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なかまくらのものがたり開拓日誌(since 2011)

【小説】風の渦中へ

なかまくらです。

即興で、ちらっと、書いてみました。

どうぞ。


***


「災厄の日、おとずれん!」


彼はそう叫んで、校門をくぐった。


「おはようございます、げへへぼぼん!」


すれ違い様にベロリとしたべろをべろした後輩が、回り込むように下から覗き込むアングルをキープしてくる。


「ひぃぃいいっ! やめて! ごめんなさい!」


「ふぇ?」ベロン後輩が彼の思いもよらない反応に、動揺を隠せずに、したべろを食み食みしていると、彼は、我に返って、ひとつバク天を決めた。


「おおっと、これはおろかな・・・。おろかなり!」


「へへぇええ!」ベロン後輩は、嬉しそうにこちらを眺めて、仲間になりたがっている。


「ついてくるがよい!」「へへぇええ!」


廊下までやってくると、用務員のおばさんが立ちふさがる!


「おとうかざんすおろうかざんす!」


モップを容赦なく叩きつけ、廊下の汚れを抉りとっていく。抉られた後には、何も残らない・・・。


あろうことか、その用務員のおばさんの前に立ってしまった彼は、おののいた。


「ひぃぃいいっ! やめて! ごめんなさい!」


「ふぇ?」「ざま?」用務員のおばさんは彼の思いもよらぬ反応に、動揺を隠せずに、モップをもふもふしていると、彼は我に返って、靴で床をキュキュッと落とした。


「おっと、星に願いを、あなたに愛を」


「ざまーーーっす!」用務員のおばさんは、目をハートにしてこちらを眺めて、仲間になりたがっている。


「ついてくるがよい」「へへぇええ!」「ざまーーーっす!」


教室までたどり着くと、クラスメイトは二つのピースを形作り、でこに当てている。そして、叫んだ。


「すたぁあああああああーー!」


その瞬間、教室が光に包まれた。宇宙が暗黒に包まれたとき、使者が現れる。遥か夏の秋めいた浮遊に覆われた光が暗黒を払ったように、光に包まれた。ぱーーー、ぱぱーぱぱー!


「ふはっ! ふはははっはー!」


「ひぃぃいいっ! やめて! ごめんなさい!」


「ふぇ?」「ざま?」「すたぁあああああああーー!」


その瞬間、彼は、フェザーマスターとなり、ガラスというガラスをバリンバリンと割っては投げ、割っては投げ、もはや辺りは群雄割拠の手裏剣乱舞! 風を操るフェザーマスターの彼の前では、光すら吹き飛ばされる!


こうして、彼の平和は守られた。


家に帰ると、彼は静かな部屋で、PCの電源をかまいたちで入れた。巻き起こる熱を吹き飛ばし、そして、ネットゲームを立ち上げる。


彼は汚れた衣を羽織り、こそこそと路地裏に入っていった。


「ひぃぃいいっ! やめて! ごめんなさい!」


路地の向こうから声が聞こえる。


彼は安堵の表情を浮かべながら。







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