1cm3惑星

なかまくらのものがたり開拓日誌(since 2011)

作者取材のため、というやつ

なかまくらです。

物語を書くためには、知識や経験が大事だと思う今日この頃です。



10年前、大学3年生の春にやっていたお芝居がありまして、

その頃に、「今度こんなお芝居を書こうと思っているんだよね」

と後輩に話した話が、いまだに完成していません(笑)。

書こうとして、こんなキャラクターにして、こんな仕事についていて、

こういう主軸となるモチーフやテーマがあって、

こういう展開になって・・・と考えた時に、

「あれ、これ、全然書けねえや」と、凍結。

いろいろと気が付いた時には本を読んだりして、知識を増やしていきました。

ずっと書こうと頭の片隅にあって、ようやく書けるかな?

と思ったのが、2018年が始まったころのこと。

それで、えいやーーっと、1/3くらいまで一気に書きまして。

再び立ち止まる。あ、これ、まったくわからないぞ・・・。再凍結。

そして、この春、時間もあったので勉強をしまして、書ける? 書いてもいい?

とおそるおそる解凍してみると、

あのとき、こんがらがって見えなかった物語の結末への糸口が

ちょっとだけ顔をのぞかせていて、

あー、こうまとめればいいんじゃない?

というものが浮かび上がってきてそれに向かって、いらないシーンを切ったり、

逆に欲しいシーンを足したりする。

そして、あと、4~6シーンくらい書いたら、たぶん完成なのですが、

なんとここで、全く新しい知識が必要になってしまう。

・・・え、どうしよう。そこにあまり深く触れるつもりはなかったのですが、

これ書かないと、完結しない。

・・・というわけで、また勉強ですね。

少年漫画とかで、作者取材のため、休載します・・・とかあるじゃないですか。

あれ、1週間しか休載しないって、取材の神としか思えない・・・と、

10年完成しないで足踏みしているなかまくらは思うのでした。

おわり。





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ブログデザインへの画像RSSの活用

なかまくらです。

ブログのデザインを一新してみました。

左の絵も書きましたよ。地球がやばい。

今回のコンセプトは、なんと

開いても最新の記事がトップに表示されない!

という一見クソ仕様なのですが、

直近10件の記事が画像付きで見出しのようになって並ぶというデザインになりました。


これ、新しくないですか??

それを実現したのが、画像RSSというサービス。

自分のサイトをRSS(Really Simple Syndication)に登録します。

あ、RSSというのは、ウェブサイトの更新情報を配信するサービスなのです。

これに、自分のブログを登録すれば、

すべからく、自分のサイトの更新情報が並ぶわけです。

それを記事のトップに配置すると、このようなデザインが実現したのです。


ただし、画像をクリックすると、「このページに飛びますか??」

という、余分な1ステップが増えてしまったのは、ちょっとイマイチなところです。

この影響がどれくらいあるのかは、また様子見ということで。





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【小説】世界征服

なかまくらです。

こんなご時世なので、こんな小説を。


===============================


「世界征服」

                作・なかまくら



 見世純太郎(みせ じゅんたろう)と世良混太郎(せら こんたろう)は高校の卒業式が終わると正門へと向かった。
「いよいよだな・・・」「ああ、いよいよさ」
二人は顔を見合わせた。
「私はもう計画の設計図がノート1冊分ある」純太郎が言うと、
「余はこの頭の中に入っておる」混太郎が頭を指でこんこんと示した。
「なんだ、余って。気が早いんじゃないのか?」純太郎が噴き出して、
「まずは形から入る、というのは当然である」混太郎がさも当然のようにそう言った。
二人はそれから、前を向いた。川をまたいで造られた珍しい学校で、その川がちょうど国の経度のちょうど真ん中にあった。
「では、西は任せろ」「余は東を束ねよう」
そう言ってふたりは別れた。世界征服の第一歩を踏み出すために。

それから。10年が経っていた。
「第118回、定期報告会だが、リモートでの開催でどうだ?っと・・・」部屋は薄暗く、4枚のモニターが煌々と無精ひげの男を照らしている。送り終わった男は、席を離れて冷蔵庫に向かう。部屋には読みかけの雑誌や、本、CD、DVDなどが散乱していた。ひもで縛ろうとも思ったが、紙も今となっては貴重な資源になる可能性がある。冷蔵庫を開けると、水出しのお茶、わずかに残った卵、漬物と腐りかけの葉物野菜がちらほらと見えた。中身もいい加減、心許無くなっていた。純太郎は、缶ビールを取り出すと、冷蔵庫を閉じた。席に戻ると、返信を知らせる通知がすでに届いていた。

カチ、カチ

開けば、「把握した」とのOKの合図だった。続けて、デケデケ、と通知が鳴り「10分後にでもやろう」ということだった。

「相変わらず、忙しい男だ」純太郎はふっと笑った。そして、缶を開けて一口含んで、飲み込んだ。アルコールを含む液体がゆっくりと流れ落ちていく。・・・世界は大変なことになっている。子供のころ夢見たAIの暴走でも、宇宙人の侵略でも、世界戦争の危機の訪れでもなかった。目に見えない敵が現れたのだから。きっかり10分で着信音が鳴り、モニターのインカメラに自分の顔と、混太郎の顔が映った。
「なに、そちらは只今、夜であったか!?」大きな声が暗い部屋に響き渡った。
「いや、日光で活性化するという研究結果があるらしいぞ」純太郎は、静かな声で返した。それから、焼けたな・・・とひとり、つぶやく。
「これか。これは、余はいま諸国を回っておる。それゆえに、な。それよりも純太郎、これを見給え」混太郎は今も変わらない変なしゃべり方で、画面に何かを近づける。植物のようだった。
「これは、余が見つけた新種の植物で、ウイルスの発生源の近くに群生していたものになる。もしや、何らかの関係があるかもしれん」混太郎の目は輝いていた。
「ああ、すごいな。これが成功すれば、世界はお前のものになるんじゃないのか。例の食糧問題を解決するかもしれない植物の種の散布も順調なんだろう?」
「まだまだ、これからであるが、ゆくゆくは人類の胃袋は余の前に跪くであろうな」
「いや、胃袋を跪かせてどうするんだよ」ハハ、と純太郎は笑った。
「なにを、陰鬱な顔をしているのだ。お前のすべての国家のメインサーバにバックドアを仕掛けておく計画もなかなか侮れるものではない」
「お前は物質世界を、俺は仮想世界を、だったからな」純太郎は、8年前に20歳の成人式の時にした話を懐かしく思い出した。若かったのだ、あの頃は。
「なあ、混太郎。純と混、どちらが悪にふさわしい?」純太郎は言って、ハッとする。缶はいつの間にか空になっていた。止まらなかった。
「より純粋に突き詰めていった先に悪があるのか。それともより混ざって複雑になり相手を緩やかに薄めていった先に悪があるのか。どっちなんだ」
「そのどちらの先にも世界征服があるだろう。そういって余らは、あの正門で別れたと記憶している。その証明をするために生きているのだと余は理解している」その目は、信念に満ちていて、自信にあふれていた。顔は焼け、画面に映る腕には決して細くはない。周りには多国籍の人々が忙しく働いており、この通話が終わったら混太郎もその一員として、世界を救うための活動に戻っていくのだ。
「これ純太郎、まさか余が世界を悪の手から救う、善の存在になったゆえに打ち倒そう、などと考えているわけではあるまいな」混太郎が胡乱げな目を向けてくる。
「はい?」
「よいか、純太郎。此度の脅威は、悪によるものではない。確かに周到な用意がなされていたといってよい。人体の中で一定数まで増えないと症状が現れないように、世界全体で一定数が現れた時にはすでに恐ろしい事態に陥っていた。それまで力を蓄えていたその戦略は一顧程度には値しよう。だが、彼らには悪意がなく、そのための行動ですらないゆえ、我々も敵をはかりかねているのだ。ゆえに、戦う相手すらわからぬものが多い」
「悪ではない・・・」
「そうだ。先を越されたわけではない、ということだ。そんな心配をしておったのか?」
「あ、ああ・・・」純太郎はどう答えればよいのか分からなかった。自分は、今、あまりにも無力だった。部屋に閉じこもっていることしかできていない。
「なあ、混太郎」
「なんだ」
「『世界に悪は栄えない』って、何かの台詞かなんかであったよな」
「あったのか? あったのやもしれん」混太郎は知らないようだった。
「それが、今俺たちを滅ぼそうとしていて、・・・いや、でも大丈夫だ。敵は見えた」
「はて? その敵とは、純太郎、そちの敵なのだな。それは任せる」
「ああ、混太郎も頑張ってくれよ、荒廃した世界を征服する趣味はないからな」
「分かっている。また次回の定時報告会で」
「ああ、また」

通話を切って、純太郎はひとりに戻った。
「○○がいるかぎり・・・か」
○○とはなんだろうか。それが自分を圧し潰そうとするのだ。
それが混太郎になる未来も、純太郎になる未来もあるようにも思えた。あるいは、純太郎がすでに出会っている誰かでもあるようだった。それは容易に入れ替わり、また裏返ったりもするだろう。だが、意図こそが重要なのだ。純太郎はそう思った。
そして、キーボードを勢いよくたたき始めた。








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「28 1/2 妄想の巨人」見ました(DVD)

なかまくらです。

「28 1/2 妄想の巨人」見ました。



押井守監督の「鉄人28号」の舞台を見たので、

その制作ドキュメンタリー的な映画(?)です。

芝居の稽古風景をスチールカメラマン小林を通して見させてもらうという映像作品?

として淡々と進んでいくのですが、

終盤、小林は舞台上に正太郎少年を見たような気がする。

そして、「正太郎少年」を見たといった押井守も稽古に姿を見せなくなる。

そして、公開ゲネが終わり、

押井守とゆかりのある業界の著名人たちが見て、

酷評をしていく。

「いったことが現実になる時間がある」

小林は、舞台の下に車を見つけ、それに乗り込んで街へと繰り出す。

するとそこに鉄人がいて、それを飛ばすのだった。

という最後だけファンタジーという映像でした。


押井守の自虐的な作品でした(笑

最後、押井守が失踪するのは、金田正太郎少年が失踪するのに重ねているのでしょうね。

ただ、正義とは何かとか、そんな難しいことは考えてないんじゃないかってくらい

の感じの映像でした。

カメラマン小林の表舞台に立ちたい願望も満たされて、物語としては決着がつきまして。

まあ、単純に制作ドキュメンタリーとして楽しめました。

おわり。





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舞台「鉄人28号」見ました(DVD)

なかまくらです。

舞台「鉄人28号」見ました(DVD)。



アニメ監督で有名な、押井守の手がけた舞台ということで、

・・・いったいどうなることやら(良くも悪くも)。

と思いつつ、DVDを買っちゃったわけです。

押井ファンとしては結局見るしかないのですよ。


さて。

戦後の日本。東京オリンピックを控える日本では、

大規模な野犬狩りがされていた。

金田正太郎は、鉄人28号を動かすことのできる少年だ。

正太郎は、野犬の処分場を襲撃するという人狼党から、

処分場を防衛するために駆け付けるが、

野犬を処分し、新しい時代を迎えようとする大人たちに疑問を覚えていた。

野犬は生まれたことに罪があるのか?

新しい時代を迎えるために、罪なき者の犠牲はつきものなのか、それが正義なのか。

そう迷う正太郎少年は、人狼党に襲撃とともにさらわれてしまう。

さらわれた正太郎少年は、救出されてきた女立喰師の「けつねころっけのお銀」と出会う。

お銀は、これからは自分のためだけに生きるんだよ、と言い残し姿を消す。

科学がもたらす正義、新しい時代を作るべきなのか、

それとも、罪なき犠牲のない正義を生きるべきなのか、

正太郎少年は、迷いの中、脱出し、鉄人28号の元へ戻る。

彼は、東京オリンピックで5輪を描くはずだったブルーインパルスの代わりに、

鉄人で5輪を描く。

そして、そのまま姿を消した。


というお話でした。


序盤は、ひたすら犬の話をしていました。

犬というのは何かの隠語で、本当は政治犯か何かを追っているんだと思っていましたが、

本当に犬でした(笑

中盤から、新しい時代を迎えようと動く時代の中で、

圧殺されようとしている者たちが現れ、その話を聞いて、

正義と信じていたものが揺れ動く正太郎少年の葛藤が描かれ、面白くなってきました。

「(海の向こうに見える東京を指して)あそこに何が見える?」との問いに

「未来が・・・」と正太郎少年が答え、「私には見えない!」と返す。

このやりとりが一番グッときました。

未来が見えないからこそ、こうなっているんだ。その怒りが彼を突き動かしているんだ。

そんな感情が流れてきました。

最後に正太郎少年はオリンピックの開会式へ向けて出発した後、疾走するわけですが、

ずっと時間がたってから、かつてのお銀のような格好で現れます。

この意味はどう解釈したらいいのか、難しい。

もともと、正太郎とお銀は一人二役だったので、そういう意図があったのでしょうが、

確固たる正義のもとに動くのではなくて、

野犬のような、純粋無垢で、イノセンスでありながら、

けれども牙をむき、人を傷つけるためにおそれられ、処分されるような、

そういう存在に正太郎という男と鉄人28号を留めおきたかったのだと思う。

石ノ森章太郎の「キカイダー」のラストで、キカイダーが服従回路(イエッサー)を埋め込まれ、

正義と悪の心を手にして人間に近づいたように、

虚構の中の存在であった鉄人28号の操縦者、金田正太郎という人間が、

ラストシーンでは、オリンピックの開会式を陰で成功に導きながらも、

脚光を浴びることなく、メディアによって虚構を立ち上げられることなく、

人間臭く生きている姿を描いたのかもしれない、と思うのでした。


いろいろと想像が膨らんで、押井ファンとしては、面白いお芝居でした。





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