なかまくらです。
短いものですが、どうぞ。
ちょっと社会風刺的な感情が湧き上がっていて、珍しい私です。
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「世界が変わるとき」
作・なかまくら
――羊を食べたオオカミは、井戸に落とされるという。
じゃんけんでは駄目ということで、鬼ごっことなった。世界大統領を決める鬼ごっこ。世界を変える大役はガッツのある若者に任されたといっていい。マスメディアはこぞってこの様子を中継でお茶の間に届ける。鬼が世界を変えるのだ。タッチされると鬼になるのだ。
なかなか決まらないので、モモタロウというルールが途中で追加される。モモタロウと鬼、どちらかが世界大統領に就任することが、データ放送による国民投票で決まったという。若者たちはその足を止めずに、鬼とモモタロウから逃げ続けた。新しい感覚で英雄の存在を探していた。