かに、生き残るためには、人工知能に何ができて、何ができないかを知り、

自分がどんなかじ取りをしていくべきなのか、

考えて生きていなかければならないのでしょう。

反対:

恐ろしい方向に進もうとしているように思えますね。

実学に寄りすぎてはいないか、と思うのです。

反対語が基礎科学だとした場合の、実学です。

社会はSociety5.0に向かっています。人とモノが高度につながる世界。

その世界に向かっていくのは事実で、そこに対応しなければならない。

けれども、選択と集中をしすぎて、そこに一目散に向かいすぎなのではないでしょうか。

今、人工知能の時代が来ようとしていて、

学校教育もICTを使いましょう! ということで、

本校も、気温37℃の教室にクーラーはつきませんが、iPadは導入されたのです。

研究授業をしないといけないことになりまして、アプリを使ってみたわけですが、

確かにすごい。何がすごいか。生徒が使い方をどんどん考えて、

上手に使っているのです。しかも、積極的に参加する。

調べ学習などでもそうです。PC室のパソコンでやる場合に比べて、

信じられないほどの効率で調べていくのです。

あの、端末の画面に対する生徒たちの引き込まれ方は目を見張るものがあります。

けれども、不安があるとすれば、それが、Appleという会社のソフトウェア

だということ。なんて不安定なんでしょうね(笑)。

例えば、新しいiPadが発売されて、Appleがこのアプリは不要、

と判断したら、そうやって開発した授業はあっけなく使えなくなってしまう。

今、生徒たちに求められている、生徒たちを向かわせようとしている社会は、

そういう恐るべき不安定さの上にあるように思うのです。

それと同時に、自分たちを情報社会という膜の中に閉じ込めるような、

そういう気持ち悪さがあるのです。

もしかしたら、人工知能とは全く違う、もっと優れた何かがあるかもしれないのに、

基礎科学を離れて、実学に限りなく寄っていけば、

そこに到達することはないのでしょう。

学校教育は、いやだなー、ということも、これは好きだな、ということも、

関係なく、情報が得られる場所です。

読書に似ているかもしれません。小さい頃は、「読んでおきたい20冊」みたいな

ともかくそうやってわからないけど、読んでいたり、国語の教科書に載っていたから

読んでいたり、そういう風に興味のないことでも学ぶ機会がありましたが、

大人になると、興味のある本しか読まなくなりますね。

学校ではどうでしょう。

役に立つことだけを学べばいいわけではないはずです。

料理に食材が必要なのと同じように、

思考にも良質の材料が必要です。さらには、自己の見解が必要でしょう。

与えられた材料が自分の持っているものと比べて、しょっぱいのか、甘いのか、

そういう判断ができなければならない。

それを与えるのが高校なのかな、と、私はそう思うのです。

よく生徒には、

大学は、学ぶことをどう生かすかを自分で考えないといけない場所だよ。

専門学校は、役に立つことだけを学び、その生かし方まで教えてくれる場所だよ。

そんな風に言います。

それを高校でどの程度学ぶべきなのでしょうね。

高校では、まだ材料を集めていてもいいのではないかな、

と思う気持ちは尽きないのですが。

さて、どうしたものやら。





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