なかまくらです。
「ブレードランナー2049」を観ました。
上演期間のギリギリでした。観れて良かった!
監督は、超面白かった「メッセージ」の監督、ドゥニ・ビルヌーブ監督・・・、
と思って、メッセージの感想の記事にリンクを張ろうとしましたが、
何故か、感想書いてないっぽい。あれれ?
あらすじ
Kは、ブレードランナーとして、旧型のレプリカント(人造人間)を”解任”していた。
旧型を製造していたタイレル社は破産し、ウォレス社がレプリカントの製造を
取って代わって行っていた。
あるとき、潜んでいた旧型のレプリカントを破壊したとき、人骨が納められた箱が
発見される。それは、レプリカントの製造番号が刻まれており、
そして、妊娠していた。
始末したレプリカントは、最後にこんな言葉を遺していた。
「奇跡を見たことがないから、そんなに淡々と仕事が出来るんだ」
レプリカントが妊娠する、という事実が明らかになれば、
人間とレプリカントの関係は崩壊する・・・! そう恐れたマダムは、
生まれたであろう、レプリカントの子どもを探す。
その中で、自分に植え付けられた記憶が真実であり、
自分こそがその子どもではないかと思い、自分の記憶を取り戻すために
デッカードの行方を捜すのだった。
そして、デッカードと出会うのだが、その場所は、Kを取り巻く様々な思惑に
筒抜けであった。
妊娠するレプリカントの技術の復活を目指すウォレス社のレプリカントが、
Kとデッカードを襲う。
ところが、連れ去られたのは、サンプルであるはずの、レプリカントの子どもである自分
・・・ではなく、デッカードだけであった。
Kは、真実を知り、そして、デッカードを助けるために、ウォレス社の車を襲撃するのであった。
という、お話でした。
およそ30年前に作られた「ブレードランナー」は8:2くらいで、
ダークな映画でしたが、この映画は一見、逆・・・2:8くらいな感じで、
明るめというか、エンターテイメントとして受けるように作られているように
見せている感があります。
でも、だからこそ、すごく難しい仕上がりになっているなぁと思いました。
全体を通して、雨が降っていた前作とは違って、雨は上がっている場面もあるんですね。
でも、なんだか、白っぽい大気。弱い陽光、生き物の感じのしない世界。
そして、メッセージが詰め込まれているようで、読み取るのはすごく難しい感じでした。
私が捉えたものは多分、ごく一部ですが、そんな感じに感想をかきますね。
まず、登場人物の配置が秀逸。
前作に踏襲して、人物を置いている安心感と言いますか、ブレードランナーの世界なんだな、
という安心感でスタート。科学者ウォレス、折り紙の退任警官も出てくる。
敵となるウォレス社のアンドロイドも現れる。
そして、主人公、レプリカントのKと、AIホログラムのジョイ。
この2人にはやられたなぁ、と思いました。
前作は、人間とレプリカントの2人だったのに、一段希薄になっているわけです。
でも、この2人は、恋のようなものをしている。
Kは、子どもを殺せ、と言われたとき、「生まれた者には魂があると思う」
という。では、魂がないと思っているジョイに
恋をしている自分は何だと思っていたんだろう、と。
何故人のように過ごしているんだろうって、思うわけです。
そして、敵のレプリカントのラヴにしても、自分が一番愛されたいという嫉妬の塊のようで
本当に、みんな人間らしいんですよね。
もうね、どうしたら自分が人間なのか、分かりませんね。
人間であるマダムが、出産するレプリカントを潜在的に恐れたのは、
そういうところでもあったのかも、と思いました。
そういえば、3時間近くもある映画の中で、人間はほとんど出てきませんでした。
今の現実社会において人間は、随分と淡泊に生きている人が増えているのかも?
奇跡を信じられないのは私たちも同じなのかもしれない、と思ったり。
ああ、あと、ハリソンフォード演じるデッカードがレプリカントなのか、
そうでないのか? というファンの間での議論ですが、
レプリカントから子どもが生まれるということ・・・
確かに、観る前は、デッカード、年取っちゃうじゃん!
レプリカント年取らないやろ! もう、出る時点で人間確定やん!
って、思ってましたけど、レプリカント、別に年取ってもいいじゃないの。
しかも、(レイチェルと)出会ってすぐに恋に落ちるというのは、
すべては仕組まれていたんじゃないのか? とまで言わせてしまう。
そうそう、平成風に言うと、年を取るホムンクルス(ハガレンより)って、ありかよ。
みたいな感じですよね。
そんなわけで、真実は分かりませんでしたが、
デッカードさんは、堪え忍んで30年を生きて、そして、
その間に、随分と身体を鍛えていました。
昔より強いんじゃないかな(苦笑)、というくらいに。
というわけで、謎にはあまり触れず、これはこれで、という、
新しい物語を楽しむことが出来ました。