なかまくらです。
「天気の子」観てきました。ネタバレ注意。
あらすじ
東京はずっと雨が降っていた。
帆高は、島の息苦しさから抜け出したくて、家出して東京に来た。
けれども、身分証もない帆高は、バイトにもつけず、
持ってきたお金も底をついてしまう。
K&Aという怪しげな記事を書いている須賀の会社で何とか雇ってもらい、
そこから、東京での暮らしがスタートした。
陽菜は、1年前に母を亡くし、弟と二人で暮らしていた。
けれども、未成年2人だけでの暮らしという不自然な状態だった。
帆高は食えなくて困っていた時にハンバーガーをおごってくれた陽菜が
男の人にからまれて困っているところを助けようとして、
知り合いになる。そして、陽菜が100%の晴れ女(願えば、そこだけ晴れる)
だということを知り、ビジネスを思いつく。
晴れさせたい、という依頼を受けて、晴れを届ける仕事。
いろんな人に感謝される素敵な仕事だった。
そのころ、K&Aの須賀は、晴れ女について取材を続けていた。
ある神社で、天井に描かれた絵には、天に魚が泳いでいた。
そして、晴れ女が人柱として消えれば、天気は元に戻るということを知る。
幸せな日々は続かない。
陽菜が人柱のことを知ったのと同時に、
帆高は、東京に来てから拾って所持していた拳銃と家出の件で警察から追われる。
陽菜と弟の凪も児童相談所に引き取られることになりそうだった。
3人は、逃げることにした。
ところが、降り続ける雨のせいで遠くへは行けず、
2人は捕まり、陽菜は消えてしまった。
そして、東京は晴れる。陽菜は人柱として空の上に連れていかれてしまったのだ。
帆高は、警察署から脱走する。
天気をつかさどる神社へ向かい、陽菜を連れ戻すために。
警察に追われ、須賀や凪らの助けもあって、帆高は空の上に向かう。
「私が戻ったら東京が・・・」という陽菜に、
「陽菜のほうが大事だ・・・! 天気なんて狂ったままでいい」という帆高。
そして3年後。
島の高校を卒業し、東京の大学へ進学するためにやってくる帆高。
東京は、水没し、海となってしまった場所も多い。
陽菜と再会したときに、なんと言えばいいのか悩む。自分たちの選択のせいなのだ。
陽菜の顔を見たときに、ふっと浮かんだ言葉は「僕たちはきっと大丈夫だ」
おわり。
という感じでした。
おおお、東京、沈んじゃったよ。陽菜さん救ったせいで。
やらかしてくれますな! というのが、終わって最初の感想。
なんというか、セカイ系の王道的な作品だなぁという映画でした。
よく考えると新海監督は、最初からセカイ系の人でした。
セカイ系というのは、簡単に言うと、自分の選択が世界に影響を与えるような、
そういう物語のことを言います。
本当だったら、そういうことは普通の高校生とかには起きなくて、
何をやっても、大した影響もなく、社会みたいな、大きなものは揺るぎもしないわけです。
ところが、ライトノベルでよく使われるセカイ系では、
直接世界をどうにかする力を主人公が持っていることが多いんですね。
それで、主人公は世界どうにかできちゃうけどどうしよう?
みたいな決断を迫られることがよくありまして、
若者はたぶん多かれ少なかれセカイ系が好きな人が多いと思います。
帆高は家出少年で、島でのことはほとんど描かれません。
ただ、大した理由じゃなかったんだろうな、と思います。
なんとなく、いやで、東京にきて、
特に意味もなく、時間が流れて、
それで、しまいには世界なんて知ったこっちゃない! 君のほうが大事だー!!
と叫んで、東京を水没させる。
なんというカタルシス。
すごく、今の若者をとらえているように思います。
なんか大人がこぞって考えるような、すごく難しい意味とかたぶんないんですよ。
なんとなく。
なんとなくそうしようと思っただけ。
そんな感じで動いているんですよ、たぶん、大人になり切れていない私自身も。
だから、いろんなことが無駄。
理解しようとされることも、息苦しいし、無駄。
みんなのことをちゃんと考えて、とか、
将来のことをちゃんと考えて、とか、
社会のために、とか、
自分だけのことを考えないで、とか、
そういう、社会を回すために必要な、連綿と続いてきたのであろうそれを、
いやだねっ! って、つっぱねてしまった主人公たちに、
強い共感と憧れをもってしまう私なのでした。
たぶん、万人受けはしないんでしょうね。
昔観た「空の向こう 約束の場所」もこんなエンディングだった気がします。
女の子のために、塔をミサイルで攻撃して救い出す・・・みたいな。
で、その女の子が塔の制御のカギとなっていて、塔は暴走する、とかだったと思います。
そうそう、「君の名は」の主人公とヒロインの瀧くんと三葉は
別々の場面でちらっと出てきます。こういうのはニヤッとしますね。
ちなみに、考察されている人の感想を読むと、
この時点では、まだ二人が再開する前とのこと。
さて。全体を通してみると、
ちょっと使い古された演出も多かったのかな、と思いましたが、
まあ、それは次回に期待ということで、
賛否両論ありましょうが、
私にとっては面白い映画でしたよ、天気の子。