なかまくらです。
「キネマの神様」原田マハ著 文春文庫刊を読みました。
いやー、面白かった。
あらすじ。
一流企業で働いていた私は、40を手前にリストラされてしまう。
父はギャンブルの借金に埋もれ、おまけに心筋梗塞で入院してしまう。
あてのない家族に光明が差したのは、父娘の映画好きがきっかけであった。
あるとき気まぐれに冴えない映画雑誌のブログに投稿したふたりの文章が、編集長の目に留まり、
娘の就職が決まり、父の映画ブログがはじまることに・・・
*
みたいな感じです。
映画の好きな貴方に勧めたい一冊です。
これは面白い。
感動しました。じんわりと温かくて、みんなが映画が好きなことが伝わってきて、
映画のために、いろんなものをなげうって、情熱を傾けていて、
胸を打たれます。何かのために、僕たちはどれだけ本気になれるんだろう。
仕事だけど、仕事らしくない。だけど、仕事で、意識したら、きっと出来なくなる人もいる。
でも、愛があればなんでもできる(笑)
とにかく、面白い作でした。
以下戯言。若干のネタバレを含むので、これから読もうかな、
読んでみたいな、と思う方はここで、おかえりください^^
でね、
あらすじの続きなのですが、
人気ブロガーになった父。
父には友人がおり、友人は、名画座と呼ばれる、
過去にかかった映画のリバイバル上映を行っている映画館を経営していた。
そして、その名画座は、娘がかつて働いていた企業のシネコン建設によって、閉館しようとしていた。
その時、奇跡はおこる。
みたいな話。
これ、
おもわず、
書かれた年月日を見てしまいました。
2007年、7月~2008年、9月。
・・・ほぼ同時っ!!?
そうなんです。
これ、私が、2008年に書いた「シネマイナ」とかなりつくりが似ているんです。
シネマイナは、簡単に紹介すると、
父は隠れた名作を上映する映画館の館主。
娘はそのお手伝い。仕事は設定なし。
彼氏はシネコン誘致の社長の息子。
シネコン誘致によって、映画館は潰れかかっていて、その現状を寂しく思っていた。
あるとき、かつて銀幕を駆け抜けていって、
今は有名な映画評論家となっていた男が父の映画館を紹介したいとやってくる。
父はその申し出に、悩む。隠れた秘密基地だからこそ、意味があるのではないか、と。
映画を愛するとはなんだろうか、みたいな話でした。
似てないですか!?
書いた人としては、とっても似てると感じました。
シネマイナを書いたのは、2008年8月。
雑誌掲載が初出なので、完成はこちらの方が早かったですが、
設定が明るみに出るのはあちらの方が早かったんですね。
なんだか、嬉しくも、悔しくもありますね^^。
設定じゃあ、負けてない。
でも、膨らめ方が勝てない。
でも、そこに個性が現れて、どんな膨らめ方ができる作家かで、
結局は売れるか売れないかが決まってくるのでしょう。
筆力が・・・ふでぢからが足りないのですよね。
でも、
こういうのって、悔しい。でもちょっと楽しい。