1cm3惑星

なかまくらのものがたり開拓日誌(since 2011)

最終回でしたよ(1)

なかまくらです。

今期のアニメはいろいろと面白かったですぞ。
まずはコレ。

「赤髪の白雪姫」

世に珍しい赤い髪をもつ

シラユキは、世間に奇異の目で

見られていた。王子の妾にされかけた

シラユキは、国を逃げ出すことを決意する。

その最中で出会ったのは、隣国クラリネスの

第二王子ゼンであった。

ゼンの国に移住したシラユキは、

ゼンの味方になりたいと、宮廷薬剤師の見習い

として働き始める。


シラユキとゼン、互いのまっすぐな思いが、

お互いを勇気づけていく。その勇気が困難を乗り越えさせてくれる。


そんな、まっすぐなお話でした。


なんといいますか、大きな波乱はないんですよ。

ただ、お互いが真っ直ぐに相手を見つめている。

思いを逃げずに受け止めてくれる。

このお話の中に、悪い人はいないんですよ。

そんな物語なのに、ものすごく丁寧に作られていて、

すごく面白い。すさんだ心を毎週洗ってくれる。

そんなアニメでした。よかったです。





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話しかけられにくい先生の私。

なるほど、なかまくらです。

もーね、最近、これは向いてないなーって。

そう、先生という職業のことです。・・・なんて向いていないんだ!


何かと言いますと、

私って、昔から話しかけられるほうじゃあなくて、

話しかけるほうなんですね。

まあ、なんで話しかけるのかといいますと、

寂しがり屋なんですね。誰かと話していたいけど、

話しかけてもらえない・・・そういうことなんですね。


で、じゃあ、学校という場所に行くとそれはどんな風になるかといえば、

生徒が話しかけてくれないんですね~。

うわぁ~、最悪だ。困ったなー。どーすんのよ。

別に普段は困らないんですよね。

でも、なにかあったときとか、ホントに困る。

言わなくちゃいけないことがあるんだよ。守らなくちゃいけないことがあるんだよ。

でも、聞いてもらうには、お互いに少しくらいの信頼がないといけない。

そのためには、それまでの関わり方が大事なんですよ、間違いなく。


そういうの、ちゃんと上手な先生が多いんですよね。

同年齢の先生に相談してみたら、「もっと子どもの話を聞いてやればいい」

という、最も参考にならない意見をいただきました!涙

それができるんだったら、とっくにやってる。

一緒にいても、大多数の生徒には話しかけてもらえないのだよ、これが。

・・・分からないかもしれないけれど。



先生に向いている人、向いていない人って採用試験で聞かれたりするんですよね。

「子どものことがわりと好きだ。その夢を応援したい」という人。

「(自分の)教科をどうしても教えたい」という人。

高校の先生は、そんな人であればいいと思っていたんです。思っているんです。


たぶん、それは間違っていないはず。じゃあ、どうするか。

話しかけられやすい先生になる努力をしないといけない。

それが、自分のためだけに留まらずに、

子ども達の為になるはずです。だって、私はもう先生として彼らと関わっているのだから。

どうでもよければ、なにもしない。そうじゃないから、なんとかしようとする。

インターネットで調べ物をすると、

「ひらいた身体」というものを持っている人は、話しかけられやすいのではないかって

そんなことが書いてありまして、妙に納得。(参照:https://www.1101.com/essay/2010-08-04.html


「ひらいた身体」を持つには、誰かと一緒に暮らしたりして、

思い通りにならない経験が重要なんじゃあないかって、そんなことが書いてありました。

あっ・・・なるほどね(察し

恋人がいたりして、お互いに悪いところに目をつむったり、我慢して譲り合ったりしながら

生きている人は、きっとそれができるんだ。そして、私はそれができないんだ( ̄▽ ̄;)


希望を感じられるのは、それは、できるようになるかもしれないということ。

もちろん、間違いなく難しい。

人物として自分はこういうもんだというアイデンティティーは年を取るほど、

動かしにくいものになっていくはず。すでにそうだ。

とにかく、明日どうするか、といえば、

これまで通り、

「忙しくても、子どものために時間をできるだけ割いてやること」
「子どものためになる仕事をひとつひとつしっかりやっていくこと」

・・・これをやっていくしかないね。

仕事ができる人、頼れる人って、こういう人のことだと思う。

すごく当たり前だけれども、大事なことです。


でも、まだ、出来ることがあるならば、やりたいね。






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【小説】短編小説を書く前に

なかまくらです。

わくわくしたい。そうしよう。


***


短編小説を書く前に

             作・なかまくら

短編小説を書く前の僕は両極端な分身状態だ。

踊りだしそうな高揚感と、立ち止まってしまいたい心の動揺が一緒くたにやってくる。

それをなんとか、心の内でドッキングさせたまま、コンビニに寄る。さながら宇宙ステーションへのドッキングミッション。途切れればそれは、あっという間に、宇宙に還ってしまう。

コーラを2本。真っ黒い砂糖水が、僕のインクみたいなもの。

階段を一個飛ばしてそれから細かく登ってみたりしてみて、次は細かいステップ。アパートの自室を目指す。開けてあったカーテンをきつく締めて、ノートパソコンの電源ボタンをぐいと押す。無音、からのヴォーン。ファンが回り始める。カリカリと音がして、脳みそが針で引っかかれているよう。

右手の人差し指と左手の人差し指をジェイとエフに置いて構える。なんだって、構えが大事だ。構えで勝負が決まるといってもいい。思ったことをタイプする。それもワイルドに情熱的に、それでいて、冷静に訪れるラストシーンを思い浮かべるように。

少し、コーラを口に含む。しゅわしゅわと泡が弾けて消える。浮かび上がってくるアイディアを連想する。心が泡立っていく。

ワープロソフトが起動すると、社会という名前の首輪を外されたもう一人の僕が、転げまわって笑いながら、ものすごいスピードではねる。そして、画面の向こうに拡がる白紙の水平線へと遠ざかっていく。

その思い切った間取りの庭に小道具を置いていくために、僕はひとつ息をしてから、彼を追い駆ける。






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【小説】砂魚

なかまくらです。小説ばかりを更新してみたい。そんな願望がやみません(無謀

いつか戯曲化したいけれども、とりあえず小説で、

という作品。

どうぞ。


::::::::::::::::::


「砂魚」

                    作・なかまくら

外はひどい砂嵐だった。
窓には板を打ち付けている。雨戸がガタガタと音を立て、ここを開けろと主張していた。
「ひどい嵐だな」 マスターがポツリとつぶやいて、言葉は砂嵐の雑音の中に吸い込まれていった。
「ええ・・・」 僕は無意味な返答をした。



パクパク、パクパク。
「マスター」「なんだ?」「金魚が」「金魚がなんだ」「泡を吐いてるんです」「金魚だからな、泡ぐらい吐くだろう」「これって、ただの泡なんですかね」「泡だろう」「そうですかね」「泡じゃないって、そういいたげだな」「金魚がね、泡を吐き出しながら、こっちを見てるんですよ」「泡をね」「吐き出しながらですよ」「パク、パクとね」「いいえ、パクパク、そしてパクなんです」「ほう・・・」

カウンターから少し離れたほう、店の入り口の扉が軋んだ。ガタガタと、音を立てて、なんとガラリと開け放たれた。

倒れこむように入ってきた男は、つきかけた膝を手で押し戻す。山吹色のポンチョを身体に纏っていた。「やあ、まいったね」そう言って、入り口で大胆に砂を払った。
「いらっしゃい、こんな中、どちらから?」
マスターは、立てかけてあった箒と塵受けを手に取ると、砂を集めて、シューターに流した。
「・・・ええ、諸国を旅していてね。この辺りは随分と砂に塗れているんだな」
「すっかりですよ」
「ここがあって、助かった」
「それはどうも」 マスターは、にこりと笑って、男を店へ招き入れた。
「こんにちは」 僕はパクパクとしゃべった。泡が浮かび、水に押し出されて天井へと昇っていく。
彼がそれに気づく様子はなく、
「君は・・・お客さんかい」 不思議そうな顔で、男は僕をじろじろと眺めた。
「いえ、彼はうちの見習いなんですよ」 マスターの言葉はうわんうわんと水の中を振動して伝わってくる。
「随分とヒトデ不足のようで」
ヒトデの足を捥いで食べると、新しい足が生えてくるように、もがれた僕は傷ついた痛みを生やしていくことができたなら。

「ラジオをつけてもいいかな」 男は返事を聞く前に、スイッチを入れるとつまみを回した。
「すいませんね・・・ここらは、昔工場があって」
「昔? ああ、大戦前に」
「ええ・・・金属粒子が飛ぶんです。それが、天気の悪い日は帯電するみたいでね・・・。なんにも、入っては来ないんです」

「情報がなくてね。右に行ったらいいのか、左に行ったらいいのか」 男はコンパスを取り出して、ぐるぐると回る針を見せた。
「言葉の意味が目まぐるしく変わっていますからね、コンパスで旅なんて、尋常なアイディアじゃないですね」 豆から抽出された黒い成分が、香りを伴って、カップに落ちていく。ポツリ、ポツリ。

水の中に拡がっていくように感じる。染み出して、苦い言葉のままに。
「・・・ところで、ここにもあるんですよね」
男の言葉に、マスターの手がぴたりと止まった。
「なにがです」
「・・・なにって、書物ですよ」
「砂糖は?」「いえ、結構」
棚の奥から出しかけていたシュガーポットをマスターは棚に戻した。
「・・・ここは、コーヒーを楽しむところじゃあない。そんなことは分かっているんですよ」
男は靴でリズムをとって床を鳴らし始めた。カッカッ、カッカッ。
「私には必要なんだ、その言葉が。その言葉さえあれば、なんだってできる。言葉は世界に氾濫しているが、その中にはなかった。すべて砂に埋もれていった」
男のシャツの胸元が開いていた。掻き毟った跡が見えた。
「わかるだろう! もう、その言葉がなければ! ・・・ほんの一刻、生きていることさえままならない」
何かが切れたように、目は血走り、顔は青ざめていく。髪の毛は逆立ち始めると同時に、頬が垂れる。
「・・・ええ、わかりますよ」
マスターは、目を落として、カップの中の黒い水に映る自分を見ているようだった。男は人目をはばからずに、ぼりぼりと掻いた。
「・・・お客さん、お砂糖、いらないですかね?」
マスターは、もう一度尋ね、男は、「あぁ・・・」と不意に穏やかな顔になってそれを受け取った。
カチャリと、陶器の触れ合う音がして、続いて熱い息が漏れる。それが順番にラジオから流れる砂嵐に紛れて消えた。

水の中にいる僕に、砂嵐はまだ届いていなかった。







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「バクマン。」観ました。

なかまくらです。明日からしばらく更新お休みします。

映画「バクマン。」観ました。


シュージンの文の才能とサイコーの絵の才能を合わせて、

ジャンプで一番の漫画家になってやろうと奮闘する物語です。

シンプル!

シンプルだからこそ、面白い。

  

小豆役の子はすごい美人かと言われると、ちょっとそうじゃない。

でも、それはそれでよかった気もします。

原作の漫画の絵に近い気がします。それを狙ったのかな?


映画では、劇中作「この世は金と知恵」で新妻エイジと勝負をします。

とにかく一生懸命に、がむしゃらにやる。やると、結果がついてくる!

挫折をしても、また必ず這い上がってくる。これがジャンプですよね。

シンプルな映画で純粋に楽しかったです。

最初のジャンプの歴史を振り返る映像とか、途中の漫画家いているところの映像が

かっこいいですね。

そうそう。途中で、ペンを剣に見立てて戦うシーンがあるんですね。

あの当時、漫画を読んでいるときには気づかなかったけれども、

今、ソウルキャッチャーズを読んでいる今ならわかる。

ひとコマひとコマのクオリティで勝負しているんだ・・・。

だから、書きあがったコマを相手に投げつけるような戦闘シーンになるんだ・・・!

観ても楽しい映像体験になっていました。


あと、EDのスタッフロールね。あれもいいですねぇ。

ああいうスタッフロール作ってみたかったわ。

サカナクションの音楽も、全編を通して同じ雰囲気を貫いていていい出来でした。


おわり。






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