1cm3惑星

なかまくらのものがたり開拓日誌(since 2011)

「理科は理科系のための科目ですか」読みました。

なかまくらです。

「理科は理科系のための科目ですか」読みました。



高校物理では、何を教えようとしているのか、ということについて、

著者の思想が書かれている本です。

この人の物理観は割と好きなので、2冊目です。

→ 『理数オンチも科学にめざめる!高校物理“検定外”教科書』読みました。

もしかすると、ちょうど私が広島大学に在学中に、広島大学にいたんじゃないかな?

というタイミングなのですが、学部が違うので、残念ながら会えませんでした。

さて。

本の全体の主張としては、

その科学的発見をしてきた人物には、宗教的あるいは社会的な背景があり、

その観念の元に発見をしているわけだから、

日本人が理科教育を受けることによって、

日本人だからできる発見をできるような科学的な見方考え方を育むにはどうしたらよいか、

考えるべきだ、というようなことが書いてあるように思いますが、

これに関しては、私はちょっと共感しかねるので、さらりと読み飛ばしました。



後半は、力学と電磁気学の体系について、著者の考えが述べられていました。

特に電磁気学は、多くの高校生が苦手としています。

これは100もの公式が登場することにその原因があるとし、

「原理」と「定理・法則」を分けて考えることだとしています。

その上で、電磁気学をファラデーの「場」を意識した構成として教えることを提案しています。

その実は、マクスウェル方程式に基づいた分類になるのですが、

なるほどわかりやすいかもしれません。


覚え書きとして、「場」に関する4つの原理を書いておきます。

① クーロンの法則(→ ガウスの法則へ発展):電荷と電場の関係
② ビオ・サバールの法則(→ アンペールの法則へ簡略化):電流と磁場の関係
③ 電磁誘導の法則:磁場と電場の関係
④ 変位電流を含むアンペールの法則(→ 電磁波へとつながる):電場と磁場の関係



これについては私なりに最近考えていることがありまして、

電磁気学の序盤については、空間と電荷にしっかり分類して、

今どちらについて考えているかの現在地を常に示してやることが重要なのではないかなと思っています。

これについては、前の記事をどうぞ。
→ 高校電磁気学についての覚書





拍手[0回]

高校電磁気学についての覚書

なかまくらです。

今年は、物理のクラスを受け持っているので、電磁気学を教えています。

高校電磁気学ですが、

私が高校生の時に感じた印象は、
  • 覚えることが多すぎて、よくわからない。
  • ごちゃごちゃしている。
  • でも、公式さえ覚えてしまえば、あとは力学やってるだけ。
  • 問題は解けるけど意味はよくわからない。
とまあ、こんな感じです。

でも、電磁気学は、マクスウェル方程式によってまとめ上げられていることを知り、
  1. クーロンの法則(→ ガウスの法則へと発展) :電荷と電場の関係
  2. 電磁誘導の法則 :磁場と電場の関係
  3. 単磁荷は存在しない。
  4. アンペールの法則(→ 電磁波へと発展) :電場と磁場の関係
これをベースに考えられるのではないかと思っています。

確かに、力学的だし、問題も力学っぽいので、電磁気が空間の物理学だ!

と言っても、あまり問題を解く役に立ってきません。

ただ、公式がなぜそうなっているのかは、かなり体系的に理解できるようになる気がしています。

さて、電磁気学の序盤・・・クーロン力、電場、電位のところですが、

次のように考えるといいのかなと思っています。



まだまだ、勉強することがたくさんあるなあと感じるのでした。





拍手[0回]

「外の道」アーカイブ配信 観ました。

なかまくらです。

「外の道」アーカイブ配信 観ました。



イキウメさんは好きな劇団で、去年から心の中が枯渇している感じでした。

こんなご時世なので、劇場まで行けなかったのが残念でしたが、配信してくれるということで、

2000円でチケットを購入。自宅で観ました。


あらすじ(は難しいですが・・・)

地元の同級生がある地元から離れた場所で偶然再会する。

寺泊は、結婚をして配達員をしていたが、あるときマジシャンの常識では考えられない

手品を見せられて、その謎にとりつかれる。

マジシャンに迫ると「世界の構造を理解すること」だと言われ、

今まで見えなかったものが見えるようになる。

妻が美しいことに気づき、そして妻が浮気をしていることに気づく。

誤配が増えるが、人間の作った仕組みは美しくない、と改善しなかったため、

会社をクビになった。


山鳥芽依は、離婚を機に弟と認知症の始まった母と田舎に引っ越してきていた。

あるとき身に覚えのない荷物が届く。

中身は「無」と書いてあり、その通りに何も入っていなかった。

しかし、それからというもの、山鳥芽依の寝室に「無」があることを意識できるようになる。

それはだんだん大きくなり、山鳥芽依は、一度すべての感覚を無に飲み込まれ、

気づいたら、存在することの安心感に包まれながら、隣のビルの屋上に全裸で朝を迎えていた。

しかし、家族には言い出せず、無が充満していくその家で不自由な暮らしを続けていた。

そして、あるとき、寝室に人がいることに気づく。

その少年は、山鳥三太と名乗り、5年前に養子縁組をした山鳥芽依の息子だというのだ。

少年の通った学校の記録、保険証、担任の先生の証言、入学式の写真・・・

すべてが少年が山鳥芽依の息子だと示していたが、山鳥芽依には身に覚えはなかった。

少年は無から生まれたのだ。少年は言う。「気がついたらそこにいた」

だがどうだろうか、と山鳥芽依はふと気づく。

みんなそうではないか。気がついたらそこにいる。

あるときビルの屋上で全裸で目覚めたときのように。

みんな無から生まれるのではないだろうか。


2人はそこを出ることにする。気がついたらそこで話していた。

「怖いね」と寺泊は言い、「大丈夫、私は一度来たことがある」と山鳥芽依が声をかける。

「在ることを想像するの」「どうせなら、美しいものに」

こうして物語は終わります。




引き込まれて、あっという間に終わりました。

しかし、難解でした。これは難解。

ふとしたきっかけで、今、法律とか人間が作り出した仕組みに裏切られるようにして

信じられなくなったときに存在そのものまで信じられなくなってしまう。

マジシャンによって自然科学が、見覚えのない養子によって社会科学が信じられなくなったとき、

彼らはその中で生活ができなくなってしまう。

それが「無」というものが潜んでいることによって引き起こされており、

それはどのように伝達されてくるのかも分からない。

そんな日常に潜む恐ろしさを感じるとともに、

社会の仕組みやその存在を一から理解していかなければならない2人の前途(が在ると信じたい・・・死んだわけではないよね?)を予感させるラストシーンに、丸め込まれた感じがしました。

つまり、飲み込めてない感じ。

イキウメさんのお芝居はいつもそうなのですが、魅力があるんですよね。

面白かったです。

おわり。





拍手[0回]

やきいもをフライパンで

なかまくらです。

やきいもがフライパンでできるらしい・・・。

おいしかったので、メモを残しておきます。

① サツマイモとコップ一杯の水をフライパンに投入します。



② 蓋をして、超弱火で2時間・・・

③ 2時間後、こんな感じに。


④ 完成です! お好みでバターとかあるとまたおいしいのです。
 





拍手[3回]

「少女終末旅行」観ました。

なかまくらです。

「少女終末旅行」観ました。



チトとユーリは、戦争から逃がしてもらって、上層を目指して旅をしていた。

縦に何層も何層も重なっており、どこまで続いているかわからない。

人を見ることはほとんどなく、たまに出会うくらい。

過去の戦争で、記録すらもほとんど失われており、

食料とケッテンクラート(後部に積載が可能なバイク)の燃料を探しながら、

上層を目指していく。

彼女らは、誰もいない世界を明るく旅していく。上層に行っても何があるかもわからないけれど。

お風呂に入ったり、電車に乗ったり、二人でレーションを作ったり、カメラを貰ったり、飛行機を作るのを手伝ったり。

絶望と仲良くなれたら、いいのに。



絵柄から放送時には全然見なかったのですが、

メイド・イン・アビス」を見て、食わず嫌いはいかんな、と名作と言われる作品を

探していて、見つけた作品でした。

終わりに向かう短編集で、何か救済があるわけではないのですが、

真面目なチトと蛮勇なユーリのデコボコなふたりの掛け合いが、

どこか詩的で、すごく盛り上がるわけでもないのですが、

最後まで追いかけてしまいました。

面白かったです。





拍手[0回]

カレンダー

10 2024/11 12
S M T W T F S
2
3 4 5 6 7 8 9
10 12 13 14 15
18 19 20 21 23
24 25 26 27 28 29 30

アーカイブ

フリーエリア

ブクログ



ブログ内検索