あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
書初めということで、小説でもどうぞ。
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「10月はカットします」
作・なかまくら
「えー、地球脱出船の出発ですが、10月31日に決定しました・・・すでに抽選は終了しておりますが、ここでひとつ、国民の皆様に大事なお知らせとお願いがございます」
総理大臣が首相官邸でその発表をした。そのルックスで圧倒的な人気を集めた総理が、ツルツルピカピカのHEADを披露したことで、週刊誌は沸いた。
『未来はどこへ!? GO A`HEAD‘!』
『総理ご乱心!? 国民総丸刈り!』
『男女平等について考える。女性の髪』
『丸刈り美人。新時代のファッション特集!』
『放射線被曝による脱毛者が語る・・・!』
「よろしいですか、大体、髪の毛の重さは一人、50~100グラムくらいだとされています。この脱出船は、あらかじめ抽選された2千万人が乗れるようになっています。髪の毛の重さは0.05キログラム×2千万人で、100万キログラム・・・2万人の追加募集が可能になります。どうか、協力をよろしくお願いします。なお、ここに、丸刈りGメンの結成を宣言します! これが、その制服です!」
総理、完全にノリノリであった。Gメン達は屈強で、髪の毛はツルピカだった。手にはバリカン、ホルスターにもバリカン、替え刃も充分、やる気も充分意気揚々だった!
『AIによる顔認証でターゲットロックオン!』
『訪問丸刈り! 丸刈り被害者の嘆き!』
『BARIKAN! оr DEAD!? 生きるとは何か』
『丸刈りならば、死を選ぶ』
『10月はカットします』
・・・10月はまだ始まったばかりだった。