1cm3惑星

なかまくらのものがたり開拓日誌(since 2011)

「狂気の山脈にて」読みました。

なかまくらです。

「狂気の山脈にて」読みました。



クトゥルー神話という、作られた神話の原点となる、

作家ラブクラフト氏による短編の傑作選です。

「ランドルフ・カーターの陳述」

「ピックマンのモデル」

「エーリッヒ・ツァンの音楽」

「猟犬」

「ダゴン」

「祝祭」

「狂気の山脈にて」

「時間からの影」

の8作品、収録されておりまして、

表題作でもある「狂気の山脈にて」は、南極探検に行った先で、

人類を遥かに凌駕する文明を誇った”最先(いやさき)のもの”が、どのような

文明を作り、そして、滅んでいったのか。その架空の文明を描いた作品でした。


それ以外の作品も、人類が我が物顔で繫栄している、その目に入らない部分・・・

それは古い地下室や、屋根裏部屋の窓の外、外洋のどこか。

そういった部分に、人知を超えた怪物が潜んでいる・・・というようなホラー作品でした。


一番、好きな作品は、最後の「時間からの影」でした。

”偉大なる種族”による、精神の入れ替えを経験した男が、その時の経験を夢に思い出し、

西オーストラリアの遺跡の発掘に参加する話で、前作の「狂気の山脈にて」を踏まえつつ、

描かれた人類の短い歴史の外側を大きなスケールで描いたスペクタクルで、

「狂気の山脈にて」よりも、読みやすい筆致で描かれていました。

ラブクラフトが癌で死去する少し前に書いた作品とのことで、

物語の構成としても、比較的読みやすく書かれていました。


さて。

現在のゲームやアニメの常識として、たとえば、ファンタジーの世界観

・・・例えば、剣や魔法の世界がありますね。それと同じように、さまざまなところで、

作家たちに引用され、登場することで、次第に、人工の神話という体系を作り上げてきた

クトゥルー神話ですが、物語を書くものとして、履修しておこうと思ったわけです。


簡単に言うと、とにかく読みづらい本でした!!

世界観は、素晴らしいし、言葉の選び方も訳も含めて、語彙が豊富で素晴らしいのですが、

悪い意味で話が進まないのと、何を言っているのか分からなくなりがちなのと、

登場人物が何をしているのか分からなくなりがちな本でした。

短いとそこまで気にならないのですが、長編作品だと相性が悪いのです。

文章が、基本、否定形で書かれていて、

「よく分からない、ということはほとんどなかった。それどころか、名状しがたい面白さが分かりやすく伝わってくるのだった」みたいな、いや、面白いって言ってくれよ! みたいな表現は、なかなか慣れずに大変でした。

そういった意味でも、最後の「時間からの影」は、そのあたりの表現も成熟したものであり、その独特の世界を十分に楽しめました。


まあ、あーだこーだ書きましたが、なかなか苦心して読んだ本作の世界観は十分に楽しめました。

おわり。





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