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なかまくらのものがたり開拓日誌(since 2011)

time algorhythm

なかまくらです。

作りかけですけど、たまには作りかけで上げてみます。


続きは書くかなぁ~。構想はあるんですけど、ラストは決まっていませんの。

感想などありましたら。ください。



雨に移行する(仮)
                               作・なかまくら
 
 
イコール   できた!
 
バタンとドアが開いて、
 
スコール   できたんですね!
イコール   できたんだ~。
スコール   できたてたんですね~。
イコール   できたてたてたんだよ~。
スコール   で、
イコール   ・・・。
スコール   どこに?
イコール   ごほん。
 
スコール、マイクを取り出して、
 
イコール   ほ~ら~、あしもとをみ~てごらん~
スコール   足元ですね!
 
イコール   うむ。
スコール   ・・・なにもないですが。
イコール   目の付け所が、違うっ!
スコール   なるほどっ!
イコール   ・・・物分りが良過ぎるな。
 
スコール   ええっとですねー、博士にプ・レ・ゼ・ン・トが。
イコール   な、なんだってっ!
スコール   じゃーん、これ、なんだと思います?
イコール   うーんとね、君のブロマイド。
スコール   わかっちゃいます~、
イコール   うんうん~
スコール   ソンナワケナイダロ。
イコール   やっぱり?
スコール   ま、おしいっちゃ惜しいかなぁ~。これは、招待券なんですよ!
イコール   招待券? ・・・ま、まさかっ!
スコール   そう、一世を風靡する超新星アイドルグループ、ニュートリノ!
イコール   の、招待券。
スコール   そうなんですよ。博士、たしか好きですよね。
イコール   熱狂的大ファンだよ。
スコール   研究費をつぎこんじゃうくらいですからね~
イコール   ど、どうしてそれをっ!
スコール   もちろん、来週スペシャルライブがあることも知ってますよね?
イコール   来週、・・・ね。
スコール   さて。
イコール   む。
スコール   どこにありますか?
イコール   何が?
スコール   しらばっくれるんじゃありません!
イコール   ひっ!
スコール   さっき「できた!」って、言ったやつですよ。
イコール   ああ。そ、そんなことよりもっ!
 
スコール、おあずけする。
 
イコール   な、どうしてそんな非道いことを!
スコール   足元を見ています。
イコール   ・・・・・・なるほど。
スコール   どうです~、欲しいでしょ~。
イコール   ・・・そうだね。
スコール   あれ、そこまででもなさそうですか?
イコール   先週ね、映画を観に行ったんだよ。
スコール   はい。
イコール   その中に印象に残る言葉があったんだ。
スコール   ・・・・・・「ハッピーターン」ですか?
イコール   そうそう。でね、その中に印象に残る言葉があったんだ・・・。
スコール   私も見ました。
イコール   そう? でね、その中に印象に残る言葉があったんだ・・・。
スコール   いい映画ですよね~。
イコール   ちょっと、いい?
スコール   ?
イコール   今から大事な話するからさ、ちょっと静かに頼めますか?
スコール   はーい。
イコール   その中に印象に残った言葉というのがね・・・・・・
スコール   はい。
イコール   ・・・・・・まあ、いいや。
スコール   えー。
イコール   できたものを、見せよう。
スコール   おっ、
イコール   これだ。
 
イコール、装置にかかっている、布を取り払う。
 
スコール   な、なななんとっ、こんなところに! して、これは、なんですか?
イコール   これはな。アルゴリズム装置だ。
スコール   アルゴリズム体操~、の、アルゴリズムですか?
イコール   間違いではない。
スコール   つ、つまりこの中に入って、一歩進んで前ならえすればいいんですか?
イコール   落ち着きなさい。もう時間がないんだよ。
スコール   え。
イコール   時間が、ないんだ。
スコール   時間、ですか? 私まだおなかも減っていませんし、まだまだ大丈夫ですよ?
イコール   耳を澄ませてごらん。
スコール   ・・・・・・?
イコール   空間のねじれる音がするだろう。
スコール   空間のねじれる音。
イコール   そうだ。空間がねじられて、歪みから漏れ出す異次元達とその逆行列がこの次元を対角化していく音だ。
スコール   何が起こるんですか?
イコール   新たな類が出る!
スコール   ルイ?
イコール   まず、海に魚類が生まれた!
スコール   魚、ですね。
イコール   そして、陸の温度が下がってくると両生類、爬虫類、哺乳類、鳥類、と次々と飛び出してきた。
スコール   ええ。
イコール   その時取り残された第六の類、これが今、次元の歪みから現れようとしている。
スコール   その、第六の類、はどんな生物なんですか?
イコール   今の段階では分からない。
スコール   分からない?
イコール   それが、生物なのか、動物なのか、植物なのか、怪物なのかもわからない。ただ、一つ言えることは、何か、恐ろしいことが起こるということだ。恐竜が絶滅し、哺乳類から人類が目を覚ました時のように、何か、恐ろしいことが。
スコール   そんな・・・早く知らせなきゃ。
イコール   世界政府は内情を十分に熟知し、対策を打っている。ほら、ジェット機のエンジンの音が聞こえるだろう? 次元爆弾が次元の穴を塞ごうとしているんだ。
スコール   次元爆弾。
イコール   さあ、時間がない。スコール君、君はこの中に入るんだ。
スコール   この中に?
イコール   そうだ。これはアルゴリズム・・・つまり、時間を最適化する装置だ。時間がない、急ごう。
スコール   時間を最適化する装置・・・。
イコール   世界は毛糸の糸のようにぐちゃぐちゃに進んでいる。もし、それをまっすぐにすることが出来れば、それは、時間を大きく飛び越えられるということだよ。きっと、ほんの少しの時間でいいはずだ。内部電源でも持つだろう。
スコール   待ってください、博士、どうして私が?
イコール   ・・・・・・。
スコール   博士が行った方が、もし、世界を救うなら。
 
間。
機械音。
 
イコール   ・・・君は気づいていないだろうが、
スコール   ・・・。
イコール   この研究室は、君が来てから明るくなった。私も、この部屋も。
スコール   ・・・え? 博士、それはどういう・・・
イコール   さあ、もう行きなさい。ほんの数時間でいいだろう。ひと眠りするといい。
スコール   待ってください! 博士!
 
 
イコール   ・・・・・・乾杯。
 
 
暗転。
 

 
 







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