なかまくらです。
第26回菜の花舞台「ギフト」を観てきました。
俳優の橋爪功さんが毎年、伊豆市土肥に公演に来てくださるというイベントだそうです。
今年は「ギフト」という作で、2年くらい前に、雨で中止になったときの演目の再演
ということのようです。
どんなお話だったか。
社会が疲弊し、お芝居の興行を隠れ蓑に、拾ってきた子どもたちに盗みをさせて、
その収入で暮らす男ファースがいた。
子どもたちは、いつもおなかをすかせてはいたが、逞しく生きていた。
そのリーダー格のジンクスは、お金をただ盗むだけではなく、弱者には施しをするような、
義賊のようなポリシーを持っていた。
あるとき、街に作家を名乗るカルロという男が現れる。男は、自由や希望を説いたり、
本を書いたりして、街に変革をもたらそうとしていた。
それを恐れた警察は、カルロに指名手配をかける。
カルロは、ジンクスの亡き母が遺したお金を渡し、ジンクスに言う。
物語の結末は、自分でつくるものだ。
そう言って、ジンクスの読みたかった本の最後のページを破り捨てる。
ファースは誘拐の容疑で捕まり、母を亡くしたジンクスはカルロの言葉を受け、
まっとうに生きると決めて、街を出た。
とある仲間はジンクスと一緒にどこか遠くへ行った。
とある仲間は、本当の母親に出会えて、引き取られていった。
とある仲間は、芝居の実力を見込まれて、今では話題になっているらしい。
残されたファーマは、寂しく過ごすのだった。
みたいな、お話でした。
良く構成された見応えのあるお芝居でした。
あっという間に時間が経ってしまいました。
子どもたちに働かせていたファーマもいい男ではないのでしょうが、
引っ込み思案で役に立たない子も面倒を見るし、
母親が捨てたジンクスも立派に育てたりと、
子ども思いのいいやつ、という側面がちゃんと描かれていて、
憎めない人物、という感じでした。
子どもたちそれぞれの成長もあり、とても素敵なお芝居でした。
おわり。