なかまくらです。
11/26。日曜日。静岡市民文化会館で、観劇してきました。
浜松開誠館高校「舞台監督」
あらすじ。顧問が転任してしまった演劇部で、舞台監督を務める演劇部員は、見学を申し出る生徒に、練習の様子を見せる。国譲りの神話を基にした舞台では、力あるものが国司から国を奪おうとしていた。それは、練習場所さえ確保が難しい演劇部の現状と重なって・・・。そして、見学希望の生徒は、大きな流れの中で戦う気持ちを失っていて。というお話でした。
顧問の先生が別の学校へ異動してしまったそうですが、その顧問の先生による台本の提供だそうです。この劇中劇は何年か前に浜北文化センターでみたことがあったのですが、それを下敷きに、新しい物語として、再構成されていて、今の演劇部の皆さんのお芝居になっていたと思います。先生がご指導されていた部分と自分たちで作り上げてきた部分。過渡期となるいま、部活動を続けるなかで不安もあったと思います。そういう色々をお芝居に昇華されていたのではないかと思います。動きはよく練られていましたが、活舌は頑張れ! という感じでした。これからも頑張ってください。
静岡県立富士高校「Goodbye, the earth」
あらすじ。地球に隕石が落ちて、明日、人類は滅亡するというとき、人々はどんな風に過ごすのか・・・。というお話。
オムニバス作品で、旧知の人たちに電話を掛けたり、人類が抱える問題を解決してみたり、恋人を探してみたり・・・。いろいろな場面をコメディにして次々発表していく形式でした。それぞれがなかなかのクオリティで1時間、十分に楽しめました。動きもよく練習されていて、発声や活舌も良かったです。惜しいのは、やはり、オムニバスに本筋がないことかなということでした。全体を貫くテーマがあったり、それぞれの物語が最後に伏線を回収するように集まっていくような、そういう仕掛けがあるとよかったなという感じでした。ところで、最初の海藻がうにょうにょ育っていくような踊りの前衛芸術感はなんなんでしょうね笑
浜松市立高校「アダムと死刑囚」
あらすじ。日本を震撼させた殺人事件。医師の一家を皆殺しにした男は何を思ってそのような凶行に至ったのか。新人の新聞記者が先輩とともにその事件の真相に迫る。そこにはそれぞれの正義があり、何が正しかったのかは、正義と悪などというそんな単純なものでは片付けられないものだった。というようなお話。
死刑囚の神崎役の役者さんがとても上手で、その奇異な人格、そして後半に見せる後悔。死を目の当たりにしたときの演技も迫真のものでした。目黒さんは、感情で突っ込むタイプで、感情はすごく乗っていましたが、聞き取れないところを意識してしゃべると良いですね。新人記者さんは、右足を下げてしゃべりがちなので、舞台の下手を向いて話しているときは、お客さんに表情が見えにくいので、そのあたりを気を付けるとよいかなと思います。全体としては、場転が多すぎるので、場転の工夫を考えると良いかなと思いました。
というわけで、どのお芝居も楽しめました。おわり。